レプマートのお知らせ、情報を発信しています。

RPG ロケットランチャー

RPG-7と2人の兵士

旧ソ連が開発したRPG

RPGは映画やゲームの世界でよく登場する携帯対戦車グレネードランチャーです。

発射された弾頭を目前に「RPG!」と兵士が叫ぶ場面も映画などでよく目にします。

RPGは安価で武器として有用なことから流通量も多く、第三世界の紛争地域でよく使われていますが、もともとは戦車など戦闘車両を歩兵の手で破壊できないかと、旧ソ連が開発した武器で、第2次大戦後の1950年代ごろ登場します。

それから70年以上の時を経た現在でも、基本的な構造は1950年ごろとほぼ変わっていませんが、発射される弾頭は常に進化し続け、様々な種類のRPGが開発されています。

RPGのもつ特徴

RPG、バズーカ砲やパンツァーファウストなどは一般にロケットランチャーに分類されます。

正確には弾頭自体にロケットのような推進力を持つもののみがロケットランチャーに分類され、その中でも旧ソ連が開発したものがRPGです。

現在、RPGには様々な種類がありますが、RPGと言えばほぼRPG-7の事を指しています。

よく無反動砲と間違われやすいRPGは、自身の推進力で進む兵器なので発射時の反動が少なく、周囲への影響を気にせず発射できる、とても扱いやすい兵器です。

弾速としてはライフルや、ハンドガンから発射する弾丸と比べて非常に遅く、1秒間で100メートルから300メートルほどのスピードで目標に飛んでいきます。

ロケット弾ですので、当たりさえすれば大体の目標を破壊することが可能ですが、弾頭のサイズが大きいために風の影響を受けやすく、有効射程範囲もせいぜい100メートル程度しかありません。

練度の高い兵士が使用しても、その飛距離は300メートルが限界だと考えられています。

多くの人が誤解していることですが、RPGは速度が遅く動いている目標を苦手としているため、一般的に飛行中の航空機や走行中の車両などは狙いません。

RPGは威力こそありますが、発射すると射手の場所を特定されやすく身を危険にさらすため、発射した場所からすぐに移動することが鉄則となっています。

そのため発射後に移動しやすいよう、使い捨てタイプのRPGも派生モデルとして登場しています。

RPGは命中させることが難しい兵器ですが、安価で供給数も多く、目標に直撃しなくても効果があるので、敵の士気を下げたり、作戦内容に合わせて運用できるため、AK47と併せて紛争地域では必須の武器となっています。

RPG-7がここまで広まった理由として、運用コストが安く、練度の低い兵士でも扱えて、相手に与えるダメージも大きいこと、さらに弾頭の種類が多いことが要因と考えられています。

RPGの弾頭

RPGは大きく分けて車両用と対人用の弾頭があり、さらに通常弾、破壊用の弾頭や、サーモバリック爆薬を使用した熱でダメージを与える弾頭などが用意されています。

登場から、すでに70年以上経過をしているRPGですが、装甲の性能が向上している現在の戦闘車両に対してどれくらいの効果が期待できるかというと、実際は威力が足りずに、完全に破壊するに至りません。

しかし、現在の装甲車でもRPGに対して、完全に耐えられる装甲ではないので、装甲の弱い部分、弱点とされている側面や上面を狙えば破壊することは可能です。

最近では爆発反応装甲(ERA)を貫通可能なPG-7と呼ばれる弾頭は、厚さ75cmの鋼鉄板を貫通させる威力を持っています。

一方、車両を扱う側も弱点については十分認識しており、さすがに戦闘時にかんたんに弱点を突かせることはありません。

ですがRPGが命中すると行動不能になるために、敵がRPGを持っていることが分かると、戦闘車両の乗務員には大きな緊張感が走ります。

このような弾頭を使用すると、車両を足止めできるだけではなく、ヘリコプターにも高い効果を期待できます。

戦場で使われる車両は、1車両、数千万から数億といった価格ですが、安価なRPG弾頭を打ち込むだけで、戦闘力を奪うことが可能です。

ライフル弾なら目に見えませんし、離れていれば発射音も聞こえませんが、RPG-7は発射時の爆裂音に加えて、弾頭も大きく、目で見えるほど遅いスピードで飛んできます。

RPG弾頭が着地した瞬間の爆発を想像し恐怖を感じて、叫ばずにはいられないのでしょう。

安価な武器

AK47と並び、RPG-7は全世界でかなり多くの数が出回っている兵器です。

そのため、RPGはコピー品も多く、発射装置は弾頭に点火するだけの筒で品質に大きな差もないので、使い捨てと考えられて安価に流通しています。

兵器の売買市場で購入できる弾頭の価格は非常に安く、日本円で高くて2万円程度で手に入れることが可能です。

さらに弾頭は1発あたり2000円前後で流通しており、その性能だけでなく扱いやすさと価格の安さで、全世界に数多く普及し、出回るのもうなずける話です。

現代では多くのすぐれた兵器があるにもかかわらず、半世紀以上も前のRPGがなぜ現役で活躍しているかと言えば、破壊力、構造が簡単で、コストが安い、一つで多種の弾頭を撃てる、ということでしょう。

そのため、紛争地域では車両兵器、ヘリコプターを破壊できる唯一の手段であり、登場から、60年たった今でも第一線で活躍しているのです。

(最終更新 2019/05/23)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です