今回のエアガンレビューは、マルゼン製ガスガンワルサーP38のレビューです。
この銃は第二次世界大戦のナチスドイツ軍で、ルガーP08の後継機として制式採用され製造されていたものです。
ワルサーP38といえば、無骨でありながら曲線を描くあのボディから、すっと飛び出たバレルが特徴的です。
また先発のルガーP08と違い、コルトガバメントを始めとしたスライドが前後に動き排莢を行う、ショートリコイルの銃で、現在米軍で採用されれているベレッタM92Fと同じ、プロップアップ式と呼ばれる方式を採用したことで革新的な銃であったと言われています。
この機構は先発のP08が戦場での過酷な使用に耐えることが難しく、故障が頻発したうえ、現場での修理が難しかったことから変更になったといいます。
しかし、緻密な機構からなる精度や旧時代独特の気品のある容姿から伝説というより、もはや法螺話の様な話が多々残るP08に比べると、「精度が落ちた」、「スライドの耐性が弱い」等と、戦場ではあまり評価が良くなかった等と評する文献もあります。
しかし、後の米軍に採用されるベレッタM92Fの礎になるなど、歴史に大きな足跡を残し、後の銃器開発に大きな功績を残した銃である事は確かです。
そんなワルサーP38は欧米などではナチスドイツの象徴的な銃の一つとして語られることのあるそうですが、日本ではナチスドイツの銃というよりは漫画「ルパン三世」の主人公、ルパン三世の愛器として有名だと思います。
それ故に、ナチスドイツの時代の銃という製品化するにはちょっと難しい側面も持つ銃でありながら、数多くのモデルガンやエアガンが多くのメーカーから発売されてきました。
そんな日本人にはある意味で親しみのある、ワルサーP38をエアガンで再現したのが今回のマルゼン製ワルサーP38 です。
では早速レビューをしていきたいと思います。
マルゼンのホームページによると
- 全長215mm
- 重量720g
- 銃身117mm
- 装弾数12発
となっています。
ワルサーP38の外観
このスペックだけ見るとまずはじめに目に着くのがやはり装弾数だと思います、マルイを始めとした他社製メーカーでは20発前後が主流となっており、この数字だけ見ると少し少ない気がしますが、ワルサーP38自体のグリップがそこまで大きくないことや、本物のP38がシングルカラムで装弾数が8発と、コルトガバメントクラスであることを考慮すると妥当と言うべきでしょう。
また、パッと見では気が付きにくいですが、銃身長はやはりあのフォルムの影響もあり長くなっています。
同じぐらいの大きさのグロックが70mm前後であることを考えると、ここらへんは嬉しい点であるといえると思います。
また、これは個人的な話になりますが、写真などで見ると大きく感じるP38ですが、実際に触ると思ったより大きくないと感じる方も多いと思います。
というのも、実際は普通の銃のデータと同じか、それより少し大きいのですが、セフティーやハンマーが今の物に比べ大きくなっていて、リボルバーのそれを思い出せるようなデザインのため、実際の見た目より写真などでの見た目のほうが大きく感じると思います。
スペックデータで特筆すべきところは以上の事柄程度で、他の数値は平均的なエアガンそのもので、スペックとしては装弾数以外は優秀、もしくは優れていると言えます。
そして実際に触ってみると感じるのがグリップのフィット感です。
確か、記憶の中ではルパン三世が触りフィットすると言って居ましたが、納得できるぐらい日本人の手にフィットすると思います。
そのフィット感故か?
