オリーブドラブ(OD、Olive Drab)は19世紀後半より第2次世界大戦、ベトナム戦争を通して世界各国の軍隊の戦闘服や、軍用車両などの塗装に用いられてきた、最も知られているミリタリーカラーです。
地中海地方原産の、オリーブの実の色から派生したOD色は、一般に黒と黄の塗料を1対1で調合した、ダークオリーブブラウン、または灰色がかったオリーブ色などを指し、日本のJISの色彩規格には「暗い灰みの緑みを帯びた黄」をオリーブドラブと定義されています。
ミリタリーカラーである「オリーブドラブ」が、最初に英語の色の名として登場したのは19世紀後半の1892年です
しかし、色の名前としての「ドラブ」は、16世紀の半ばまで、さかのぼる古い歴史を持つ色の名前です。
オリーブドラブは、第二次世界大戦中に、米軍の官給品と軍用車両、米軍兵士の標準的な戦闘服の色で、第二次世界大戦中にアメリカ軍により採用されていたオリーブドラブ色を、公式にオリーブドラブ#3(#6B8E23)と呼んでいましたが、その後、1944年には、#3よりも暗いオリーブドラブ#7(#3C341F)と変更されました。
さらに1952年には、バージニア州フォートベルボアにある、技術研究開発試験所( ERDL )によってオリーブドラブは、オリーブグリーン107(OG-107)に変更されます。
このオリーブグリーン107は、米軍公式の戦闘服の色として、ベトナム戦争が終わった後の1980年代まで、制式に採用され、タイプI(1952–1963)タイプII(1963–1964)タイプIII(1964–1989)と進化を続けました。
その後、1982年に主要な米国の戦闘服は、M81ウッドランドカモフラージュにその座を譲りましたが、その後もERDLはオリーブドラブを、戦闘服の色見本の一つとして保持し続けます。
オリーブドラブには、多くの色合いとバリエーションがあり、またフォリアージグリーンなどとも区別がつきにくい製品もあり、他のミリタリーカラーと同じく(デザートタン、デザートアースなど)区別がつきにくいですが、公式にはアメリカのFS- 595ペイント規格で定義されています。
オリーブドラブは、米軍で使用されているウェビングやアクセサリーなど、ソリッドカラーとして使用されたり、複数の迷彩(タイガーカモ、 MARPAT 、マルチカムなど)にカモフラージュ用として現在も、ミリタリーになくてはならない色として、使われ続けています。
- 1892年 オリーブドラブ 誕生
- 1944年 オリーブドラブ#3からオリーブドラブ#7へ変更
- 1952年 ERDLによって、軍の採用はオリーブドラブはオリーブグリーン107(OG-107)タイプIに変更
- 1963年 オリーブグリーン107 タイプII
- 1964年 オリーブグリーン107 タイプIII
- 1982年 M81ウッドランドカモフラージュへ変更