今回のエアガンレビューは、東京マルイ スタンダード電動ガン M933コマンドのレビューです。
この銃はM16A1、アーマライト社 AR-15の特殊部隊用の派生モデルとして開発されました。
M16といえば、M4の元となったモデルであり、近代における米軍の隊員にとっては最早、相棒とも呼べるぐらいの銃です。
その為、アメリカ軍が活躍する映画には必ずと言っていいほど出てきますし、アメリカ国内でも民間モデルが数多く開発されるなど、コルトガバメントと並びアメリカを象徴する銃といえます。
日本では、映画でもしばしば目にすることがありますし、漫画「ゴルゴ13」の主人公デューク東郷の愛器として描かれるなど、ある意味では日本人にも馴染みの深い銃だといえます。
しかしM16の名前では知っていても、M605やAR-15と言われてすぐに分かる人は少ないと思います。
M933コマンドの開発経緯
これには色々なわけがあり、開発される経緯が関係しているのですが、少しわかりにくいので、まずは紹介する前に整理していこうと思います。
アメリカを代表するようなM16ですが、1965年頃、アーマライト社からAR-15の製造権をコルト社が買い取りました。
そこでコルト社は開発にあたりプロダクトナンバーを割り振ります、そうして割り振られたのがM6XXという600番代ナンバーです。
つまりM6XX系とM16は同じものであると考えても差し支えありません。
ちなみにM16はM605で、コルトが試験的にそれの銃身を切り詰め、M4等でもお馴染みの伸縮ストックを採用したのがM607であり、幾つかの試験使用を経てM4の様なコンパクトカービンと呼ばれる様な形の銃の先駆者である、XM177へと進化していきます。
その後、5.56NATO弾に対応したM16A2が開発され、それをベースに開発されたのがM7XX系のモデル。
M203グレネードランチャー等を使用できるように幾つかのアップデートを重ねる中、それらのモデルを縮小したカービンモデルが米軍から要求され、開発されたのがM4コマンドーでキャリングハンドルが固定式のものがM773、キャリングハンドルが着脱可能で着脱部分にレールを追加し、幾つかのカスタマイズをしたのが今回紹介するM933となります。
つまり今回紹介するM933は、M4の延長線上にあるM733からの派生モデルというわけです。
東京マルイ電動ガン、M933
さて、そんなM933を電動ガンで再現したのが東京マルイです。
この商品がどのようなポテンシャルを秘めているのか?でーたから読み解いてみたいと思います。
東京マルイのホームページによると、
- 全長 664mm/748mm
- 重量 2,650g
- 銃身 272mm
- 装弾数 68発
バッテリーはミニバッテリーとなります。
203グレネードランチャーを装着することを考え、制作されたM733をベースにして、さらに縮小を図ったモデルであるためノーマルのM4と比べ、M4系アサルトライフルとしては小さく感じると思います。
スペック上では大体100ミリ程度の縮小が図られており、実際ストックを折りたたんだ際に664mmと言うのは、少し大きめなサブマシンガン程度です。
実際、サイレンサーなどをつけてもM4より小さいという事は特筆すべき内容であり、持ち運んだり、実際にサバゲーなどで使用することを考えれば、注目すべき内容と言っても過言じゃないでしょう。
また、重量も軽く、おそらくバッテリーを入れても3キロ弱程度なのでは無いでしょうか?
剛性が気になるぐらい軽い感じですが、ネットなどを見ても「M16の様に真ん中からボッキリ逝った」なんて話を聞くことは無いので、剛性は思ったより有るのかもしれません。
銃身が272mmと少し短い気がしますが、これほど短いモデルでアレば十分であり、室内利用などが想定され制作されたこのモデルでは、まったく問題がない長さだといえるでしょう。
また、それに伴い、ハンドガードが縮小され、ミニバッテリーを入れるにはきつく、入れれないことは無いですが、おとなしくミニSを買ったほうが良いかもしれません。
ここらへんはニッカド電池ユーザーには辛いかもしれませんが、このサイズを考えれば納得できるかと思います。
ここまでデータ上で語ってきましたが、この商品にはデータでは絶対に語ることのできないことがあります。
まぁ、写真を見てしまえば一目瞭然ですが、それはレシーバーやストックがタンカラーであるということです。
近年、主な戦場が中東に移り特殊部隊が使用することを想定され作られ、ゲームや映画、ニュースなどでもタンカラー使用の物が増えて居る為、ノーマルのM4をタンカラーに塗装する人も多いと思います。
次世代電動などでは、タンカラーに塗装されたモデルが幾つかありますが、ノーマル電動で純正タンカラーモデルはこのM933のみで、近代モデルが好きな人はそれだけでも買う価値が有ると言ってもいいでしょう。
ノーマル電動ではマルイ初のタンカラーでありますが、塗装の方もシッカリとしています。
そこら辺はやはり最大手のマルイであるといえるでしょう、ABS樹脂といえど見ていても科不足ありません。
むしろ今までのものよりタンカラー自体艶がない為、リアルになった言っても過言じゃないかもしれません。
さらに、M4と同様にキャリングハンドルも着脱が可能です。
もちろん、先発商品であるノーマルのM4カービンにも搭載されているギミックですし、今更驚くべきことでもありませんが、同じぐらいのサイズを求め、M733を購入してキャリングハンドルが外れないことに辟易していたユーザーにとってこれは嬉しい点といえるでしょう。
実際、僕も昔M733を使っていた時期がありましたが、アタッチメントが装着できず泣く泣くM4カービンに乗り換えた覚えがありますので、これはある意味で特筆できると思います。
M4と同じといえば、M4に付いているチャージングハンドルを引くと排莢パーツがパカっとあき、ホップアップ変更チャンバーが見えるシステムも健在です。
総評
さて、ここまで見てきたので総評してみたいと思います。
ノーマル電動ガンはノーマルのM4カービンをを始めとしてナイツや、S-SYSTEM、733、PMC。
更にM16系も含めると多くの商品があります。
最早過剰ともえいるラインナップな上に、その上、社外製コンバーションキットなども数多く存在する東京マルイとしては、一つの製品というより、一つの選択肢的な見方になりがちなこの商品ですが、それでも買う価値は有ると思います。
スタンダード電動ガンの中で唯一のタンカラーであることや、その他のM4に比べ後発商品であるため色々な改善点があり、今までかゆいところに手が届かないという状態だった物が数多く改善されていると言っても過言じゃないでしょう。
次世代などで小型モデルが数多く出る中、スタンダード電動でM733クラスの小型モデルが欲しかったユーザーとしてはまさにドンピシャの製品であり、それ以外の人にとっても選択肢の一つとして考慮にいれることが十分可能です。
また、タンカラーであるがゆえに、リアルティも増していますし見応えもあります。
実銃の933も長らく開発が重ねられ、数々の改良が加えられてきましたが、東京マルイの933も今までのノウハウが蓄積され、完成度が高い商品です。
次世代等が台頭してきた今でも十分一線で戦える商品であり、買う価値は十分にあり商品だと思います。