今回エアガンをレビューするにあたって私がおすすめしたいのはマルゼン製イングラムM11です。
このエアガンは映画などでも、しばしば目にするサブマシンガン、イングラムM10の弱装弾バージョンとなっています。
元々M10は特殊部隊用の小型サブマシンガンを作るということが念頭に置かれ制作された銃であり、マシンピストルに分類されることもあるぐらい小型です。
しかし、M10が9mmや45ACPを使用するが、M11は380ACPという弱装弾を使用することにより、元々小さかったボディーを、更に一回り小さいボディーにすることに成功、発射サイクルも速くなったと言われています。
さて、そんなイングラムM11をエアガンで再現しているのがマルゼンです。
エアガンのメーカーの中では影の薄いマルゼンですが、実力は十分のメーカーであると自信を持って言えます。
特に、今回紹介するイングラムM11は、そんなマルゼンという会社を体現したような物だと言えるでしょう。
まず、このイングラムM11の最大の特徴はしっかりとした動作で故障なども少ないことです。
実際、5年近く使っていますが、故障や弾づまりなどは記憶の限り一回もありません。
このレビューを書くにあたって押し入れから引っ張り出してきた際も、ホコリだらけのところに半年近く放置していたにもかかわらず、問題なく弾がきれいな弾道を描き飛んで行きました。
ディティールも最高に素晴らしいというほどでは無いのですが、絶望的プラスチック感が漂うなんてことは無く、室内で眺めて遊ぶにも問題ありません。
そしてサバゲー等でも、業界トップの箱出し性能を誇るマルイなどととも、対等に渡り合える様な実力を持った製品と言えるでしょう。
私はこれがお気に入りである故に贔屓目が入っており、多少褒めすぎた気がしなくもないですが。
外観とスペック
主観だけで語るのもどうかと思うのでスペックを見てみましょう。
メーカーサイトによると大きさは実銃よりわずかに大きく、254mmでストックをつけると450mm、重さはハンドガンと考えるとしたら少し重く、825gです。
装弾数は24発で、サブマシンガンとしてみた場合、少し少なく感じるかもしれないが、ロングマガジンを付ければ50発になります。
ハンドガンとしてはおおぶりですが、サブマシンガンとして見た場合、小型で優秀と言えるだろう。
なにせ254mmの小型ボディーはサブマシンガンとして最もコンパクトである。実際、使うにしても狭い場所でも余裕で振り回せるでしょう。
更にサバゲー等で使うことを考えた場合、多弾倉マガジンを詰んだ電動ガン相手に50発は少ないかもしれないが、しっかりと考えて撃てば対応のしようはあると思われます。
一方、ハンドガンとして見た場合、少し大きい。
だが、それでもデザートイーグル等と同じぐらいであり、なんとか許容範囲、825gという数字は大きく、実際ハンドガンだと思って持つと重く感じるだろう。
しかし、ストックが付居ていることを忘れてはいけない。
これがあることにより安定した姿勢で打てるハンドガンとも考えられます。(ハンドガンにストックってどういうことなのと思われる方もいるだろうが、昔の拳銃にはストックを付けて運用することもあった。ルガーP08やモーゼルM712などが有名だろう)
それを考えると多少重い気がしなくもないが、まぁ許容できる範囲には入れると思う。
実射性能
実際の発射してみるとどうだろうか?
