お客さまよりご依頼頂きました商品につきましてカスタム対応をさせて頂きました。
・KRYTAC TRIDENT MK2 PDW-M 海外製電動ガン
カスタムご依頼内容は『駆動系統／耐久／レスポンス／初速／集弾、飛距離、弾道性能向上カスタム』でした。
上記カスタムに加え『電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】搭載、トリガーをショートストローク化』も併せてご希望頂きました。
この度、『初速性能向上』をメインに『駆動系統のカスタム整備、耐久性向上、重量弾使用時における集弾／飛距離／弾道性能の向上』、また『電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】搭載、トリガーのショートストローク化によるレスポンス性能の向上』含めフルカスタム製作を実施致しました。
KRYTAC TRIDENT MK2 PDW-M 海外製電動ガン カスタム内容
カスタムご依頼内容
(1)初速性能向上 ※0.25g弾で初速83m/s程をご希望【0.25g弾での調整】
(2)集弾／飛距離／弾道性能改善：集弾性向上カスタムノズル、カスタムチャンバーパッキンゴム搭載
(3)レスポンス向上：電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】搭載
(4)レスポンス向上：トリガーをショートストローク化
ご依頼品の状態、ご使用状況
・メカボックス内部はノーマル状態であるもののモーターはカスタムモーターへ交換済み
・外装はグリップ、ストックがカスタムされている
・現在の初速は87m/s(0.2gBB)と低め
カスタム製作のポイント
①メカボックス内部オーバーホール作業（分解部品洗浄）
②クライタック製スパーギアのスプリングスペーサーを撤去、回転性能と静音性向上の為カスタムスペーサーへ組み換え
③駆動系統カスタム整備【ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
④電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】メカボックスケース加工組み込み、トリガーストロークの短縮加工
⑤AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
⑥重量弾対応 エア容量の見直し：エア容量の多いカスタムシリンダーへ組み換え
⑦重量弾対応：初速／集弾性能を改善するカスタムノズルへ組み換え
⑧電子制御基盤を汚さない特殊グリスを駆動部へ塗布、再組立て
⑨メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 適正ホップ時 85～80m/s(0.25gBB)の範囲内【0.25g弾での調整】
⑩インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス
飛距離、集弾性、弾道性能を改善させるカスタムチャンバーパッキンへ交換調整【長掛けダブルホールド】
カスタム製作に使用したパーツ
■計：7点
・GAW アジャストスペーサー AOE調整用 ￥820
https://repmart.jp/products/ra04071.html
・LayLax スパーギアスペーサー KRYTAC電動ガン用 3mm/3.5mm 回転抵抗改善 ￥780
https://repmart.jp/products/ra15913.html
・PERUN 電子トリガー 電動ガン用 HYBRID V2 電子制御 MOSFET プリコック機能 ￥19,000
https://repmart.jp/products/ra14040.html
・SHS 不等ピッチスプリング【M90】￥720
https://repmart.jp/products/th1011.html
・宮川ゴム チャンバーパッキン MIYA 長掛けダブルホールド『ミドル』 ￥1,580
https://repmart.jp/products/nt50nm2o.html
・FIREFLY 給弾ノズル でんでんむし 東京マルイ スタンダード電動ガン M4・G3シリーズ共用 ￥1,980
https://repmart.jp/products/ra01174.html
・J-ARMAMENT 加速シリンダー 電動ガン用 アルミ製 JA-CY-AL2 ￥1,280
https://repmart.jp/products/ra01501.html
カスタム作業内容
1)本体分解、内部状況調査
《ご依頼品外観：全長が短く取り回しの良いデザイン》
《ボディは金属製でトリガーデザインはストレートタイプ》
《ハンドガードはショートタイプでMLOK仕様》
《セレクターはアンビ仕様、PTS製カスタムグリップに交換されている》