リコイルはそこそこあると思うのですが、実際に使用してもそこそこの反動でありながら、狙いを外す事はあまりないと思います。
命中精度も平均的なエアガンそのものであり、素直な弾道を描き飛んで行くもので、十分使用に耐えれると言っても過言ではありません。
マガジンが冷えに弱く、冬場に使用するとすべて打ちきれないなんてこともありますが、おそらくこの銃を買う人に取っては問題は無いでしょう。
さて、本来レビューであれば使用感などはもう少し詳しく書くべきであろうと思いますが、今回は使用感はこの程度に抑えておきます。
細部に至るまで再現
何故ならこのエアガンの真髄はどこに有るか?と言われたらまさしく見た目であると言えるからです。
というのも、マルゼンといばワルサー社と正式にライセンスを結んでいることで有名です、実際ワルサー社から多大なデータを受けているといいます。
そのライセンス契約により、マルゼンはワルサー社より100枚余の実銃図面の提供を受けており、『外見は勿論、内部パーツに至るまで可能な限り実物の形状を再現しました。』 と記載してあり、エアガンではほぼ見ることのない、内部パーツまでもが緻密に作られているからです。
また、正式ライセンスを結んでいる為、刻印なども実銃と同様に刻印されており、エアガンとしては最早異常とも言えるレベルのモデルアップ具合がこの商品の最大の特徴だからです。
では、細部を見ていきましょう。
まず刻印、これはプルーフマークといって部品検定印というそうですが、その鷲に359という刻印は当時ワルサー社に与えられた数字と同じで、実銃と同じ箇所、全身7ヶ所に刻印してあります。
フレームやスライドストップはもちろん、スライドさせないと見えない箇所にも刻印してあり、さらにはその刻印方法が当時の製造方法をそのままであるというので驚きです。
これだけでも買ってもいいかなと思うレベルの商品ですが、これだけではなくマルゼンはハンマーデコッキング機能や、実銃同様のテイクダウン方法と同じにしてあるほか、リコイルスプリングまでもが実銃同様だといいます。
これは個人的な話になりますが、ダミーファイラリングピンがセーフティーと連動しているということまでもが再現してあるといい、ぶっちゃければ所有している自分ですら調べるまで知らなかった再現パーツもあり、正直驚愕しているレベルの再現度です。
総評
さてここまで見てきたので総評に入りたいと思います。
このマルゼンワルサーP38は完全にコレクター用であると言っても過言ではないでしょう。
もちろんヒストリカルゲームの使用を考え購入した人、どうしてもワルサーがサバゲーで使いたいという人はサバゲーなどで使うことは問題ないと思います。
実際マガジンの冷えなどを抜けばスペックデータや弾道は優秀です。
ですが、普通にサバゲーをしていてなんか少し変わり種が使いたいとかいう人はあまり向かないかもしれません。
というのも、このワルサーP38はあまりにも緻密だからです。
もともとルガーP08がコスト高なうえ、精巧で戦場での使用に向かない為に開発されたP38ですが、そのエアガンが緻密故にサバゲーで不向きというのは皮肉な話です。
しかし、逆に言えばサバゲーに持って行くにはもったいないほど完成度が高いといえます。
もちろん、そんなことを言ってしまえばガスガンではなく、モデルガンとして出せば良いではないか!という話になってしまいますが、僕はこの商品の肝は『モデルガン級の精度でガスガンを制作した』事であると考えています。
話は少しそれますが、このレビューを読んでいる人の中にもモデルガンを所有している人はいると思います。
そしてモデルガンを所有する多くの人が、最低でも一回は「この銃、エアガンとして発砲できればなぁ」と考えると思います。
実際、僕はエンフィールドMk2、アニメ「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐が持っていた銃のモデルガンを所有していますが、ほんとにコレがエアガンとして使えたらと思うことが多々あります。
話は戻って、このマルゼンワルサーP38はモデルガンで数多く出てきたモデルです。
そんなモデルガンで数多く出てきたモデルを、ガスガンとしては最高峰の再現度で再現してきたマルゼンさんの意気込みは、マニア心をよくわかっていると思います。
この製品の肝は『モデルガン級のエアガン』という所に有ると行っても過言では無いです。
全員の人におすすめできるかと問われたら悩ましい所ですが、この業界最高峰を誇る完成度を多くの人が手にとって貰えればと思います。
ワルサ—P38は、やはり、ルパン三世の銃なので、ガスガン出たのであれば、絶対欲しいっ!性能は、考えないっ!まあ、いいに越したことはない蹴れどっ!
予約したけど…ページが開くのがなだるっ濃い…再入荷したら是非、連絡欲しいと思って居ります゜ロ宜しくお願い致します!