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PDWとは?

PDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)は、拳銃より攻撃力が高く、突撃銃(アサルトライフル)より携行しやすいことを目指して設計された小型火器カテゴリーです。
ここでは背景・特徴・代表例・他カテゴリとの違いをまとめます。

By: koalora

Personal Defense Weapon(PDW)とは、後方支援要員や非戦闘要員が自衛のために携行することを想定して開発された小型火器のカテゴリーです。

拳銃よりも高い有効性を持ちつつ、突撃銃(アサルトライフル)よりも軽量・小型で取り回しに優れる点がおおきな特徴です。

PDWが生まれた背景

PDWが生まれた背景には下記のような要因があります。

  1. 後方要員(通信兵、車両乗員、将校など)が戦闘に巻き込まれる可能性の増大
  2. ボディアーマー(防弾装備)が普及したため
  3. 拳銃は威力、貫通力、命中率の面で不足しがちなため
  4. アサルトライフルは携行性と即応性(取り回し)の面で不利になりがちなため

これらを踏まえ、PDWは、拳銃と突撃銃の中間を埋める目的で登場しました。

PDWの主な特徴

1. コンパクトで軽量

  1. 車両内や狭い空間でも扱いやすい
  2. 常時携行を前提とした設計

2. 専用小口径・高速弾を使用

  1. 高初速により防弾装備への一定の対抗力を狙う
  2. 反動が比較的少なく制御しやすい

3. 拳銃以上の有効射程

  1. 目安:100〜200m程度
  2. 拳銃より命中率を上げやすい

代表的なPDWの例

名称 開発国 特徴
FN P90 ベルギー 上部装填マガジン、5.7×28mm弾
H&K MP7 ドイツ 4.6×30mm弾、高貫通力を狙った設計
B&T MP9 スイス 超小型・軽量設計(運用によってはPDW的)
CZ Scorpion(初期型) チェコ 用途・運用によってPDW的に扱われることがある

PDWと他の銃器との違い

拳銃(ピストル)との違い

  1. 有効射程、命中率、貫通力が優れる
  2. 両手保持や肩付けが可能で安定性が高い

短機関銃(SMG)との違い

  1. SMGは拳銃弾を使うことが多い
  2. PDWは防弾装備を貫通する専用弾も使用できる

突撃銃との違い

  1. 火力は劣るが、携行性、即応性で優れる
  2. 非歩兵向けとして装備されることが多い

現代におけるPDWの位置づけ

現在、PDWは主に以下の用途で運用されます。

  1. 軍の後方支援要員
  2. 特殊部隊のサブウェポン
  3. 要人警護、対テロ部隊
  4. 車両、航空機搭乗員の自衛用

近年では、短銃身の突撃銃(カービン)や高性能な短機関銃(SMG)が広く普及したことにより、PDWの役割は以前ほど一義的ではなくなっています。

短銃身カービンは、突撃銃と同系統の弾薬を使用しながら全長を抑えており、火力・射程・汎用性のバランスに優れるため、後方要員や車両搭乗員にも配備しやすくなりました。

その結果、自衛用であっても突撃銃系で統一するという運用思想を採る組織も増えています。

一方で、近年のSMGは、人間工学に基づいた操作系、高い制御性と命中率、アクセサリー対応(光学照準器、サプレッサー等)、といった点で大きく進化しており、近距離戦闘や警備任務ではPDWと役割が重なるケースも見られます。

このような状況から、PDWは万能な標準装備という位置づけではなく、防弾装備への対抗力を重視する場合

  1. 極端な小型・軽量性が求められる場合
  2. 車両・航空機搭乗員など、携行制約が厳しい場合

といった特定条件下で選択される専門的装備として語られることが多くなっています。

まとめ

  1. PDWは「拳銃以上、突撃銃未満」の自衛用火器カテゴリー
  2. 小型・軽量・(場合によっては)高貫通力を重視
  3. 後方要員や特殊用途に特化しやすい

PDWは、拳銃より攻撃力が高く、突撃銃より小型・軽量で携行しやすい特徴があり、自衛用途で装備することの多い小型火器カテゴリーです。

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