お客さまよりご依頼頂きました商品につきましてカスタム対応をさせて頂きました。
・東京マルイ M4パトリオット HC スタンダード電動ガン
ご依頼内容は『初速調整、内部メカユニットの再整備、電気配線の高効率化、本体のバッテリー接続ミニコネクタをT型仕様へ変更、トリガーのショートストローク化、スイッチ焼け予防の為モーターへSBD搭載』でした。
今回、内部のオーバーホールメンテナンスと同時に各部カスタム対応をさせて頂きました。
東京マルイ M4パトリオット HC スタンダード電動ガン カスタム内容
カスタムご依頼内容
2)内部メカユニットの再整備:ギアノイズの低減
3)電気配線の高効率化
4)本体のバッテリー接続ミニコネクタをT型仕様へ変更
5)トリガーのショートストローク化
6)スイッチ焼け予防の為モーターへSBD搭載
カスタム製作のポイント
①メカボックス内部オーバーホールメンテナンス
②既存の電気配線を撤去、電導効率の高いテフロンコードへ交換、T型コネクタ取付け
③駆動系統の再整備【ギアシム調整・ベベルギア位置出し・モーターノイズ調整】
④スイッチをショートストロークタイプへ交換、トリガーの引きしろを加工・調整
⑤ピストン位置の最適化:AOE調整【立ち上がり動作の改善・耐久性能向上・内部負荷の低減】
⑥再組立て、グリスアップ、オイル注油、スイッチ接点グリス塗布
⑦スイッチ接点焼けを防止する為、モーターへSBDを搭載
⑧チャンバーパッキンゴムをカスタム品へ交換、初速調整:85~89m/s(0.2gBB)
⑨本体組み上げ:フロント周り配線整備・ヒューズ取付け
カスタム製作に使用したパーツ
■計:8点
・ORGA AIRSOFT テフロンコード 1.5m 高通電率 ¥1,200
https://repmart.jp/products/ra04729.html
・EAGLE FORCE ガンモーターコネクター ¥420
https://repmart.jp/products/ra10462.html
・EAGLE RACING T型コネクター ¥200
https://repmart.jp/products/eag603545.html
・STINGER ショートストロークスイッチ メカボックス Ver.2用 ¥2,600
https://repmart.jp/products/ra04506.html
・GAW 電動ガン用 SBD スタンダードパッケージ ¥820
https://repmart.jp/products/ra00921.html
・GAW アジャストスペーサー AOE調整用 ¥820
https://repmart.jp/products/ra04071.html
・宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット ¥1,080
https://repmart.jp/products/mi51705.html
・アングス スプリングスペーサー もりもりドーナツ 電動ガン用 5枚入り
https://repmart.jp/products/an28578.html
カスタム作業内容
1)本体分解、内部状態検査
《現在のフロント周り配線:バッテリー接続コネクタはミニコネクタ仕様》
《ロアレシーバー部》
《メカボックス》
《メカボックス内部》
《ギアのグリスが切れている》
《給排気パーツ類》
《グリス汚れはあるもののピストンの損傷無し》
《ハイサイクル専用ギア、破損無し》
《スイッチの接点端子損傷無し》
《分解部品検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
3)電導効率の高いテフロンコードへ交換、T型コネクタ取付け
《既存のメカボックス側電気配線》
《使用部品:ORGA AIRSOFT テフロンコード 1.5m 高通電率》
《使用部品:EAGLE FORCE ガンモーターコネクター》
《既存の配線撤去、スイッチへテフロンコードをハンダ付け》
《メカボックス側:電気配線の再製作完了》
《既存のフロント配線》
《使用部品:EAGLE RACING T型コネクター》
《ハンダ付け》
《フロント側:電気配線の製作完了》
4)ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
5)ベベルギア・モーターピニオン位置出し・モーターノイズ調整
6)スイッチをショートストロークタイプへ交換、トリガーの引きしろを加工・調整
《使用部品:STINGER ショートストロークスイッチ メカボックス Ver.2用》
《左:カスタムスイッチ 右:純正スイッチ》
《スイッチ端子を移植》
《スイッチ完成》
《メカボックスへ取付け》
《トリガーストロークの短縮加工:プラ製のブロックパーツを使用》
《トリガー後面に貼り付け》
《トリガーの引いた際のストロークを確認》
《セクターギアのみ取付けスイッチが正常にカットオフ出来るか検査》
《メカボックスを閉じた状態でセクターギアを回してスイッチのカットオフが出来ればOK》
《スイッチ接点の接触具合を確認》
《貼り付けた白色ブロックパーツ含めトリガーを黒色で塗装》
《ブロックパーツのサイズをカット、調整》
《トリガーストロークの短縮完了》
7)AOEアジャスター装着 ピストン位置の最適化(AOE調整)【立ち上がり動作の改善・耐久性能向上・内部負荷の低減】
《使用部品:GAW アジャストスペーサー AOE調整用》
《純正ピストンヘッド取り外し》
《アジャスターの取付けが出来る様加工》
《ピストンヘッド・アジャスター装着》
