ライフルやハンドガンが大好きなマニアは多くいますが、弾丸のマニアってあまり見かけないと思います。
とはいえ弾丸だけ見ても、ライフルやハンドガンに引けを取らないほど実に奥が深い世界です。
ダブルバレット弾
あまり知られていない弾丸と言えば、かなり珍しい弾丸の一つにダブルバレット弾があります。
これは一つの実包に2つ弾丸が入っていて、1回の発砲で2つの弾丸が発射される構造です。
敵を完全に倒すには急所に2発、弾を打ち込むことが重要と言われますが、このダブルバレット弾であれば一回撃つだけでその目的が達成できます。
しかしこのダブルバレット弾はメリットよりデメリットが多すぎなのです。
まず第一に価格が高いこと、次に通常の銃のバレルから撃ち出すとバレルを傷付けてしまうことがあります。
その他にも、撃ち出される弾丸の速度が一定せず、その弾道が予想しにくく、予測不能の二次被害を招く恐れがあるのです。
他にもダブルバレット弾は弾丸を2つ撃ち出しますが、使用する火薬量は変わらないため、2つ弾丸を発射するのですから、とうぜん弾丸の速度は1個の弾丸を打ち出すのに比べ落ちます。
このようにダブルバレット弾は問題が多く、一般に普及しないのは、それなりの理由があるからのようです。
炸薬を使った弾丸
炸薬を弾頭に盛り込んだ弾丸も使われつつあります。
小さなグレネード弾とも言えるこの弾丸を使えば、壁の背後などに隠れている敵に対しても高い効果が期待できますし、数人の相手を一度に倒すことも可能でしょう。
とはいえ、やはりコストの高いことと、こうした弾丸が発射できる口径が限られてくるデメリットがあります。
基本的に12.7mmのような口径の大きな銃でないと利用できない弾丸ですが、今後はより小さな口径でも撃つことが可能になってくることでしょう。
高性能追尾弾丸
弾道をGPSによって修正する高性能追尾弾丸も登場しています。
この技術はすでに榴弾砲などで活用されていましたが、技術の発展によって小火器でも利用が可能となりました。
このような高性能追尾弾丸をつかえば、全く射撃に自信のない人であっても高い精度で命中させることができます。
また、腕に自信のある射手であっても、風や自転などの影響から1km以上離れた相手を狙うのはかなり困難ですが、高性能追尾弾丸でこのような長距離射撃が可能になります。
良いことだらけに見えるこの弾丸はコストがまだまだ高く、通常の弾丸の5倍近くかかります。
さらにこの弾丸には特別なライフルと機材が必要になるため、さらに運用コストが高くなり、また弾丸にマイクロチップなど埋め込むため、弾丸の質量が下がり貫徹力が低下する難点もあります。
この高性能追尾弾丸は開発途上で問題点はまだまだ多いものの、その魅力は大きく今後はこうした弾丸が戦場で頻繁に用いられるようなるでしょう。
新しい銃弾の登場
新しい実包も次々と登場していますが、特に発展が著しいのは拳銃の弾です。
拳銃の弾は9mm弾が最も人気ですが、最近ではボディーアーマーが普及し、ボディーアーマーに対して貫徹力が高くないのが難点です。
こうしたこともあって高初速があり、ボディーアーマーに対しても効果が高い.357マグナム弾のような弾丸も人気が出てきているようです。
他にも新しい口径が日夜開発されていますが、最新のトレンドはやはりボディーアーマーや装甲に対する効果が重要視されてきています。
ハイペネトレーション弾
このため、ハイペネトレーション弾の人気もますます高くなってきています。
ハイペネトレーション弾はボディーアーマーなどに対しても効果が高く、その名の通り貫徹力にこだわった弾丸で、軽車両などにも効果が高い銃弾です。
こうしたハイペネトレーション弾は弾頭をX字にする、より質量のある弾頭を用いるといったような工夫によって高い貫通性能を達成し、ボディーアーマーなどに対しては効果が高いのですが、人体にダメージを与えずにそのまま貫通してしまうため、人体にあまり効果がないことも特徴です。
ロケット弾丸
このように実にいろいろな弾丸がありますが、ロケットの弾丸も存在しています。
これは火薬ではなく、RPGのように自力で飛行する能力のあるロケット方式の弾丸を打ち出しますが、特殊な銃が必要となります。
代表的なものに1960年代にアメリカで開発されたロケット弾用拳銃 Gyrojet(ジャイロジェット・ピストル)があります。
ロケット弾丸は初速が比較的高速で、射撃音も小さいことが利点で、さらにロケット弾丸はほとんど反動がありませんから、射手のストレスが軽減されます。
このように利点も多いロケット弾丸ですが、製造コストはかなり高く、弾道の予測が難しいのが難点です。
ロケット弾丸はまだまだ課題が多く、普及には時間がかかりそうです。
多様な弾丸を撃てるショットガン
弾丸マニアに特に好まれるのがショットガンです。
ショットガンは多様な弾丸を撃ち出すことができ、さまざまな弾丸をより楽しみたい人にうってつけで、通常のバックショットやバードショットなどを撃ち出す他にも、ガラス弾を打ち出したりすることができます。
基本的にショットガンバレル内に収まるものであれば、何でも撃ち出すことができるといっても過言ではありません。
ショットガンで発射できる弾には、大量にマグネシウムのペレットを充填したファイヤーブレス(ドラゴンブレス)といった特殊な弾丸もありますが、こうした楽しみも味わえるのがショットガンの魅力でもあります。
さいごに
珍しい弾丸はあまり見かけないだけあって、メリットに対してデメリットが多いため普及していないのも納得だと思います。
しかしながらどの弾丸も興味深く、今後は多くの弾丸の持つコスパの悪さと技術の進歩に期待したいところです。
ちなみに炸薬を使った弾丸はラウフォスMk211です