私が今回レビューするのは、東京マルイ次世代電動ガンSOPMOD M4である。
SOPMODとは「Special Operations Peculiar Modification」の頭文字をとったもので、特殊作戦用装備という意味になる。
つまりSOPMOD M4とは、特殊作戦部隊用にカスタマイズされたM4カービンの総称である。
大きな特徴としては、ナイツアーマメントによって開発されたRIS(Rail Interface System)ハンドガードが装備されている点だ。
これにより、フォアグリップやフラッシュライトなどのタクティカルモジュールの迅速な着脱が可能となっている。
今回、東京マルイからモデルアップされたものは様々なカスタマイズバリエーションの一つを再現したものだ。
次世代電動ガンは東京マルイの新ブランドであり、これまでモデルアップされた電動ガンには無い新機能が追加されている。
それが、「シュート&リコイルエンジン」と呼ばれる実銃射撃時に発生するリコイルを再現する機能だ。
このユニットを内蔵する事で、トリガーを引くと同時に金属製のボルトが激しく前後し実銃の射撃と同様の振動が発生、これにより、従来の電動ガンでは決して味わう事の出来なかった、撃ち応えを体感する事が出来る。
また、レシーバーにはアルミダイキャスト、ハンドガードは金属製の実物リアルサイズを標準で装備するなど、各部分が実銃の質感に限りなく近く再現されている。
化粧箱はパッケージデザインが一新され、今まで販売された電動ガンシリーズとは差別化され、各所に次世代電動ガンの表記が目立つ。
箱を開けると、中はオリーブドラブ色一色になっており、非常にシンプルになっている。
本体を固定するためデルタリングの部分にマジックテープが巻かれ、本体はアッパーレシーバー、ロアレシーバー共にアルミダイキャスト素材が採用されている。
亜鉛ダイキャスト制に比べ非常に軽量化され、それでいて高い剛性を同時に実現させている。
実際構えてみると予想よりも軽い印象を受ける。
フルメタル製なので重さが偏ることもなく、非常に構え心地が良い。
マットブラックに塗装された表面の質感はツルツルしており、塗装の剥げや色むらもなく、綺麗に仕上がっている。
レシーバー右側にはセレクターインジケーターとマガジンキャッチが配置、マガジンキャッチのスプリングテンションは個体差だろうか、人差し指で押すとやや硬く感じた。
セレクターインジケーターはダミーとなっており「SAFE」「SEMI」「AUTO」を切り替えても「SEMI」の位置で固定されている。
細かい点ではあるがちょっと残念だ。
レシーバー左側には今回初めて採用されてリアル可動ボルトリリースボタンとセレクターが配置されている。
セレクターは従来の電動ガンシリーズと同様だが、こちらも操作が若干硬くかんじた。
そして注目すべきはボルトリリースボタンだ。
従来のモデルでは、ただのダミーであったがSOPMOD M4では実銃同様の機能を有している。
マガジン内のBB弾が尽きると、マガジンフォロアーとリンクしたパーツが作用し、メカボックスを自動停止させ、同時にボルトリリースボタンが傾く。
そして新しいマガジンを装着し、ボルトリリースボタンを押しロックを解除する事で再度射撃が可能となる。
この一連の動作が実銃同様のアクションを再現でき、よりリアリティーが高まるのだ。
ハンドガードはナイツアーマメントが開発した、レイルシステムを忠実に再現している。
上下左右の4面にレイルを配置する事で、フォアグリップやフラッシュライトなど、タクティカルパーツのスムーズな着脱を可能にしている。
従来のものは電動ガン独自の規格のものであったが、SOPMOD M4では実銃と同じ規格が採用されており、こだわりのある人であれば実銃パーツの搭載も可能だ。
アルミ素材で再現されたハンドガードはガタつきも皆無で施された刻印も美しい。
レイル部分はエッジが効いており、指を切りそうなほど洗練されている。
ハンドガードを取り外すためにはデルタリングを引きながら外す必要があるが、デルタリング内のスプリングテンションも硬すぎず、スムーズに作業を行うことが出来た。
海外メーカーのものの中にはスプリングが硬すぎて外せないものもあるが、さすが東京マルイ、細かい部分にもこだわりを感じる。
ハンドガードを外すとダミーガスチューブ、アウターバレルがある。
ガスチューブはデルタリングを貫通しておらず、フレーム側は短い別パーツで再現され、バレルはバレルナットによってガッチリと固定されており、剛性に心配はない。
従来のM4シリーズはバレルの付け根、いわゆる「首回り」が非常に弱く定期的なメンテナンスが必要だった。
勿論SOPMOD M4の場合でもメンテナンスは必要だが、その頻度は大幅に軽減されそうだ。
ストックはクレーンタイプのストックが採用、クレーンストックは海軍兵器開発所であるCRANE LABOで開発された事から、その名が付けられている。
実物のストックでは予備の電池を収納する場所が、電動ガンではバッテリー専用のスペースとなっている。
バッテリーは二股に分かれており、かなり独特の形状をしている。
これは、SOPMOD M4用に新開発された専用のバッテリーで、形状的にも他の電動ガンとの互換性はない。
ストック後部のバットプレートを外すとヒューズやコネクタが現れる。かなりメカメカしい印象だ。
バッテリーはコードレスなのでワンタッチで装着可能、余ったコードを押し込む面倒な作業をしなくて済むのは、地味にありがたい。
グリップは従来のものと同じに見える。
電動ガンではグリップ内にモーターを収納する設計上どうしても分厚くなってしまう、新型のモーター開発は今後の課題だろう。
フロントサイトは従来のものと同様の形状だが、ガスチューブを通す穴が新たに設けられているため互換性は無い。
マガジンはSOPMOD M4用に新規開発されたもので、従来のM4シリーズのものとの互換性は無く、長さも実物と同じになっている。
マガジンの装填部分にはフォロアーに干渉するパーツが付いている。
BB弾が尽きると、この部分がメカボックスに作用し駆動を停止させる仕組みだ。
またマガジンの中には82連発と30連発を切り替えるスイッチが付いており装弾数を変更する事が可能、リアルカウントでゲームを楽しみたい人にとっては非常に便利な機能だ。
実射の感覚は、これまでの電動ガンとは全くの別物、実際構えてみると、各接続部がガッチリしているのでガタツキは皆無だ。
ストックの素材は程よい質感で、頬に当てても嫌な感じは無い、バッファーチューブ内のシュート&リコイルエンジンの動作も良好だ。
セミオートでの射撃では、一発撃つごとにガツン、ガツンと重い衝撃が肩に伝わり、心地よい反動を発生させている。
フルオートではダダダダッと連続した衝撃が体全体に響く感覚だ。
どちらの振動も不快感が無く、実銃の射撃に近い雰囲気を演出し、ボルトリリースボタンも完璧に作動していた。
セミオート、フルオートどちらで撃ち終ってもカチッとボタンが傾く、トリガーも同時にロックされるので、空撃ちも防げる。
新型のバッテリーは簡単に着脱可能で、非常に便利だ。
しかし収納するスペースが限定されている点を見ると、今後モデルアップされる銃のストックの形状が限定される可能性が高い。
総合評価としては、耐久面や性能面を比較しても、従来の電動ガンを遥かに凌いでいると言えるだろう。
実物サイズのレイルシステムを標準装備する事で、カスタマイズの幅も大きく拡張されている。
高い剛性を持ち、実銃同様の射撃動作をゲームでも楽しめる、まさに次世代の電動ガンだと言えるだろう。