お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理カスタム対応をさせて頂きました。
・東京マルイ ステアーHC（ハイサイクル）スタンダード電動ガン【旧ファーストカスタムガン】
ご依頼内容は『オーバーホールメンテナンス、メインスプリング交換』のご依頼でした。ご依頼品は『旧ファースト様にてカスタムを行った商品』、『ご使用年数の経過によりセミオート操作時の動作が不安定でBB弾の飛び方が良くない』との事でカスタム施工時のカルテも一緒にお送り頂きました。
ご依頼品本体内部を調査した結果は①ご使用に伴う経年劣化（グリス汚れやオイル切れ）、②ハイサイクルモーター部品等の劣化、③インナーバレル内の汚れやチャンバーパッキンゴム摩耗、④メインスプリングの劣化（バネ鳴り音が大きい）により動作性能と弾道性能が低下した状態でした。
この度、『オーバーホールメンテナンス』を行い『劣化部品の交換、駆動系統／耐久／レスポンス／初速性能』の向上をご提案させて頂き修理カスタム製作を実施致しました。
東京マルイ ステアーHC（ハイサイクル）スタンダード電動ガン【旧ファーストカスタムガン】 修理カスタム内容
ご依頼内容
『オーバーホールメンテナンス、メインスプリング交換』ご希望
※セミオートの動作が不安定でBB弾の飛び方が良くない
故障状況
①ご使用に伴う経年劣化（グリス汚れやオイル切れ）
②ハイサイクルモーター部品等の劣化
③インナーバレル内の汚れ、チャンバーパッキンゴム摩耗
④メインスプリングの劣化（バネ鳴り音が大きい）
《修理カスタムご提案内容》
(1) オーバーホールメンテナンス、駆動系統のカスタム整備
(2) 劣化したモーターを新品へ交換、ショートサイズ規格に合わせてロングサイズモーターシャフトのカット加工（ハイサイクル専用モーター）
(3) 耐久性向上：AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）
(4) 劣化した逆転防止ラッチスプリングとSBDを新品へ交換
(5) インナーバレルチャンバーユニット：劣化したチャンバーパッキンゴムをマルイ製新品へ交換
(6) 初速性能向上【0.2g弾での調整】：ばね鳴り低減 ハイサイクルに適したメインスプリングへ交換、95～90m/s(0.2gBB)の範囲内
修理カスタム製作のポイント
①メカボックス内部オーバーホール作業（分解部品洗浄）
②劣化したハイサイクル専用モーターを新品へ交換、ショートサイズ規格に合わせてロングサイズモーターシャフトのカット加工
③駆動系統カスタム整備【ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
④耐久性向上：AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
⑤劣化した逆転防止ラッチスプリングとSBDを新品へ交換
⑥フルオートスイッチ接点部清掃、ヒューズ交換（30A）
⑦インナーバレルチャンバーユニットメンテナンス：劣化したチャンバーパッキンゴムを新品へ交換
⑧初速性能向上【0.2g弾での調整】：ばね鳴り低減 メインスプリング交換、95～90m/s(0.2gBB)の範囲内
修理カスタム製作に使用したパーツ
■計：6点
・東京マルイ EG-30000 HC ハイサイクルモーター 電動M16/M4・MP5・G3・P90用 ￥5,400
https://repmart.jp/products/m178626.html
・GAW アジャストスペーサー AOE調整用 ￥820
https://repmart.jp/products/ra04071.html
・アングス 逆転防止ラッチスプリング 折れんバイ 東京マルイHCメカボックス Ver.2対応 ￥480
https://repmart.jp/products/ra00914.html
・SHS 不等ピッチスプリング【M90】 ￥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html
・GAW 電動ガン用 SBD スタンダードパッケージ ￥820
https://repmart.jp/products/ra00921.html
・東京マルイ純正部品 チャンバーパッキンセット ￥352
修理カスタム作業内容
1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品外観》
《カスタム施工時のカルテが付属》
《ガン本体：外観はノーマルの状態》
《ステアーはブルパップ構造でマガジン装填口はレシーバー後部にある》
