お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理、カスタム対応をさせて頂きました。
・AGM Stg44/MP44 海外製電動ガン
ご依頼内容は『初速が遅い、マガジン給弾不良の修復』とのご依頼でした。
分解調査の結果、『中国製という事もありメカボックス内部のグリス汚れが酷くパーツに破損や劣化』が御座いました。付属の専用多弾数マガジンにつきましては『製造時によるネジの締め付け過ぎにより、給弾ルードで弾が詰まりゼンマイを巻いてもBB弾が正常に上がってこない状態』でした。
この度、修理と併せて『駆動系統/耐久/初速性能向上』カスタムをご希望頂きましたので同時に実施させて頂きました。
AGM Stg44/MP44 海外製電動ガン 修理、カスタム内容
故障状況
『初速が遅い、マガジン給弾不良の修復』
故障原因
『中国製という事もありメカボックス内部のグリス汚れが酷くパーツに破損や劣化あり』
『付属の専用多弾数マガジンは製造時によるネジの締め付け過ぎにより、給弾ルードで弾が詰まりゼンマイを巻いてもBB弾が正常に上がってこない状態』
ご依頼品の状態、ご使用状況
・ご依頼品はチャンバー部分の補修修理が行われておりその他は純正状態
カスタムご依頼内容
(1)駆動系統カスタム整備:耐久性向上
(2)初速性能向上:初速調整:ノンホップ時90~95m/s(0.2gBB)の範囲内
修理 カスタム製作のポイント
①メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
②駆動系統カスタム整備【外れている軸受けを接着固定、ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
③耐久性/給排気性能の高いカスタムピストンヘッド、全金属歯カスタムピストンへ交換
④AOEアジャスター装着、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
⑤劣化したメインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 ノンホップ時:95~90m/s(0.2gBB)の範囲内
⑥動きの悪いセフティバースプリングを交換、ピストンヘッド緩衝ゴムの浮き出しを修理
⑦劣化したチャンバーパッキンゴムをカスタム品へ組み換え調整、ホップアップがしっかりかかる様ホップアームを調整
⑧木製ストックのがたつきを修理
⑨給弾不良の修復:多弾数マガジン分解メンテナンス
修理 カスタム製作に使用したパーツ
■計:6点
・DCI GUNS 側面吸気ピストンヘッド POM ¥3,400
https://repmart.jp/products/ra02587.html
・GAW アジャストスペーサー AOE調整用 ¥820
https://repmart.jp/products/ra04071.html
・Retro Arms フルティースピストン ¥2,800
https://repmart.jp/products/ra04732.html
・SPARK industries 不等ピッチスプリング M90 ¥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html
・宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット ¥1,080
https://repmart.jp/products/mi51705.html
・SHS Airsoft スプリングセット Ver2 ¥418
https://repmart.jp/products/th0037.html
修理 カスタム作業内容
1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品本体:ボディは亜鉛合金製でフルメタル》

《ハンドガードはスチールプレス製》

《木製ストックを装備:基部が浮き出してぐらついている》

《構造上ダストカバーは閉まらない:内部にはプラスチック製のチャンバーユニットが見える》

《取り外したストック》

《基部を固定するネジが緩んでいる、修理が必要》

《レシーバー部》

《マガジンキャッチ部分のレシーバー上部を分離》

《チャンバーとメカボックスの連結部》

《メカユニット部分のレシーバー上部を分離》

《下部のレシーバーも分離》

《アウターバレルを外すにはネジ穴の内部にある隠しネジを取り外す必要あり》

《アウターバレルを分離してインナーバレルチャンバーユニットを取り外し》

《メカユニット:マルイと同形状のVer2メカボックスにオリジナルのモーターホルダーを搭載》


《モーターホルダー取り外し》

《ロングタイプモーターを搭載》

《メカボックスとモーターホルダーの連結部品を取り外し》

《メカボックス内部:AGM製品特有の凄まじい色のグリスが塗られている》

《臭いが酷くグリス部分を素手で触れるのは非常に危険》

《給排気パーツ類》

《メインスプリングは変形している》

《ピストンはポリカ製》

《ピストンクラッシュを起こしておりラック歯が潰れている、交換が必要》

《ピストンヘッドはエア漏れを起こしており正常に給排気が出来ていない、交換が必要》

《ギアの軸受けが外れている》

《ギアの損傷は無し ギア比は18:1 標準トルク》

《スイッチユニット》

《接点端子に損傷は無く綺麗な状態》

《分解部品検査》

2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)

3)外れている軸受けを接着固定

《接着固定後》

4)ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
《セクターチップの取付け方が表裏逆だった為、正しい向きで取付け直し》

《ギアシム調整》

4)ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整

5)耐久性/給排気性能の高いカスタムピストンヘッドへ交換
6)破損したピストンを耐久性の高い全金属歯ピストンへ交換
7)AOEアジャスター装着、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《使用部品:DCI GUNS 側面吸気ピストンヘッド POM》
《使用部品:Retro Arms フルティースピストン》
《使用部品:GAW アジャストスペーサー AOE調整用》

《静音性の高いPOM材を使用、スプリング圧縮時の負荷を逃がすためスラストベアリングを内蔵》

《Retro ArmsピストンはAOE調整の際セクターギアとの接触を避ける為、3番目ラックが半分カット済み》

《ネジロックで接着固定》

《ピストンユニット完成》

《側面の吸気ポートにより安定した初速を実現》

8)AOE調整後セクターギアピックアップ歯の角度確認
《AOE調整前:ピストンドライブ時負荷が斜めに掛かる状態》

《AOE調整後:セクターギアのピックアップ角度を調整、水平方向に負荷を逃がす事により立ち上がり動作を改善、駆動時の高負荷を低減》

9)劣化したメインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 ノンホップ時:95~90m/s(0.2gBB)の範囲内
《使用部品:SPARK industries 不等ピッチスプリング M90》

