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先端航空技術 – ステルス機と無人機

2016年4月18日 LXXIV- ミリタリー雑学

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突然ですが、ステルス機、無人機ときいて、なにをイメージしますか?

ステルス機といえば、世界最強との呼び声が高いF-22ラプターや、国産初のステルス機、X-2 心神、無人機であれば最近なにかと話題の絶えないドローンなんかが、ぱっと頭に思い浮かぶかもしれません。

あるいはミリタリー映画好きであれば、E.D.I(エディ)という名前が脳裏を横切った方がいらっしゃるのではないでしょうか。

E.D.Iは2005年に公開されたロブ・コーエン監督の近未来を舞台とした戦闘機アクション映画「ステルス」に登場するステルス無人戦闘機です。

こうしたフィクション作品では、完璧と言える性能のステルス性を有し、しかも人工知能を搭載し無人化された戦闘機が大活躍していますが、現実のステルス機、無人機はいまだもって発展途上にある先端航空技術の結晶だといえます。

ステルス機の原理

見えない航空機、と言われるステルス機ですが、実際に目に見えないというわけではありません。

ステルス機では、機体の素材、形、電子装備などに工夫が凝らされ、これにより機体から放出される電波や赤外線の量を抑え、レーダー波の反射を少なくします。

結果として、できうるかぎり敵に発見されないようにする、という設計思想から開発された航空機がステルス機なのです。

航空機にとっては脅威以外のなにものでもない、レーダーと対空ミサイルは1960年代以降急速に発達しました。

研究者たちの関心は、次第にレーダーに捕捉された航空機が、どのくらいのサイズに映るかを数値化したレーダー有効反射断面積(RCS:Radar Cross Section)に集まるようになります。

この値が大きければレーダーに捉えられやすく、小さければ捉えられにくいということになります。

飛んでいる鳥とほとんど区別がつかないほどRCSが小さい場合に「見えない」といった表現が用いられます。

ちなみに、実際に目視を不能にする技術として、光学ステルスというものの研究も行われています。

唐突に、アニメの中の話になってしまいますが(ミリタリー好きにはガンダム好きが多いと信じて)、機動戦士ガンダムSEEDに登場する、ミラージュコロイドステルスがこの技術に相当します。

もちろん現実では実用化に至っておらず、仮にこの技術が確立されたとして、外から見えない戦闘機は、内部からも外が見えない戦闘機になってしまう可能性があるとも言われています。

また目視できるほどに戦闘機が接近すれば、騒音によりだいたいの位置が把握されてしまうため、航空機と光学ステルスの組み合わせは有効性が低いとされており、当面のあいだ研究・実験の位置に留まる技術とみなされています。

話をRCSに戻します。

RCSは機体の形状に大きく左右され、RCSが大きくなる要因には、凹凸のある胴体、垂直な尾翼、真正面を向いた空気取入口などがあります。

つまりこれらを改善すれば、RCSが小さくなり、見えない状態に近づけるというわけです。

アメリカのB-1ランサー爆撃機は、B-25にとって代わる戦略爆撃機としてつくられましたが、これは、旧ソ連のレーダー網にかからないようにする目的で、凹凸をできるだけなくし、全体として滑らかなフォルムで設計され、主翼部と胴体部とが一体化したブレンデッド・ウィング・ボディが採用されています。