《チャージングハンドルを引くとダミーボルトを後退した状態で維持出来、ホップダイヤル調整がし易い》
《ボルトストップを押すと後退したダミーボルトが前進する》
《バッファーチューブとストックは交換されておりカスタムされている》
《ロアレシーバーユニット》
《ロアレシーバー部》
《ダミーボルトユニットはメカボックス本体へ搭載、ダミーボルトが前後に動作してボルトストップも機能する仕組み》
《モーター：カスタムモーターへ交換されている》
《モーターブラシは若干減っているものの使用上問題無し》
《ピニオンギアに損傷無し》
《メカボックス左側：一見すると一般的なVer2メカボックスに見えるもののKRYTAC電動ガン専用品》
《メカボックス右側》
《メカボックスの封印シールは切られておらずメカボックス自体に分解歴は無し》
《ダミーボルトパーツ分解》
《メインスプリングの取り外し：メインスプリングの自由長が極端に短い為、ピストンの前進スピードが足りずにセクターギアと接触しクラッシュする懸念あり》
《メカボックス後部にはスイッチ焼けを予防する『MOSFETデバイス』を搭載》
《メカボックス内部》
《ご使用により内部は汚れている状態》
《給排気パーツ類》
《ピストンユニット：ピストンはポリカ製、先頭4枚歯のみ金属歯》
《ピストンヘッドは給排気ポートを搭載》
《ギア3点の内『スパーギアのみ特殊形状でKRYTAC製メカボックス専用品』ギア比は18:1 標準トルク》
《スパーギアにはスプリングシムが取り付けられており、ギア鳴りの一因となっている》
《FET信号線が取り付けられているスイッチユニット》
《スイッチユニット取り外し》
《導通のON-OFFのみ検知：電圧や電流はスイッチに掛からない為、接点焼けは一切発生しない》
《分解部品検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業（分解部品洗浄）
3)クライタック製スパーギアのスプリングスペーサーを撤去、回転性能と静音性向上の為カスタムスペーサーへ組み換え
《使用部品：LayLax スパーギアスペーサー KRYTAC電動ガン用 3mm/3.5mm 回転抵抗改善》
《スプリングシムを撤去》
《専用スペーサーを装着し接着固定》
《スペーサー装着後》
4)ギアシム調整：ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
5)ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整
《グリップとモーターを仮組み》
《モーターピニオンギアとベベルギアの位置調整》
6)電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】メカボックスケース加工組み込み、トリガーストロークの短縮加工
《使用部品：PERUN 電子トリガー 電動ガン用 HYBRID V2》
《内容品：デバイス本体、保証書、電子説明書（QRコード）、セレクターステッカー、トリガー検知マグネットパーツ、設定カード》
《最新の電子ヒューズが内蔵されており物理ヒューズが存在しない》
《電子基盤は上下（ボトムとトップ）で挟み込むタイプではなく『一枚物の基盤』の為、組み込み時のセッティングがし易い》
《正面にはセレクタープレートを検知する光センサーを搭載》
《メカボックスケースの加工①：KRYTAC製メカボックスの場合、ケースを閉じた際に電子基盤と接触する右側メカボックスにある突起を削る必要あり》
《突起を切削》
《加工後：電子基盤との接触が無くなり組み込みが可能に》
《メカボックスケースの加工②：左側メカボックスケースも電子基盤と接触する為、この箇所についても切削加工が必要》
《加工前》
《加工後：かなり大きく削る必要あり》
《メカボックスケースとの接触が無くなり電子基盤の収納が可能に》
《ネジロックでネジ止め》
《電子基盤搭載後》
《トリガー検知用のマグネットパーツ：本製品のトリガー検知は光検知ではなく『磁気検知方式』となっており、光学式での光がメカボックス内部へ侵入し誤作動を起こす不具合を予防》
《内部にはマグネット磁石が入っておりトリガーの上部に無加工で取付け可能》
《トリガーに挟み込んでネジ止め》
《取付け後：『磁気検知式』により確実な発射動作を実現》
《トリガーストロークの短縮加工：メカボックスにプラ板を貼ってトリガーストロークを詰める》
《細かい調整：トリガーマグネットと接触するメカボックスの突起を切削》
《トリガー動作のチェック》
《トリガーピンを差し込みトリガーポジションを確認》
《細かい調整：トリガーの初期位置が若干変わる事により『物理セフティバー』がトリガーに引っ掛かって上下に動かずセフティが掛からなくなる為加工が必要》
《セフティバー加工後》
《セフティバーの上下動作確認、OK》
