私が今回レビューするのは、東京マルイ次世代電動ガン LECCE RIFLEだ。
LECCE RIFLEは、NSWC-Crane(アメリカ海軍海上戦闘センター)と、アメリカ海軍特殊部隊SEALsとの共同開発によって誕生した。
SEALsに正式採用されていた、Mk12 SPRの発展型であり、狙撃や市街地戦といった様々な状況下での使用を前提とした、タフなモデルになっている。
東京マルイからは実銃のカスタム例を参考にブラックと、現在では生産が中止されているが、フラットダークアースの二色がモデルアップされている。
レシーバーは、アッパー、ロア共にアルミダイキャスト製、軽量でありながら高い剛性を有し、ハンドガードのマッドブラックに対し、ややグレー調のブラックになっている。
構造はM4A1のスタンダードなタイプで、SOPMOD M4やSOCOMカービンと同型になっおり、レシーバーのトップレイルはハンドガードのトップレイルと連続になっているので、大型の光学機器の搭載も容易だ。
レシーバー右側には、セレクターインジケーターとマガジンキャッチボタンが配置されている。
セレクターインジケーターはダミーになっているので可動はしない、細かい部分だが今後の改善に期待だ。
レシーバー左側には、セレクターと、ボルトリリースボタンを配置されている。
セレクターはスムーズに可動し、各ポジションでしっかり停止する。
実銃同様、リアル可動するボルトリリースボタンは、マガジンが空になるとカチッと軽快な音を立て傾く。
ハンドガードは、カスタムパーツメーカーであるマッドブル社経由でダニエル・ディフェンス社の正式承認を得た、10インチライトレイルが装備されている。
このハンドガードがLECCE RIFLE最大の特徴と言えるだろう。
CNC切削加工によって実物を完全再現したライトレイルは、非常に軽量で指で軽く叩いてみると、カンッ、カンッと高めの音が心地よく響く。
実際握ってみると軽い、細いというのが第一印象だ。
このライトレイルは、アウターバレルに干渉する事無く、固定が可能なフリーフロートタイプになっている。
このフリーフロートタイプの利点は、レイルにタクティカルオプションを装着した時に発生する重量変化や、構えた時に生じる僅かな衝撃がバレルに影響を与えないので高い命中精度を維持する事が出来る点にある。
正式なライセンスを習得しているのでレーザー刻印も完璧に再現されている。
このハンドガードの残念な部分が分解方法にある。
本来ハンドガードをレシーバーに固定しているはずの6本のボルトは全てダミーになっている。
このボルト自体を外すことは可能だが、これを外してもハンドガードを外す事は出来ない。
レイル自体が非常に特殊な方法で固定されており、通常ならハンドガードが上下に2分割出来るが、LECCE RIFLEの場合は、それが出来ない。
ハンドガードを取り外すためには、ハンドガードを固定しているバレルナットを回す必要がある。
そのためには、バレル側から特殊な工具を用いる必要がある。
どの様な構造になっているのか気になったので、確認のため取り外しを試みたが、手持ちの工具ではどうにもならないので早々に諦めた。
簡単に取り外しが出来ないのは、他のモデルへの転用を回避し、パーツの転売を防ぐ意味合いが強いのだろう。
サイトはフロントサイト、リアサイト共に付属しておらず、ユーザーが任意で用意する必要がある。
これはスコープやダットサイトを装着する事を前提にしているためだ。
実際のゲームシーンにおいて私はほとんど使用しないし、スコープなどの光学機器を装着すると不要にも思えるが、付けておくだけで見栄えが格段に向上するから不思議だ。
雰囲気作りのためにもせめてリアには、フリップアップ式のエマージェンシーサイトを付属して欲しかった。
アウターバレルはHK416Dなどと同じく、アウターバレルチェンジ方式が採用されている。
丁度ガスブロック部分からがエクステンションバレルになっており、取り外しが可能になっている。
フラッシュハイダーは先が3つに割れた独特の形状をしている。
次世代電動ガンシリーズでは初のモデルだ。