こればかりは主観に頼らざる得ないが、個人的な感じとしては思ったよりガッツリとしたリコイルがあると思っています。
実銃のように練習を積まないと扱えないほど反動がすごく、ロデオ状態になるということはないが、ある程度は反動あり、片手で精密射撃をするとしたら少しきついかな?と感じるぐらいにはリコイルを楽しめます。
もし室内でガスフルオートの発射している感を楽しみたいのであれば、ストックを取り外して軽くした状態で使うと良いでしょう。
ですが、サバゲーなどで使うとしたらストックをつけた状態で使用したほうが、ストックを伸ばせば、そこまで跳ねることもなく、電動ガンのそれと対して変わりなく普通に使うことが出来るからおすすめです。
ただひとつ注意したいのがこのイングラムM11は固定ホップアップという、今どきは可変が主流になりつつあるエアガンの中では旧式と言わざる得ないようなシステムを積んでいる点です。
と言っても、可変で毎回フィールドごとに調整しているという人なら話は別だが、普通に使う分には何ら問題ないでしょう。
なぜなら、その固定ホップアップの調整はよくされており、非常に素晴らしいと言えるからです。
実際、この弾道がスムーズに飛んでいったエピソードとしてサバゲーで撃ち合いになった際、15メートルぐらいの距離で私は友人にヘッドショットを入れることに成功しています。
個人的にはそのことがあり、可変ホップアップよりいいのではないかと思っている程です。
それじゃなくてもフィールドに到着して何も考えずに構えてトリガーを引くだけで、思い通りの場所へきれいな弾道を描いて飛んでいってくれると言うのは一つの利点といえるのではないでしょうか?
更にサバゲーでの使用ということであれば別売りではあるが、M10系には必須とも言えるようなアイテム、サイレンサーをつけることをおすすめします。
動作音>発射音であるエアガンではそこまでの効果は見込めないが、事実上バレルが伸びるため、私の友人はその理論でいつもつけて使用していた。
ちなみに、サイレンサーの中は思ったよりしっかりした作りとなっており、中には硬いワタのようなものが敷き詰めてあり、外見もしっかりとしているから室内で眺めたりする人も買って損はありません。
これはすごく個人的な意見ですが、何よりM10系はサイレンサーが付いてこそM10系といえるのではと思っています。
優れたコストパフォーマンス
では、最後に値段を見てみよう。
価格が税抜で13,800 円。
サイレンサーやハンドストラップが付いたフルセットでも17,800円。
ぶっちゃけ、マルイのガスハンドガンより安い。
果たしてこの価格はマルゼンは利益が出るのだろうかと不安になる価格です。
さて、値段を最後に持ってきたわけであるが、通販番組を意識したとかそういうわけではない。
実は今回レビューで一番強調したいのは実はこの価格であると言っても過言ではなく、趣味の世界で値段を強調するのってどうなんだと思われるかもしれないがこれには理由があります。
と言うのは、友人などにサバゲーに誘っても来ない理由として多いのが実は装備が高いとかだったりします。
ひどい人だと、そんなお金があるならゲーミングPC組んでFPSでもやればいい等とか言う人もいて、この現状を見るに意外にお金という問題は大きいと私は思っている。
現に今からサバゲーに行こうと考え、1から揃えたとしたら軽く50,000円位は超えてしまうでしょう。
社会人やエアガンが趣味の人に取ってはいいかもしれないが、私のように貧乏な学生や初心者にとってこの値段はちょいと厳しい。
最近はレンタルなども増えたといえど、やはり自分のモノが欲しいものです。そんなニーズに十分答えられると思うのがこのイングラムM11だと思っています。
ガスであるとはいえ、フルオートが撃てて且つ安い、コンパクトであり、それでいて固定ホップ故に弾道も素直です。
この様なエアガンがあるとしたら、サバゲー初心者には十分進められるのではないでしょうか?
それにコンパクトだし家においておいても場所を取らないのも大きく、普段エアガンを触れない人でも十分保管が可能だし、大荷物を持ってフィールドへ移動するなんてことも無くて済む。(車持ならいいかもしれないが、電車などで移動とかになるとあのエアガンを持ち歩き周囲から白い目をされたのは私だけではないでしょう。)
ちなみに余談であるが、このイングラムM11は店によっては10,000円近くで売られていることがあり、オークションや中古価格だったら、運がいいと5000円ぐらいで売られているのを見ることがあります。
これからサバゲーのシーズンに入るわけですが、とりあえずサバゲーに行きたいんだけど金と装備が無いんだけど、とか、これからサバゲー初めてみようかな?なんて人にはもちろん、ガスフルオートが試してみたい人等、サブアームを強化したい人などにもお勧めできます。
このマルゼン イングラムM11は初心者からサバゲー経験者まで幅広い人にオススメのエアガンと言えるでしょう。