《ピストンユニット完成》
《セクターギアと接触する3番ラック部分を若干カット》
《AOE調整前:ピストンドライブ時負荷が斜めに掛かる状態》
《AOE調整後:セクターギアのピックアップ角度を90°へ調整、水平方向に負荷を逃がす事により駆動時の立ち上がり動作・耐久性を改善》
8)再組立て、グリスアップ、オイル注油、スイッチ接点グリス塗布
《メカボックス完成》
9)スイッチ接点焼けを防止する為、モーターへSBDを搭載
《使用部品:GAW 電動ガン用 SBD スタンダードパッケージ》
《端子ハンダ付け・圧着》
《モーターへSBD搭載》
10)チャンバーパッキンゴムをカスタム品へ交換、初速調整:85~89m/s(0.2gBB)
《インナーバレル・チャンバーユニット》
《チャンバーユニット分解》
《使用部品:宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット》
《マルイ突起形状を使用》
《メンテナンス・組み込み》
《ホップ突起形状のチェック》
《チャンバーユニット完成》
《最終的にピストン内部にスペーサーパーツを入れ初速を調整》
《使用部品:アングス スプリングスペーサー もりもりドーナツ 電動ガン用 5枚入り》
11)本体組み上げ:フロント周り配線整備・ヒューズ取付け
《ミニ平型ヒューズ(30A)取付け》
《配線接続》
《完成:フロント下側》
《完成:フロント側面》
■カスタム前後のトリガーストローク比較
《トリガーの初期位置》
《カスタム前:通常のトリガーストローク【奥まで引いて発射】》
《カスタム後:トリガーストロークが半分に短縮【浅く引くだけで発射可能に】》
■最終動作確認、約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器:X3200 MK3にて計測】
・カスタム前 ノンホップ時:82m/s(0.2gBB) 適正ホップ時:83m/s(0.2gBB) サイクル数:17.1発/秒
・カスタム後 ノンホップ時:86m/s(0.2gBB) 適正ホップ時:87m/s(0.2gBB) サイクル数:19.3発/秒
※約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整。0.2g弾で調整済み。
※7.4v 30Cリポバッテリーにて検査致しました。
修理・カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのは東京マルイ M4パトリオット HC スタンダード電動ガンでした。上記11項目の作業を実施しました。メカボックス内部のオーバーホール作業を実施、ギアシム調整・ベベルギアの位置出し等各部を再整備致しました。また、ピストン位置の最適化(AOE調整)を行い駆動時の内部負荷を低減、立ち上がり動作を改善し快適に動作出来る様駆動系統を再整備致しました。動作時のギアノイズが改善しています。
スイッチはショートストロークタイプへ交換を行いトリガーストローク加工・調整済み、既存の電気配線を全て撤去後電導効率の高いテフロンコードへ交換、30A平型ヒューズ取付け、バッテリー接続コネクタはT型コネクタ端子仕様となっています。グリスアップ、オイル注油、接点グリス塗布を行い再組み上げ済みです。また、セミオート多用時におけるスイッチ接点焼けを防止する為モーターへSBDを搭載致しました。
インナーバレル・チャンバーユニットにつきましても、分解・清掃・メンテナンス済み、気密性能を高める為チャンバーパッキンの交換を行いメインスプリング周りを調整しご指示頂いた初速85~89m/s(0.2gBB)の範囲内、適正ホップ時87m/s(0.2gBB)で調整致しました。セミ・フルオート発射動作問題御座いません。スイッチのショートストローク化によりトリガーストロークも短くなり速射が可能になりました。また、電気配線の高効率化と内部ユニットの整備によりレスポンス性能が向上、フルオート時のサイクル数も17→約20発へ改善しています。
東京マルイ M4パトリオット HC スタンダード電動ガンは軽量でコンパクト、またハイサイクル仕様の為セミオート重視でゲームにご使用されるユーザー様が多い商品になります。今回ゲームレギュレーションに合わせ初速89m/s以下(0.2gBB)にて各部をカスタム調整させて頂きました。トリガーショートストローク化及び電気配線交換カスタムにつきましては、基本的にメカボックス内部のオーバーホール作業が前提となります。お持ち込み頂いた時点で内部にメンテナンスが必要な場合が多い為です。また、トリガーショートストローク化に伴うスイッチの更なる保護として『FETデバイス』の取付けに関しましては、ご使用中の事故が懸念される為弊社では基本的に実施していません。お客様より取付けのご指示を頂いた場合のみ同時に施工させて頂く形になります。
弊社では電動ガン全般の修理・メンテナンス・カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。
ずっと以前からの構想なのですが、最近の傾向としてギアとモーターを使用しての、電動マシンガンばかりです。M4パトリオットはもっていますが、構造をみるにつけ、電気アクチュエーターの使用で、簡単な構造に変わると思います。車のワイパーや電磁バルブなど汎用性の高い製品ができております。制御回路は必要ですが、あれこれやるより、構造が簡単なうえ、産業用ロボットにはなくてはならないものです。カスタムするなら電気アクチュエーターを使った電動ガンを試作してほしいです。