結果としてB1-BのRCSは、B-52の100分の1とすることに成功したといわれています。

世界初のステルス機

ステルス機の機体形状の研究については、アメリカの軍用機メーカー2社がそれぞれに違った取り組みを見せています。

ロッキード・マーチンは、F-117を開発、これが世界初のステルス機とされています。

F-117は機体全体が多数の平面で構成され、これによりレーダー波をそらす多面体機です。

もう一方のノースロップ・グラマンはB-2爆撃機を開発します。

B-2爆撃機は極力曲面形状での構成を追い求め、機体全体が主翼の形をした全翼機です。

両社はその後本格的なステルス戦闘機の開発を競い合うことになります。

ロッキードが運動性に重点を置いたYF-22を開発すれば、ノースロップはステルス性と航続距離に優れたYF-23を開発しました。

最終的に正式採用されたのは、ロッキードのYF-22であり、これがのちのF-22となります。

統合打撃戦闘機(JSF)計画においてもロッキードのF-35が採用され、現在、ステルス戦闘機の分野はロッキードの独占状態となっています。

ステルス機の技術的知識と技能は、機体形状のみならず、内部フレームや電波吸収素材などの随所に見られます。

By: Michael Pereckas F-22

従来は主翼などにつり下げられていた兵装類も、機内に収納されるようになりました。

またステルス機の工夫はレーダー波の反射に対してだけ施されているわけではありません。

自機が放出するレーダー波や赤外線を抑える技術にも注目が集まっているのです。

これらはいまアメリカの独走状態にあり、ロシア、中国、日本など各国がステルス機の研究・開発を続けていますが、アメリカに追いつくまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

ステルス機の実戦投入

1988年にアメリカのパナマ侵攻がありましたが、これにステルス機が初めて実戦投入されています。

このとき、F-117がパナマ軍の施設を爆撃、しかしその効果は確認されていません。

F-117の威力が示されたのは1990~1991年の湾岸戦争のことで、イラクに対する空爆作戦、その先鋒を務めることになりました。

イラク軍司令部、通信・放送施設、情報収集センター、防空システムなどなど、イラク軍および、イラク政府のC4Iシステムの中心にひっそりと近づき、TV画像誘導爆弾などによって大打撃を与えることに成功しました。

イラク軍は重要なC4Iシステムを失うことになり、組織的航空・防空作戦を展開することが不可能になりました。

その後、F-117はコソボ空爆に参加し、この際1機のF-117がセルビア軍の対空ミサイルで撃墜されました。

セルビア軍は、改造され、より長い波長を利用するレーダーを用いることにより、F-117を探知したといわれています。

最新ステルス機がこれに対応できるのか、いまだ不明でありますが、無敵に思われるステルス機も意外とそうではないことを示す一例といえるでしょう。

遠隔操縦無人機

最近、ドローンの名前をよく耳にしますが、軍事の分野においても近年急速な進化を果たしているのが無人機です。

人が乗っていないという意味においての無人機は古くからあり、これは遠隔操縦無人機(RPV:Remotely Piloted Vehicle)と呼ばれています。

ベトナム戦争、中東戦争、湾岸戦争などにおいて使用され、爆薬を搭載したRPVは攻撃に使用され、そのほかにも敵防空システムに対する囮、砲兵観測、偵察などに利用することができます。

旧式の航空機は、RPVに改造され演習の標的として利用されたりしています。

無人航空機の登場

多くのRPVは外からの無線指令で飛行をコントロールされ、これはパイロットが機体の内部にいるか、あるいは外部にいるかの違いでしかありません。

RPVに対して、自律飛行が可能となっている無人機を無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)と呼びます。

これは、自らの位置を確認しながら、自分で自分を操縦します。

この自律制御はコンピューターによって支えられており、これが発達するまで実現は不可能でした。

コンピューターの故障、または機体トラブルの際には遠隔地にいるオペレーターが速やかに介入できるようになっています。

本国のオペレーターが、中東などの離れた場所でUAVを操縦するといった運用も機種によっては可能です。

RPVは使い捨てにされるものがほとんどでしたが、UAVでは回収・再利用が基本となっています。

人的損害がない、これがUAVの最大の特徴です。

パイロットが捕虜にされたり、あるいは戦死したりすれば、世論を騒がせ、外交時にはマイナスの要因となります。

しかし無人機であればこの心配がありません。

つぎに長時間飛行が可能である点が挙げられるでしょう。

機械は疲れませんし、お腹が空くこともありませんし、生理的欲求ももちろんありません。

このような無人機技術の発展は、航空機のみに留まるものではありません。

さまざまな軍事兵器において採用されることが考えられます。

無人機による代理戦争、人が死なない戦争、そんな未来は決して遠い話ではないのかもしれません。

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