レーザー砲が現実に
米海軍が2014年に公開したレーザー砲(LaWS)の発射実験の様子は、各種メディアにも取り上げられ、大いに世間の耳目を集めています。
いったいなぜにそんなに注目されているのでしょう。
それもそのはず、SF映画でしかお目にかかれなかった兵器が現実のものとして、その威力をまざまざと衆人の目に焼き付けたからなのです。
オペレーターが映画さながらの薄暗いコックピットで、操作しているのは家庭用ゲーム機と見まがうような手のひらサイズのコントローラー、オペレーターはシューティングゲームをするような感覚でモニター画面を眺めながら目標をロックオンするだけ、瞬時に目標物は爆発炎上してしまいます。
映画のような色付きの光線が、甲高い電子音とともに発射されることがないのは少々物足りない気がしますが、なんの前触れもなく、いきなり目標物が大破する様子を見ると、かえって不気味です。
レーザー砲の威力は大変なものです。なにしろ光線だがら、光の速さでもって標的を破壊、ミサイルやロケット弾など、高速で移動する物体を瞬時に破壊することもできるのです。
しかも、そのコストたるや、一発たった百円とは・・・。
このレーザー砲は2020年までに実戦配備の予定なのだそうです。
レーザー砲のしくみ
こんなSF映画のような世界が現実のものとなると、もはや驚いてばかりもいられません。
そもそもレーザー兵器というのは何かというと、別名、指向性エネルギー兵器といい、ロケットや砲弾ではなくエネルギーそのものを目標物に志向させる兵器です。
この指向性エネルギーにはどんなものがあるかというと、大別して電磁波、素粒子、音波があり、その中で電磁波エネルギーを発射するものがレーザー砲です。
電磁波と言えば、テレビやラジオ、紫外線やX線、携帯電話、電子レンジの電磁波などでおなじみですが、電磁波に秘められた破壊力はその程度ではないようです。
そもそも光は電磁波ですから、太陽光も蛍光灯も電磁波を放っているのです。
ところが、そうした電磁波の与える日常的影響からは、兵器に結びつくようなエネルギーが飛び出すとはとうてい思えません。
いったい電磁波のどこにそんな破壊力が秘められているのでしょう。
じつはこの電磁波の破壊力を知り、それを利用してローマの敵艦隊を撃破した古代ギリシャの物理学者であり発明家であるアルキメデスの伝説が残っています。
彼はたくさんの鏡を利用して、太陽光を収斂させ、敵艦隊に照射して船を炎上させたというのです。
小学生時代に虫眼鏡で太陽光を集め、黒く炭を塗った箇所を焦がすというあの実験こそ、レーザー砲の原理そのものだったのです。
レーザー光は太陽光のように拡散している間は特定の物体に強い干渉を与えませんが、それを集めて高出力にするとレーザー光線となり、さらにそのエネルギーを凝縮したものがレーザー砲となるのです。
つまり、光の干渉が強ければ強いほど破壊力が大きくなるのです。
この干渉の力はコヒーレンスと呼ばれ、コヒーレンスとは簡単に言うと波の起こす力のことで、太陽光や蛍光灯の光などは、コヒーレンスの低い光、インコヒーレントであると言われます。
ではコヒーレンスの高い光は何かというと、たとえば、さきほどあげたレンズを利用してエネルギー密度を高めた光ということになり、これをもっと強力に、しかも一直線に放射する装置がレーザー発振器です。
このレーザー発振器は、レーザー媒質(ある種のルビーの結晶体)とよばれる発光する媒体と、その媒体に光エネルギーを与える励起装置(たとえばカメラのフラッシュランプのようなもの)、そしてその光を閉じ込める共振器とよばれる装置の三つの構造から成り立っています。
フラッシュランプから強い光がルビーの結晶体に照射されると、この光は高エネルギーの状態となり、この光エネルギーは、さらに共振器によって増幅されます。
この共振器は二枚の鏡から作られていて、鏡面に対して垂直な光だけが、共振器内部に閉じ込められ、反射を無数に繰り返し、そのうちにだんだんとエネルギーが高まっていくのです。
そしてこれがある一定の強さに達すると、直線的なレーザー光として放出されるのです。
レーザー砲の未来
水ホースの先を細めると、蛇口から送り出された水はより強く、直線的に、ホースから飛び出します。
これと同じように、光エネルギーを共振させることで、エネルギーはどんどん高まるのです。
そもそもレーザーという名前は、Light(光) Amplification(増幅) by Stimulated(刺激する) Emission of Radiation(放射物の発射)の頭文字をとったもの。
そしてこの装置を最大限に活用したのが、レーザー砲ということになり、それが厚さ40ミリの鋼鉄の板に穴を開け、移動する目標物を一瞬にして破壊するような威力を持つまでになりました。
このレーザー光線は真空中もなんなく通り抜けますから、それこそSF映画のスペースバトルの世界がもう現実のものになっているのです。
かつては空想上の産物でしかなかった携帯電話もスマートフォンも、電脳空間、車や飛行機の自動操縦も全て現実のものとなってきました。
ではレーザー兵器の世界では、すべてSFの世界が実現したかというと、じつはそうではありません。
まだ、現実化していないレーザー兵器があるのです、そうです、レーザー銃の開発です。
破壊力をもつような高密度エネルギーの光線を集めるためには、かなりの大掛かりな装置が必要で、高密度エネルギーになればなるほど、装置が大きくなるので、現状の技術では無理のようです。
スタートレックでカーク船長が見せたような、ポケットからハンディな光線銃を取り出して、すばやく敵に発射するなんてことはまだ当分先になりそうです。
もっとも相手の視力を奪う程度のエネルギーならば開発されるかもしれません。
いわゆる目つぶし光線というやつで、フォークランド紛争で使われたという噂があるようです。
たしかに、身近にあるレーザーポインターも直視する行為は大変危険で、へたをすれば障害が残ることもあります。
このレーザー光線にも弱点があり、どこまでも直線的に飛ぶわけではなく、懐中電灯と同じく光ですから射程距離があり、これを光の回折現象といい、射程距離が長いほど光は拡散していくのです。
光の反射や屈折といった回折現象は当然、大気などの障害物があっての話で、では宇宙空間ではどうなのかと言うと、真空に近い宇宙空間であれば、あんまり問題ではないと考えられており、理論的には無限射程になるということです。
つまりSF映画のようにレーザー砲撃ちまくると、外れたレーザーはどこまでも飛んでいってしまうということになります。
どこかで思わぬところで、外れたレーザーが被害を生みそうですね。
真空空間で打った高出力レーザーが地雷とおんなじ扱いになるのか…
無資源国の日本では目潰し兵器で構わない
某国のレーザー照射で大騒ぎしたんだから十分
1発100円で電源車と組み合わせだから弾は無限ということ
さらには電気二重層コンデンサーの技術で電源はいくらでも増強できる
ウクライナ戦のレーザー銃の活躍を見れば鉄は穴あきになり
兵士は焼肉になって倒れてしまう、
自衛隊の装備はこれしかないと思う、
究極の軍事防衛は、敵の核ミサイルを大気圏で破壊する事。
レーザー砲はまだ、長距離不向きとの事てすが、これが可能になったら世界の軍事バランスが崩れ、核兵器保有が意味なくなる。早く開発してほしいし、日本の技術力でブレークスルーしてほしい。