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S&T M3A1 グリースガン 海外製電動ガンの修理、カスタムをさせて頂きました【駆動系統/耐久/初速/サイクル/弾道性能向上】

お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理、カスタム対応をさせて頂きました。

・S&T M3A1 グリースガン 海外製電動ガン

ご依頼内容は『オーバーホールメンテナンス』のご依頼でした。『一応動作するものの購入後から一度もメンテナンスが出来ていない為、グリスアップや可能であれば消耗パーツの交換をご希望』頂きました。

分解調査の結果、『内部のオイル汚れが多々あり可動部のグリスが切れている』『また中国製という事もあり内部パーツの耐久性が弱く損傷や劣化がある』状態でした。性能面では『チャンバーパッキンゴムが変形しておりホップアップが異常に掛かる』、初速性能につきましても『現状72~76m/s(0.2gBB)と非常に低くサイクル数も7.4vリポバッテリー使用時、約11発/秒と遅い』状態でした。

この度、オーバーホールメンテナンス修理と併せて『駆動系統/耐久/初速/サイクル/弾道性能向上』カスタムをご希望頂きましたので同時に実施させて頂きました。

S&T M3A1 グリースガン 海外製電動ガン 修理、カスタム内容

故障状況

『オーバーホールメンテナンスご希望』
『一応動作するものの購入後から一度もメンテナンスが出来ていない為、グリスアップや可能であれば消耗パーツの交換をご希望』

故障原因

『内部のオイル汚れが多々あり可動部のグリスが切れている』
『また中国製という事もあり内部パーツの耐久性が弱く損傷や劣化がある』

《性能面》
『チャンバーパッキンゴムが変形しておりホップアップが異常に掛かる』
『初速が72~76m/s(0.2gBB)と非常に低くサイクル数も7.4vリポバッテリー使用時、約11発/秒と遅い』

ご依頼品の状態、ご使用状況

・ご依頼品は分解歴一切無し、カスタムも行われておらず箱出し状態でのご使用

カスタムご依頼内容

(1)オーバーホールメンテナンス、駆動系統カスタム整備
(2)耐久性向上:劣化部品を強化パーツへ組み換え
(3)サイクル数向上:カスタムモーター搭載
(4)初速性能向上:適正ホップ時 95~90m/s(0.2gBB)の範囲内
(5)弾道の改善:ホップが掛かりすぎる不具合の修正

修理 カスタム製作のポイント

①メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
②劣化したモーターを国産カスタムモーターへ交換、モーターホルダー加工調整【サイクル数向上】
③ロアーメカボックス:駆動系統カスタム整備【外れている軸受けの再固定、ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
④アッパーメカボックス:初速性能を安定させる給排気性能の高いカスタムピストンヘッド、高耐久ピストンへ交換【劣化部品交換、耐久性向上】
⑤アッパーメカボックス:AOEアジャスター装着、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
⑥アッパーメカボックス:メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 適正ホップ時:95~90m/s(0.2gBB)の範囲内【初速性能向上】
⑦カスタムチャンバーパッキンへ交換、ホップアップが掛かりすぎる不具合を修正【弾道性能改善】

修理 カスタム製作に使用したパーツ

■計:6点
・Retro Arms フルティースピストン 13.5枚歯 ¥2,800
https://repmart.jp/products/ra04732.html

・DCI GUNS 側面吸気ピストンヘッド 電動ガン用 POM ¥3,400
https://repmart.jp/products/ra02587.html

・GAW アジャストスペーサー AOE調整用 ¥820
https://repmart.jp/products/ra04071.html

・SPARK industries 不等ピッチスプリング M90 ¥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html

・宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット 電動ガン用 ¥1,080
https://repmart.jp/products/mi51705.html