10)再組立て、グリスアップ、接点グリス塗布、オイル注油
《スイッチと接点端子の接触具合を調整》

《セフティバーの動きが悪い為、セフティバースプリングを新品へ交換》

《ピストンヘッドの緩衝ゴムが浮き出している》

《接着剤で貼り直し》

《接点グリス塗布》

《給排気性能のチェック》

《メカボックス内部完成》


《メカボックス完成》

《モーターホルダー取付け、メカユニット完成》

11)インナーバレル、チャンバーユニットメンテナンス 劣化したチャンバーパッキンゴムをカスタム品へ組み換え調整
12)ホップアップがしっかりかかる様、ホップアームを調整

《チャンバーはプラスチック製でもろく破損し易い》

《ホップダイヤルを最大にしてもホップ突起が全く降りてこない》

《チャンバー先端部には収縮チューブが巻かれている》

《チューブ切断》

《バレルとチャンバーを固定する部品が割れており、補修の為チューブが巻かれていた模様》

《チャンバーユニット分解》

《海外製チャンバーパッキンゴム:乾燥しておりゴムの質感が無くなっている》

《ホップ突起はマルイ形状、素材の劣化が進んでおり交換が必要》

《使用部品:宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット》

《マルイ突起タイプを使用》

《メンテナンス、組み込み》

《ホップ押しゴムはマルイ製へ交換》

《ホップの突き出し量を増やす為、ホップアーム部分にビニールテープを貼り付けて嵩上げ》

《ホップアームに押しゴムを装着》

《チャンバー組み上げ》

《ホップダイヤルを回して押しゴムがしっかりと降りているかチェック》

《ホップ突起が降りておりしっかりとホップアップが掛かる状態へ改善》
《割れているチャンバー固定部品を取付け後、収縮チューブで補修処理》

《補修処理後》
《インナーバレルチャンバーユニット完成》
13)木製ストックのがたつきを修理
《ボディの組み上げ:インナーバレルチャンバーユニット、メカユニット組み込み》

《チャンバーとメカユニット連結部》

《レシーバーパーツの取付け》

《レシーバー部組み上げ後》

《ストック基部と木製ストックを固定するネジを締め直して接着固定》

《ストック基部の修理完了》

14)給弾不良の修復:多弾数マガジン分解メンテナンス
《本体付属専用多弾数マガジン》

《ゼンマイは巻き上がるものの、BB弾が上がってこない》

《プレス製カバーを外して内部ユニットの取り外し》

《ゼンマイと連動するギア部分》

《ネジを全て外してBB弾の詰まりを除去》

《内部ギアが正常に回転するか確認》

《ネジを再度締め直し:製造時ネジの締め方が強すぎた為給弾ルート内でBB弾が詰まっていた模様》
《ギア連動部分へ注油》
《BB弾を装填して動作チェック、OK》

《修理完了》


■最終動作確認、約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器:ACETECHにて計測】
・修理カスタム前 ノンホップ時:77m/s(0.2gBB)
・修理カスタム後 ノンホップ時:93m/s(0.2gBB) 適正ホップ時:89m/s(0.2gBB)
※約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整をしています。【0.2g弾で調整済み】
※7.4V 1100mAh リポバッテリーにて動作検査
※G&G TOP FIVE 0.2gBB弾を使用し検査致しました。
修理 カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのはAGM Stg44/MP44 海外製電動ガンでした。上記14項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、ギアシム調整、ベベルギアの位置出し等各部を再整備、耐久性/給排気性能の高いカスタムピストンヘッドと全金属歯カスタムピストンへ交換、併せてAOEアジャスター装着(ピストン位置の最適化)を行い耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善を図っています。劣化したメインスプリングをカスタム品へ交換、グリスアップ、接点グリス塗布、オイル注油を行い再組み上げ済みです。
インナーバレルチャンバーユニットにつきましては、劣化したチャンバーパッキンゴムをカスタム品へ組み換え調整致しました。ダイヤル操作時ホップアップが効かない状態でしたのでホップアップがしっかりかかる様ホップアームを調整しています。木製ストックのがたつきを修理、給弾不良が発生していた多弾数マガジンにつきましても分解メンテナンスを行い修理済みです。修理カスタム後の初速は77→93m/sと大幅に向上し適正ホップ時の初速は88m/s、セミ、フルオート発射動作問題御座いません。【0.2g弾】にてホップアップ調整済みです。内部駆動系統のカスタム整備により耐久性が向上しています。また、チャンバーユニットの調整によりホップアップがしっかり掛かる様になり30m先まで真っ直ぐに伸びる弾道となっております。
今回ご依頼頂きましたのはAGM Stg44/MP44 海外製電動ガンでした。ご依頼品はフルメタルでスチールプレス製ハンドガードと木製ストックを標準装備しており、外装の出来は非常にリアルで重量もありコレクターの方に人気の商品となっています。人気商品の為、現在は本体と専用マガジン共に流通はしていない様です。ただ、中国製品の為内部パーツ類の精度は悪く箱出し状態でのご使用はお勧め出来ない商品になります。この度、故障箇所の修理と併せて『駆動系統/耐久/初速性能向上』カスタムを実施させて頂きました。再びご愛用頂ければ幸いです。
弊社では電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。