《メカボックスを閉じてトリガーピンを差し込みトリガーストロークのチェック：この位置がトリガーの初期位置》
《トリガーを引いた際の位置：非常に短いトリガーストロークへ改善》
《セレクターステッカーをセレクタープレートへ貼り付け》
《マニュアル通りに左詰めで貼り付け》
《基盤上のセンサーより照射されたレーザー光がステッカー上の白色箇所に反射する事によりセレクターポジションを検知する仕組み》
《セレクタープレート取付け》
《細かい調整：セレクター動作確認の際、フルオート位置の検知が出来なかった為『ステッカーの位置を若干右方向へずらして』検知出来る様に補正》
《電子トリガーシステム搭載完了》
7)AOEアジャスター装着、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《使用部品：GAW アジャストスペーサー AOE調整用》
《アジャスターの装着が出来る様にピストンヘッドを加工》
《加工後》
《ネジロックで接着固定》
《ピストンユニット完成》
《セクターギアピックアップ時に接触するラック歯をカット加工》
8)AOE調整後セクターギアピックアップ歯の角度確認【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《AOE調整前：ピストンドライブ時負荷が斜めに掛かる状態》
《AOE調整後：セクターギアのピックアップ角度を調整、水平方向に負荷を逃がす事により立ち上がり動作を改善、駆動時の高負荷を低減》
9)重量弾対応 エア容量の見直し：エア容量の多いカスタムシリンダーへ組み換え
《使用部品：J-ARMAMENT 加速シリンダー 電動ガン用 アルミ製 JA-CY-AL2》
《上：カスタムシリンダー 下：純正シリンダー》
《シリンダー交換後：重量弾使用時BB弾をしっかり遠くへ撃ち出す事が可能に》
10)重量弾対応：初速／集弾性能を改善するカスタムノズルへ組み換え
《使用部品：FIREFLY 給弾ノズル でんでんむし M4・G3シリーズ共用》
《先端の特殊形状によりチャンバー内でBB弾の保持位置を一定に保ち集弾性能を向上させる仕組み》
《チャンバー挿入時に引っ掛かりは無くチャンバーの内径に合わせてノズル外径を切削する作業は必要なし》
11)電子制御基盤を汚さない特殊グリスを駆動部へ塗布、再組立て
《飛散を抑え光センサーを汚さないドライグリスを使用》
《セクターギアがトリガーの磁気センサーと接触しない事を確認》
《給排気性能のチェック》
《メカボックス内部完成》
《ダミーボルト装着》
《メカボックス完成》
12)インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス
飛距離、集弾性、弾道性能を改善させるカスタムチャンバーパッキンへ交換調整【長掛けダブルホールド】
《ホップアップ調整はドラム回転式》
《KRYTACオリジナルのホップ突起》
《チャンバーユニット分解》
《押しゴムとパッキンゴム》
《インナーバレル長は約155mmと短い為、軽量弾ではなく重量弾を用いての射撃に適している》
《使用部品：宮川ゴム チャンバーパッキン MIYA 長掛けダブルホールド 2個セット『ミドル』》
《パッキンゴムと面形状の押しゴム》
《今回0.25g弾対応の『ミドルタイプ』を使用：V型形状により左右へのブレを無くし、浅く長くホップを掛ける事により飛距離を伸ばす》
《押しゴムをアーム形状に合わせカット》
《ホップアームに接着固定》
《バレル内清掃、メンテナンス組み上げ》
《ホップ突起形状のチェック》
《左右均一の大きさでホップ突起が降りていればOK》
《インナーバレルがチャンバー内で回転しない様シールテープを巻いて固定》
《インナーバレルチャンバーユニット完成》
13)ばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 適正ホップ時：83m/s前後（85～80m/sの範囲内） 【0.25g弾での調整】
《使用部品：SHS 不等ピッチスプリング【M90】》
《ロアレシーバー部組み上げ、バッテリーを接続し動作のチェック》
《プリコック（ピストン位置の後退保持）等のプログラム設定は付属の設定カード記載の操作方法を参照して、セレクター操作にて各種設定を行う》
《マガジン挿入口：設定モードに入るとLEDが光り、設定切り替えの際にはビープ音とLED色の変化により現在のモード確認が可能》
《シンプルで取り扱いが容易》
《トリガー感度などのプログラム設定を行い動作チェックOK、完成》
■カスタム前後のトリガーストローク比較
《カスタム前：トリガーの初期位置》
《カスタム前：通常のトリガーストローク【奥まで引いて発射】》
《カスタム後のトリガー初期位置：磁気センサー組み込みにより初期位置は若干後退》
《カスタム後のトリガーストローク：ストロークが1/3以下に短縮【浅く引くだけで発射可能に】》