アルミ削り出しなので非常に軽く、エッジも鋭い。
アウターバレルは、ノーマルの状態だと16インチ。
SOPMOD M4よりもやや長くなっている程度だが、銃全体の印象がスマートなので、単独で見ると実際の長さよりも長いように感じる。
エクステンションバレルを外しガスブロック根元に直接フラッシュハイダーを取り付けると、12インチ仕様になり、約10cm分短縮する事が出来る。
ガスブロック部分に直接、フラッシュハイダーが装着される形になるので、欲を言えば1インチ程の余白が欲しかったところだ。
グリップは、M4A1の標準的なモデルが装備されている。
電動ガンでは、モーターを収納する関係上、どうしても実銃パーツよりも分厚くなってしまう。
実銃パーツを実際握ってみるとその差は歴然だ。
特殊なレイルに合わせ、グリップもカスタムモデルを装備して欲しいところだった。
ストックはSOPMOD M4に使用されているクレーンタイプのストックが装備されている。
東京マルイの次世代電動ガンM4シリーズではもはやお馴染のストックだ。
やや厚みがあるがコンパクトで、ゲームでの取り回しもスムーズに行える。
ストックは6段階に伸縮可能で、自分の体格に合わせたポジショニングが可能だ。
ストック内部にはバッテリーを収納するスペースがあり、SOPMOD M4用に開発された二股のオリジナルバッテリーを使用する。
配線処理が不要で、ワンタッチで着脱が出来るのが特徴だ。
バットプレートを外すとヒューズとコネクタが露わになり、そこにバッテリーを差し込むだけの簡単作業だ。
しかし、ストックの種類が限定されるため拡張性が限定されるのが難点だ。
マガジンは次世代電動ガン用に開発された物を使用する。
次世代電動ガンHKシリーズにも使用可能だが、カラーはHK用がブラックに対しM4用はグレーと異なっている。
実銃と同じく、スチールプレス製、サイズもリアルサイズだ。
このマガジンの内部には82発と30発を切り替える隠し機能が存在する。
実射の感覚は、素晴らしいの一言に尽きる。
これまでリリースされてきた次世代電動ガンM4シリーズの中でも一番の撃ちやすさを味わう事が出来る。
まず、構えた時の軽さに驚かされる。
ダニエル・ディフェンスのライトレイルは、ナイツタイプのハンドガードに比べ長くなっているが、非常に軽量なアルミ素材なので、重量変化はそれほど感じなかった。
また、ストック内部にバッテリーが入っているので、全体のバランスが良く素早くポジショニングが出来る。
強度面もシリーズ随一のレベルを感じさせてくれる。
ハンドガードとレシーバーの噛み合わせは、スタンダードなモデルよりも一体感があり全体がガッチリしている。
根本だけを固定する独特の固定方法のハンドガードは、グラつきが心配だったがしっかりと固定されておりタクティカルオプションを載せても負荷を感じさせない。
2WAYのアウターバレルはインナーバレルの加工や、分解の手間をかけずに気軽に外装をチェンジ出来る優れものだ。
エクステンションバレルやハイダーはキツく締めすぎると取り外しが困難になってしまうので注意が必要だ。
対策としては、ゴム製のOリングを用意し、バレルのネジ部に付けておくと簡単に取り外しが出来る。
16インチ仕様では、スナイパーの雰囲気を堪能出来る。
トップレイルをいっぱいに使うロングタイプのスコープが良く似合う。
更にバイポッドを装着するのもイイかもしれない。
12インチ仕様では銃の雰囲気が一変する。
こちらはシューターといった雰囲気、小型のダットサイトやスコープが最適だ。
フラッシュハイダーを外しサイレンサーを付けても似合うだろう。
LECCE RIFLEは外見から性能に至るまで完璧と言えるポテンシャルを秘めた電動ガンだ。
ゲームの使用では、重さを感じさせず心強い味方になってくれるし、バレルに合わせて装着する光学器の種類を変えられる楽しさもある。
次世代電動ガンM4シリーズの中では最も高価なものだが、ダニエル・ディフェンスのライトレイルを一度手にしてしまうと、絶対コレクションに加えたくなってしまう一品だ。