2018年11月01日作成 2025年11月26日更新

• PALS（パルス）とは
• PALS（パルス）のしくみ
• ポーチの取り付け手順
• 各社のスティックの違い

PALS（パルス）とは

PALS（Pouch Attachment Ladder System、ポーチ・アタッチメント・ラダー・システム）とは、バックパックや、タクティカルベストなどに、ポーチなどを取り付けるための規格で、アメリカ陸軍ナティック兵士研究開発・工学センターによって考案・特許取得されたシステムです。

ALICEパックに代わる個人装備システムとして、アメリカ軍が1990年代に開発した、耐荷重性の装備運搬システムMOLLE（モール）の構成要素の一部として、採用されています。

MOLLEと言えば、PALSを指すほど、PALSはMOLLEの中心的な仕組みとなっています。

PALS（パルス）の特徴

ウェビングと呼ばれるナイロン製の帯を一定の間隔で縫い付けており、このテープに様々な装備品をかんたんに取り付け可能で、ポーチなどの装備を自由に配置できる拡張性の高さが特徴です。

ナイロン製の帯を縫い付けたタイプの他、レーザーカットによるスリット（切り込み）を入れたタイプも一部のブランドから、リリースされています。

MOLLE（モール）とは？

PALS（パルス）のしくみ

PALSの基本構造

下記の2点がMOLLE装備の全てに共通しています。

一定間隔（1インチ、約2.5 cm)で縫い込まれているウェビングに、ストラップを交互に編み込んでいくことで、ガッチリと固定されます。

バックパックなどの表面に縫い付けられている帯が、PALSウェビングで、このウェビングにポーチをスティックを使って取り付けることができます

ウェビングは、幅1インチ(2.5 cm)の上下に1インチの間隔で縫い付けられ、ポーチ類の横ずれを防ぐため1.5インチ(3.8 cm)間隔に、帯は縦に縫って固定しています。

PALSに対応しているポーチには、PALSウェビングに差し込むためのスティック（又はストラップ）が付属していますので、このスティックをウェビングの裏に通して固定します。

PALSウェビングの種類

ポーチなど取り付ける側のプラットフォームとなるPALSウェビングには、帯を縫い付けたウェビングと、レーザーカットウェビングの2種類があります。

レーザーカットウェビングは、レーザー加工機でウェビング生地に多数の切り抜き穴を等間隔であけ、スティックを指せるようにしたものです。

このレーザーカットは、従来のウェビングのストラップを編み込む方法とは異なり、厚手のナイロン生地を溶融させながら切断・加工することで、より高い精度と薄型化、滑らかな仕上がりを実現しています。

さらに利点としてよく挙げられるのは、ラダー部分の多いプレートキャリアやチェストリグなどの大幅な軽量化と、かさばりの低減が可能です。

ポーチの取り付け手順

① ポーチと本体の位置を合わせる

取り付けたい位置を決め、本体側の上段ウェビングとポーチの位置をしっかり揃えます。
※　最初の段がずれると、後の編み込み全体が歪むため丁寧に。

② ストラップを本体ウェビングの上段に通す。

ポーチ側の縦ストラップを、本体側の上段ウェビングの裏側へ通します。

③ ストラップをポーチ側ウェビングに戻す（編み込み開始）

ストラップをポーチ側ウェビングに戻して編み込みます。
※　ここを省略すると固定力が大きく低下します。

④ ②と③を交互に繰り返す

本体ウェビング → ポーチウェビング → 本体ウェビング → ポーチウェビングと、順に最後まで編み込んでいきます。

⑤ 最後にスナップボタン（またはタブ）を固定する。

全て編み込み終えたら、下部のボタンを「パチッ」と留めて固定します。

※　写真は、5.11タクティカル製のマガジンポーチです。

スティック（又はストラップ）は、正しく編み込むと、横方向に隙間がなく、手で引いてもぐらつかず、装備を振ってもバタつくこともありません。

PALS対応のバッグへ　PALS対応のポーチへ

各社のスティックの違い

ハイスピードギア（HSGI）

HSGクリップ

ハイスピードギアのポーチへ

ブラックホーク（BHI）

ナイロンスティック

ブラックホークのポーチへ

スピードクリップ

スピードクリップ付ポーチへ

5.11タクティカル

スリックスティック

5.11タクティカルのポーチへ

スティックの比較

	ハイスピードギア	BHI（ナイロンスティック）	BHI（スピードクリップ）	5.11タクティカル
保持力
作業性
耐久性

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