今回のエアガンレビューは、東京マルイ製ガスガン、グロック17のレビューです。
この銃はオーストリアの銃器メーカーグロック社が開発した、フレーム全体がプラスチックポリマー製で作られた銃である、オーストリア軍制式採用の拳銃、Pi80を民間モデルにしたものです。
グロックといえば、フレームがプラスチックポリマー製で作られた、トリガーを排した、近代的なフォルムの銃を作るメーカーで有名です。
その角ばっているが、それでいてどこか近未来的なものを感じる洗礼されたデザインは、ここ数年のうちに開発されたかのような印象を受けますが、実はこの銃が開発されたのは1980年頃で、Pi80としオーストリア軍に採用されたのが1983年だといいます。
そして、その開発経緯も特殊だといえます。
というのも、そもそもグロックは銃器関連部品、スリングやパーツなどをを卸していたメーカーであったそうですが、1980年にオーストリア軍が始めたトライアルを受け、社長であるグロック氏が長年暖めていたアイディアを落としこむ形で開発されたそうです。
それ故、従来の拳銃にはなかったトリガーを廃した革新的な機構、そしてプラスチックフレームという革新的なアイディアが生まれたといいます。
更に、もともと銃器メーカーでなかったグロック社が欧州の有名メーカーを差し置いて、オーストリア軍に制式採用された時は、様々な銃器メーカーが度肝を抜いたそうです。
そんなグロック17は後に銃器製造に大きな影響を与え、近年の銃器開発に様々な影響を与えているといいます。
また、これは執筆時に知った話ですがなんと有名メーカーがこぞってこの機構やプラスチックフレームを真似たために、グロックが有名メーカーを訴訟する自体も起きたとか・・・。
そんな革新的な拳銃であるグロック17は、アメリカにおいて爆発的な人気を博し、ものすごい販売業績を立てたと言います。
その影響で民間の人にも身近に有るためか?
ハリウッド映画を始めとした様々な映画等でその姿が見られ、特に最近の映画をよく見る人であれば、一度は目にしたことがある拳銃と言えるでしょう。
そんな革新的な技術とデザインで一躍有名になったグロック17を、エアガンとしてモデルアップしたのが東京マルイです。
ちなみに余談ですが、グロック社で一番初めに開発されたのが、このグロック17だそうですが。
東京マルイではグロック26が最初で、グロック17が出たのはグロック26が出てから6年後で、当時は待望のモデルだったそうです。
そんなグロック17を今回レビューをしていこうと思います。
まずはカタログスペックから見ていきましょう。
東京マルイのホームページによると
- 全長は201mm
- 重量は703g
- 銃身は97mm
- 装弾数は25+1発
とあります。
スペックから見えること
このスペックを見ているとまず感じると思われるのが、銃身が他の銃に比べ短いのでは?ということです。
というのも、東京マルイで他の銃と比べると、この100mmを下回るグロックを短く感じると思います。
しかし、グロック17はダブルカラム弾倉を実装しているが故に、フォルムが厚く大きく見えますが実は200mm程度で、他の銃に比べ少し小さいといえます。
その為、他のベレッタM9やコルトガバメント1911A1は、210mm程度に比べると短く感じますが、10mmほど短くなっていることを考えると、別段気になるということではないでしょう。
むしろ、ハンマーを廃したモデルである、グロック17をこの銃身で再現したことを考えれば、これは十分な長さだといえます。
ちなみにハンマーを廃したモデルであり、実銃ではトリガーの部分がセーフティー的役割をしていますが、東京マルイのグロックのセーフティーはというとアンダーレールの下にある実銃ではシリアルナンバー等が刻まれる場所がセーフティーとなります。
実は僕が初めてグロックに触れたのは近所の中古屋でグロック17を見つけ購入したのが初めてですが、その中古グロックには説明書がなく、スライドのしたのフレーム、シリアルナンバー部分がセーフティーになっている、ということを理解するまで数分かかりました。
全長は201mmと拳銃の中では比較的小型な部類に分類されると思います。
また重量は、703gと重くもなく、軽くもなく、扱い易いぐらいの重量に収まっています。
グロックが特殊な形状だからと言って、数値が変動したりすることはないようです。
むしろ実銃がダブルカラム式弾倉を採用しているためか、シングルカラム式弾倉の1911A1などに比べ、装弾数などは多いといえます。
さて、一通りスペックから見ていきましたが、比較的平均的で扱いやすそに見え、悪く言えば特に特筆すべき事がなさそうなこのグロック17ですが、特筆すべきことが幾つかあります。
まず一つは、この銃はデフォルトでレールが付いているということです。
実銃では特殊部隊などだけでなく、民間でもフラッシュライト等の使用を見込んで付けられているそうですが、エアガン用品といえ、アンダーレールは買うと意外に高いので、これはありがたいです。
さらにナイトサイトがついてくることも嬉しい点です。
というのも普通に使う分には問題無いですが、夜間や少し薄暗いところで使う際、フロントサイトやリアサイトに何もされていないものだと、多少狙いにくいことがあります。
そういう事を考え、ユーザーが自由に付け替えが出来るこの東京マルイの配慮は実にありがたい言えます。
動作について
さて、使用感に関してはどうなのでしょうか?
動作に関してもキレの良いブローバックで、プラスチックでちゃちということもありません。
確かに銃全体が重いデザートイーグルや、フレームが重い他の1911A1等と比べると軽いブローバックになっていますが、それでもキレの良い素早いバシッとした感覚でもっさりした感覚では無い、ということを明記しておきます。
そして以外に気になると思われるセーフティー、俗にトリガーセーフティーと呼ばれるトリガー周りですが、初期使用時にはトリガーの深さにコルトガバメント系のエアガンを使用していたユーザーなどは多少の違和感を感じると思いますが、すぐに慣れると思いますし、その他のモデルを使っていた人はすんなり移動できると思います。
動作面でもユーザーの使用感に立って考える、グロックの精神が出ていると言えるでしょう。
グロック17の外観について
また、ユーザーに優しいグロック17ですが外見はどうなのでしょうか?
これは当然のような話ですが、実銃がプラスチック製である為、リアルに見えます。
ですが、それはパット見で多少のツヤなどが有るため、じっくり見ればエアガンだなと把握もできます。
しかし、外見に少しプラスチック感が目立つとはいえ、刻印などもしっかりされているので適当に作っているというわけでないようです。
おそらく実銃がプラスチック製なので、防犯上の理由といったところでしょうか?
個人的な考えを言えば、少し汚しを入れたりすれば結構リアルになるとは思います。
トイガンとしての最低限の外見を備えつつ、安全性にも配慮しているのだと思います。
総評
さて、ここまで見てきて総評をしたいと思います。
このグロック17は一言で言えば、完成度の高いエアガンだといえます。
というのも、もともと作るのが難しであろう、特殊機構をエアガンに落とし込んだだけでも素晴らしいのですが、それでいて他の銃の性能と比較しても、スペックデータは同等であるのは、すごいことだと思います。
また、防犯と模型としての完成度も両立しており、チープでもなく、犯罪利用をされないか心配になるほどリアルでもない作りは、賞賛に値すると思います。
そういう意味では完成度がとても高く、家で愛でるも、サバゲーに持っていくも、十分にこなせる優秀なモデルだといえるでしょう。