■最終動作確認、約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器：ACETECHにて計測】
・カスタム前 ノンホップ時：87m/s(0.2gBB)
・カスタム後 適正ホップ時：82m/s(0.25gBB)
※約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整【0.25g弾】で調整済み
※7.4v 1400mAh 30C リポバッテリーにて動作検査
※東京マルイ ベアリングバイオ 0.25gBB弾を使用し検査致しました。
修理 カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのは『KRYTAC TRIDENT MK2 PDW-M 海外製電動ガン』でした。上記13項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、クライタック製スパーギアのスプリングスペーサーを撤去を行い回転性能と静音性向上の為カスタムスペーサーへ組み換え、ギアシム調整、モーターの位置出し等各部再整備、電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】メカボックスケース加工組み込みを行い併せてトリガーストロークの短縮加工を致しました。AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）を行い耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善、エア容量の見直しとしまして重量弾の使用に合わせエア容量の多いカスタムシリンダー、初速／集弾性能を改善するカスタムノズルへ組み換え、電子制御基盤を汚さない特殊グリスを駆動部へ塗布を行い再組立て致しました。
インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンスを行いチャンバーユニットにつきましては飛距離、集弾性、弾道性能を改善させる為カスタムチャンバーパッキンへ交換調整致しました。『長掛けダブルホールド』と呼ばれるパッキンでBB弾に浅く長くホップを掛ける仕組みで飛距離、集弾性、弾道性能を向上させます。0.25g弾対応の『ミドルタイプ』を使用致しました。ばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、ご希望頂いた適正ホップ時83m/s前後（85～80m/sの範囲内）に調整致しました。
カスタム後の初速は適正ホップ時82m/s(0.25gBB)、セミ、フルオート発射動作問題御座いません。内部オーバーホール再整備と駆動系統のカスタム整備、電子トリガーシステム搭載によりセミオート時の立ち上がり動作、レスポンスが大幅に改善し耐久性も向上、駆動時のばね鳴りとメカノイズも低減しています。トリガーストロークも最短へ短縮しトリガー感度調整を行っていますので操作性も大幅に向上しています。シリンダーエア容量の増加とカスタムノズル、飛距離／集弾性／弾道性能を改善するカスタムパッキン搭載により左右へのBB弾の散らばりは低減し40m先まで真っ直ぐ伸びる弾道となっております。【0.25g弾】にてホップアップ調整済みです。
電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】搭載によりピストンの後退保持『プリコック機能』等が新たに搭載されています。セミオート射撃時には自動でピストン位置の後退保持が行われプリコック射撃となります。セミオートプリコック動作後、保管する際には『後退したピストンの解放操作』が必要となります。操作方法は【セミオート射撃後にトリガーを長引きすれば自動で開放】されます。各種設定方法につきましては、『セレクターを操作しLEDランプ色で設定モードを確認しながらトリガー入力で設定』を行います。
ご依頼品は短い銃身に加えM4バッファーチューブ、ストックを搭載しコンパクトで取り回しの良いデザインとなっております。この度は『初速性能向上』をメインに『駆動系統のカスタム整備、耐久性向上、重量弾使用時における集弾／飛距離／弾道性能の向上』、また『電子トリガーシステム【PERUN HYBRID V2】搭載、トリガーのショートストローク化によるレスポンス性能の向上』含めカスタム製作を実施、『電子制御／駆動面／内部性能向上』とフルカスタムでの製作となりました。ストレートトリガーデザインも相まってトリガーフィーリングも良好でセミオート時のトリガーレスポンスが大幅に向上、実射性能面では重量弾使用時の初速／飛距離／集弾／弾道性能が向上しています。末永くご愛用頂ければ幸いです。
弊社では電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。