《アッパーレシーバーは金属製、光学機器の取付けが可能な20mmレイルを標準装備》
《本体右側：フォアグリップ備えコンパクトなデザイン、本体内部は東京マルイハイサイクル仕様》
《コッキングハンドルは可動式》
《コッキングハンドルを引くとエジェクションポートが開いてホップ調整用ダイヤルの操作が可能》
《本体後部バットプレートはゴム製で抜群の安定感》
《バットプレートを取り外すと内部にバッテリーを収納出来る》
《トリガーロックが発生した際に解除操作が可能な『ファーストオリジナル強制通電スイッチ』を搭載》
《本体の分解：実銃同様にロックボタンを押しながら銃身部を捻ると前方へ銃身の取り外しが可能》
《アッパーレシーバーとロアレシーバーを連結しているテイクダウンラッチを押し込んで外す》
《アッパーレシーバーが前方方向へ抜ける》
《テイクダウン分解後》
《メカユニットの取り外し：プラスティック製のプレートを外す》
《レシーバー内部よりメカユニットを取り外す（内部で引っ掛かり簡単には取り出せない）》
《少しずつ引っ張り出す》
《ステアー専用メカユニット》
《メカボックスケースのタイプはVer3》
《本体外側には『フルオート専用スイッチ』を搭載（本体内部のスイッチはセミオート専用スイッチになる）》
《トリガーを奥まで押し込むとフルオートスイッチが導通する仕組み》
《モーターホルダーの取り外し》
《モーターピニオンギアが変形しており交換が必要》
《モーターのブラシ紛が大量に飛散、モーターと一緒にSBDも新品へ取り換え》
《メカボックス内部》
《給排気パーツ類》
《メインスプリングは硬質で分解前の動作確認時バネ鳴り音が大きかった》
《ハイサイクル専用ピストン：カスタムピストンヘッドを搭載》
《汚れたグリスが内部に詰まっている》
《シリンダーヘッドも同様に汚れあり》
《ギア3点：ハイサイクル電動ガン専用ギア：逆転防止ラッチスプリングが折れており交換が必要》
《給弾不良防止の為、セクターギアのタペットピンには真鍮製のリングが装着されている》
《本体内部スイッチ》
《汚れてはいるものの接点端子に摩耗は無い》
《清掃が必要》
《フルオートスイッチ端子も汚れており清掃が必要》
《分解部品検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業（分解部品洗浄）
3)劣化したハイサイクル専用モーターを新品へ交換、ショートサイズ規格に合わせてロングサイズモーターシャフトのカット加工、SBDを新品へ交換
《使用部品：東京マルイ EG-30000 HC ハイサイクルモーター ロング》
《モーターホルダーからモーターの取り外し》
《EG-30000HC ショートサイズモーターは一般販売されておらず『一般販売されているロングタイプのシャフトをカット』して交換を実施》
《ピニオンギア／モータータワーの取り外し》
《不要なシャフト部分をマーキング》
《カット後：ハイサイクルモーターのシャフトは非常に硬い為、電動工具で切り落とす必要あり》
《ピニオンギアの圧入》
《ピニオンギア圧入後》
《ショートサイズモーターの完成》
《使用部品：GAW 電動ガン用 SBD スタンダードパッケージ》
《端子ハンダ付け》
《SBD装着後》
4)ギアシム調整：ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
5)ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整
《モーターピニオン高さ調整》
《ピニオンギアとベベルギアの位置高さ調整》
6)AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）【耐久性向上／高負荷の低減／立ち上がり動作の改善】
《使用部品：GAW アジャストスペーサー AOE調整用》
《アジャスター装着の為ピストンヘッドを加工》
《加工後》
《ネジロックで接着固定》
《ピックアップ角度変更によりセクターギア歯と接触するラックをカット加工》
《ピストンユニット完成》
6)AOE調整後セクターギアピックアップ歯の角度確認
《セクターギア先頭歯はピストンラックとの歯当たりを良くする為にカット加工が施されている（綺麗）》
《AOE調整前：ピストンドライブ時負荷が斜めに掛かる状態》
《AOE調整後：セクターギアのピックアップ角度を調整、水平方向に負荷を逃がす事により立ち上がり動作を改善、駆動時の高負荷を低減》
7)劣化した逆転防止ラッチスプリングを新品へ交換
《使用部品：アングス 逆転防止ラッチスプリング 折れんバイ》
《左：折れた純正品 右：交換を行う強化品》