・SPARK INAZUMAモーター ロング ¥4,800
https://repmart.jp/products/ra05035.html

修理 カスタム作業内容

1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品外観》
《ボディは実銃と同じくスチールプレス製》
《バッテリー収納はグリップの底ふたを開閉して内部へ収納》
《エジェクションポートカバーの開閉が可能:カバーを閉めると安全機能が働きトリガーを引いても発射動作は出来ない仕組み》
《指でダミーボルトをスライドさせるとホップ調整用レバーにアクセス出来る》
《ボディの分解は実銃と同じく『トリガーガード』を外す事により分解が可能、トリガーガードは強力なテンションで本体へはめ込まれており取り外しは非常に困難
《トリガーガード、カバー、ストック取り外し》
《トリガーとトリガーバーを取り外し》
《ねじ込み式の銃身部取り外し》
《大きな円形の固定パーツにチャンバーが固定されている》
《チャンバーと連結しているホップレバー部品を外して分離》《ボディ内部に収納されているメカユニット》《メカユニット固定ネジを外すと『バチン!』と音がなる(タペットプレートが前進した音)》
《メカボックスは上下2分割式タイプ:下側のロアーメカボックスを分離》
《ボディ内部より残されたダミーボルトユニットと上側のアッパーメカボックスを取り外し》
《メカユニット外観》
《アッパーメカボックス:給排気パーツを搭載》
《後部にはモーターユニットを連結》
《モーターユニット取り外し》
《スプリングガイドはQD式》
《ホップレバー取り外し》
《アッパーメカボックス内部》
《ピストンヘッドとシリンダーの気密が全く取れていなくエアが漏れる状態》
《黄色いオイル汚れ多数》
《給排気パーツ類》
《ピストンユニット》
《セクターギアとのクラッシュによりピストンラックが潰れている、交換が必要》
《ピストンヘッドは全く気密が取れていない、交換が必要》
《メインスプリング:自由長が極端に短い為ピストンの前進が間に合わず回転するセクターギア歯と接触してクラッシュしてしまう》
《ロアーメカボックス:ギアやスイッチを搭載》
《ギア3点の並びを見る限りギアの高さ調整(シム調整)が適切でない》
《このレバーがエジェクションポートカバーと連動してマイクロスイッチのON-OFF動作を行う》
《ロアーメカボックス内部》
《スイッチのON-OFF動作は機械式》
《このカム部品が物理セフティになる》
《ギア3点異常無し ギア比は18:1標準トルク》
《こちらも酷いオイル汚れあり》
《取り外したマイクロスイッチ》
《分解部品検査》

2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)

3)劣化したモーターを国産カスタムモーターへ交換、モーターホルダー加工調整【サイクル数向上】
《モーターホルダー分解》
《使用部品:SPARK INAZUMAモーター ロング》
《高強度ピニオンギアを標準搭載》
《組み換えの際にはモーター端子を同様に折り曲げる必要あり》
《組み込みの際タワーシャフト径が大きくモーターホルダーの内径に合わない》
《タワーシャフト収納部を拡大加工》
《加工後》
《モーター搭載》
《モーターユニット完成》

4)ロアーメカボックス:外れている軸受けの再固定、ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整、ベベルギア位置出し
外れている軸受けの再固定》
《接着固定後》
《モーターピニオン、ベベルギアの位置出し》

《ギアシム調整》《メカボックスを閉じて回転動作チェック》
《回転動作OK》

5)アッパーメカボックス:初速性能を安定させる給排気性能の高いカスタムピストンヘッド、高耐久ピストンへ交換、AOEアジャスター装着(ピストン位置の最適化)【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《使用部品:DCI GUNS 側面吸気ピストンヘッド 電動ガン用 POM》
《使用部品:Retro Arms フルティースピストン 13.5枚歯》
《使用部品:GAW アジャストスペーサー AOE調整用》
《静音性の高いPOM材を使用、スプリング圧縮時の負荷を逃がすためスラストベアリングを内蔵》《Retro ArmsピストンはAOE調整の際セクターギアとの接触を避ける為、3番目ラックが半分カット済み》
《ネジロックで接着固定》
《ピストンユニット完成》
《側面の吸気ポートにより安定した初速を実現》

6)AOE調整後セクターギアピックアップ歯の角度確認【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《AOE調整前:ピストンドライブ時負荷が斜めに掛かる状態》

《AOE調整後:セクターギアのピックアップ角度を調整、水平方向に負荷を逃がす事により立ち上がり動作を改善、駆動時の高負荷を低減》

7)アッパー/ロアメカボックス再組立て:グリスアップ、オイル注油
《給排気性能チェック》
《アッパーメカボックス内部組み上げ》
《アッパーメカボックス完成》
《ロアーメカボックス:スイッチ連動カム部品にオイル塗布》
 《ロアーメカボックス内部組み上げ》
《ロアーメカボックス完成》
《メカユニット3点完成》

9)メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、初速調整 適正ホップ時:95~90m/s(0.2gBB)の範囲内
《使用部品:SPARK industries 不等ピッチスプリング M90》
《組み込み》

10)メカユニット仮組み、モーターノイズ調整
《メカユニット3点仮組み》
《動作させて駆動時に異常が無いかチェック》
《モーターノイズが多少ある為、ホルダー内にワッシャーを入れてモーター高さを調整》
《一部ホルダーを加工》
《ワッシャーを入れて再度組み上げ動作確認、モーター位置調整完了》

11)インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス
変形したチャンバーパッキンをカスタムパッキンゴムへ交換、ホップアップが掛かりすぎる不具合を修正
《インナーバレルチャンバーユニット》
《ホップアームを浮かせた状態でホップ突起を確認》
《ホップアームが降りていないのに強力なホップが掛かってしまっている》