8)ばね鳴り低減 ハイサイクルに適したメインスプリングへ交換
《使用部品：SHS 不等ピッチスプリング【M90】》
9)再組立て：グリスアップ、オイル注油、接点グリス塗布
《メカボックス内部完成》
《メカユニット完成》
10)フルオートスイッチ接点部清掃
11)インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス：劣化したチャンバーパッキンゴムを新品へ交換
《銃身部》
《インナーバレル内部は真っ黒に汚れている》
《インナーバレルチャンバーユニット》
《チャンバーユニット分解》
《チャンバーパッキンゴムは劣化しており交換が必要》
《インナーバレル内部清掃》
《使用部品：東京マルイ純正部品 チャンバーパッキンセット》
《メンテナンス組み上げ》
《ホップ突起形状の確認》
《インナーバレルチャンバーユニット完成》
12)ヒューズ交換：30A
《本体の組み上げ》
《強制通電スイッチの取付け》
《ヒューズ交換、完成》
■最終動作確認、約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器：ACETECHにて計測】
・修理カスタム前 ノンホップ時：91m/s(0.2gBB) サイクル数：15.7発/秒
・修理カスタム後 ノンホップ時：94m/s(0.2gBB) 適正ホップ時：93m/s(0.2gBB) サイクル数：19発/秒
※約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整をしています。【0.2g弾で調整、弾道検査済み】
※『7.4V 2050mAh 30C リポバッテリー』にて動作検査
※『東京マルイ BB弾 FINEST ファイネスト 0.2gBB弾』を使用し検査致しました。
※サイクル数の数値につきましてはご使用になられるバッテリー容量や状態により左右される為、あくまで参考値となります。
修理 カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのは『東京マルイ ステアーHC（ハイサイクル）スタンダード電動ガン【旧ファーストカスタムガン】』でした。上記12項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、劣化したハイサイクル専用モーターを新品へ交換、ショートサイズ規格に合わせてモーターシャフトのカット加工を行い組み込み調整を実施、ギアシム調整、モーターの位置出し等各部再整備致しました。AOEアジャスター装着（ピストン位置の最適化）を行い耐久性向上／高負荷の低減／立ち上がり動作を改善、逆転防止ラッチスプリングとスイッチ焼け予防のSBDに劣化が御座いましたので新品へ交換、ばね鳴り低減 ハイサイクルに適したメインスプリングへ交換を致しました。グリスアップ、オイル注油、接点グリス塗布を行い組み上げ済みです。インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンスを行い劣化したチャンバーパッキンゴムを新品へ交換、フルオートスイッチ接点部清掃を行いヒューズを30Aへ増量し交換しています。
修理カスタム後の初速はノンホップ時 94m/s(0.2gBB)、適正ホップ時 93m/s(0.2gBB)、セミ／フルオート発射動作問題御座いません。発射動作確認、実射テストを実施済みです。初速性能は91→94m/sへ向上しており90m/s以上を確保、サイクル数は15→19発/秒へ向上しています。チャンバーパッキンゴム交換により左右へのBB弾の散らばりは低減し30m先まで真っ直ぐ伸びる弾道となっております。【0.2g弾にてホップアップ調整、弾道検査済み】です。
本ご依頼品は『旧ファースト様にて製作されたカスタムガン』になりカスタム時のカルテが残っており『内部カスタムの施工内容が一目で判る状態』で大変助かりました。この度の修理カスタムではオーバーホールメンテナンス、駆動系統のカスタム整備により耐久性が向上、モーター新品交換による立ち上がり動作／レスポンスが改善しサイクル数、トリガーレスポンスも向上、動作時のバネ鳴り音は無くなり快適な発射動作へ改善しています。末永くご愛用頂ければ幸いです。
弊社ではお持ち込みによる『電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタム』、またカスタム完成品（コンプリートガン）製作を承っております。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。