《ホップアーム自体が直接パッキンゴムを押してしまい変形している》
《変形したチャンバーパッキンゴム、交換が必要》

《チャンバーユニット分解後》
《使用部品:宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット 電動ガン用》
《ホップ突起はマルイタイプを使用》《ホップ押しゴムをマルイ製に交換 左:純正 右:マルイ製》
《ホップ調整の際、アームの突起が突き出し過ぎない様に加工処理》
《ホップアーム加工後》《バレル内清掃、チャンバーユニット組み上げ》
《ホップ突起形状のチェック:ホップレバー操作前 ホップ突起の異常な突き出しは無し》《ホップレバー操作時:正常にホップアップが掛かる状態》
《チャンバーユニット完成》

12)ボディへ分割式メカボックス(アッパー/ロア)を組み込み、本体組み上げ
《ダミーボルト内にアッパーメカボックスを組み込み》

《ダミーボルトごとボディ内部に挿入しモーターコネクタを結線》
《ロアーメカボックスを組み込み》
《メカボックス連結ネジの取付け》
《ホップレバー操作時にレバーが簡単に動いてしまう為、ワッシャーを入れて動き難い様に調整》
《チャンバーユニット連結》《銃身部をねじ込み》《ボディ組み上げ》
《トリガー動作チェック》
《ホップレバー動作チェック》
《最後にトリガーガードを本体へはめ込み完成》

■最終動作確認、約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器:ACETECHにて計測】
・修理カスタム前 72m/s(0.2gBB) サイクル数:11.5発/秒
・修理カスタム後 適正ホップ時:95m/s(0.2gBB) サイクル数:17.4発/秒

※約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整をしています。【現在0.2g弾】で調整済み
※7.4v 2050mAh リポバッテリーにて検査
※G&G TOP FIVE 0.2gBB弾を使用し検査致しました

※サイクル数の数値につきましてはご使用になられるバッテリー容量や状態により左右される為、あくまで参考値となります。

修理 カスタム担当者コメント

ご依頼頂きましたのは『S&T M3A1 グリースガン 海外製電動ガン』でした。上記12項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、モーターホルダーの加工調整を行いトルク性能の高い国産カスタムモーターへ組み換え致しました。ギアシム調整、モーターの位置出し等各部再整備、劣化したピストンを高耐久ピストンへ交換(全金属歯)、耐久性向上、初速性能を安定させる給排気性能の高いカスタムピストンヘッドへ交換、同時にAOEアジャスター装着(ピストン位置の最適化)を行い駆動時における耐久性向上/高負荷の低減/立ち上がり動作の改善を致しました。メインスプリングをカスタム品へ交換、グリスアップ、オイル注油を行い分割式メカボックス(アッパー/ロア)組み上げ済み、メカユニットの仮組みを行いモーターノイズの調整を致しました。

インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンスを行い、変形したチャンバーパッキンをカスタムパッキンゴムへ交換、またホップアップが掛かりすぎる不具合の修正を行いボディへ分割式メカボックス(アッパー/ロア)を組み込み、本体の組み上げ調整を致しました。修理カスタム後の初速は適正ホップ時95m/s(0.2gBB)、フルオート動作問題御座いません。ダストカバーを閉めた際のセイフティ機能も正常に動作します。修理前の72m/sより大幅に初速が向上しフルオート時のサイクル数は11→17発へ改善、内部駆動系統のカスタム整備により耐久性、動作性能も改善しています。チャンバーユニットの調整により40m先まで真っ直ぐ伸びる弾道へ改善しています。

今回ご依頼頂きましたのは『S&T M3A1 グリースガン 海外製電動ガン』でした。実銃の世界では『グリースガン』の名前の由来は機械にオイルを注入するグリースガンに似ている事によるとされています。第二次大戦中にアメリカ軍が低コストを目的として開発されたマシンガンでスチールプレスによる大量生産により外観デザインは必要最小限の操作機能のみ備えまた、単発射撃(セミオート)機能はなく連発射撃(フルオート)のみの機構になります。知名度も高くエアソフトガンとしてはS&Tが初めて製品化した商品になります。外装は実銃同様スチールプレス製で製作されておりコンパクトな見た目によらず重量は約3kgあります。トリガーバーを取り外して本体の分解を行う手順は実銃と同じで外観のみの観賞用モデルガンとして楽しめる商品にもなります。ただ、海外製品という点もありエアソフトガンとしての性能は良くなく『弾が真っ直ぐに飛ばない』などの不具合が御座います。また本製品は異形な外観に合わせて内部は特殊な『上下2分割式のメカボックスを搭載』しており分解組立て難易度は非常に高い商品でもあります。この度はオーバーホールメンテナンスに加え『駆動系統/耐久/初速/サイクル/弾道性能向上』カスタムを実施させて頂き実射性能面を改善させて頂きました。これからも末永くコレクションとしてご愛用頂ければ幸いです。

弊社では電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。

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