AK47といえば東側陣営の銃として知られており、ロシア、ソ連の銃として古い映画等ではもちろん、最近でもテロリストの銃としてもしばしば目にします。
また、ありとあらゆる紛争地帯で使われている銃のためニュースでもしばしばカメラに映り込んだり、某カルト宗教団体が模造品を製造しようとした為、銃器に詳しくない人でも、形を見たりすれば「ああ、アレね」ぐらいには知られている銃かと思います。
AK47は1949年にソ連に正式採用されて以来、堅牢、簡単な構造、信頼性の高さ、などからほとんど形を変えること無く生産されており、あの共産圏的な機能美にあふれるフォルムは一度見たら忘れられないのではないでしょうか。
1995年発売のAK47
東京マルイが1995年に発売して暫くの間、AKで電動といえばAK47のスタンダードストック、AK47Sというストックが折りたためるタイプか、小形のβスペツナズの三種類しかありませんでした。
最近では次世代電動やハイサイクルなどでいろいろなモデルが発売されたお陰で、サバゲーに行くといろいろなAKを見ることができます。
次世代電動ガンが発売されるまで、AK74系とかAKMなどのマイナーなモデルが欲しくなったら、コンバージョンキットを使ったり、気合で自作したものです。
私の思い出話はさておき、今回は様々なAKのベースとも言える普通のAK47を紹介します。
ほぼ同じ商品のAK47Sとの違いは、ストックが折りたたみ可能かどうかと、使用するバッテリーの種類です。(AK47はストックの中にラージバッテリーをいれますが、AK47Sはアッパーレシーバーの中にAKバッテリーを入れます)
快適な軽い重量
それではまずスペックから見ていこうと思います。
全長は870mm
重さは3,030g(バッテリー含み)
銃身長(バレル長)は455mm
装弾数はノーマルマガジンで70発、多弾倉マガジンで600発、ノーマル純正品の中では多い方に入ります。
バッテリーはラージを使用、ホームページやカタログには乗っていませんがメカボックスはver.3でモーターはEG700、このスペックを見ると、さすがAKだけあって扱いやすいスペックに収まっていると思います。
長さは最近のアサルトライフルを基準に考えると870mmという長さは少し長いように感じるかもしれませんが、AKの設計は1947年であることや(ちなみに主力小銃となったのは1949年)、AK47の製造の元となったナチスドイツのSTG44が1000mm近くの長さがあることを考えるとこの長さは納得でしょう。
恐らく当時は画期的だったと思います。
室内の取り回しを考えると長いですが、恐らくマルイもそのことを考えてAK47Sを発売したのだと考えられます。
個人的には、構えた際の安定性はやはりこちらの方が上ですし、何より機能美を備えたAK47の美しいフォルムあってこそなので、多少長いといえどAKへの愛があれば問題ないでしょう。(笑)
そして重さですが、ラージバッテリーを積んでも3000g弱と言うのは特筆出来る軽さで、扱いやすい重さどころか快適と言ってもいいでしょう。
この軽さは、ストックや、ハンドガード等がメタルフレームで無いからこそ実現できる軽さなのですが、メタルフレームでないからといって、剛性に問題がある訳ではありません。
自分の学生時代「10年ほど前にAK好きな先輩が部室に置き土産として置いていって、代々受け継がれていた」とかいう、ホントか嘘かわからないような年季の入ったAKを使ったことがありますが、長年メンテ無しで使用された為に、メカボが多少ヘタっているせいか、サイクルが遅くなっている以外は問題なく使えました。
メタルフレームでない故に起こる剛性の脆弱さを心配する人がたまにいますが、10年ぐらい経ったものでも問題なく使えるぐらいの最低限の剛性は持っているということです。
経験上、問題なかったのですが、見た目的には多少物足りなさを感じるかもしれません、しかしサバゲーでの使用を考えた時、この軽さは非常に有利に働きます。
長いバレル
そして次に注目したいのがバレルの長さで、バレル長が450mm近くあります。
バレルが長いことで有名なM16やM14に及ばないにしても、このバレル長はアサルトライフルとしては長い部類に入ります。
やはり、バレルが長いと弾道は安定しますし、何よりホップアップの調整等がうまくいけば、思い通りの場所へとバラけずにスーッと飛んで行きます。
AKのコンセプト的に弾がバラけないのも変な話ですが、マルイのAKは比較的素直な弾道を描いてくれると自分は思いますし、この軽さと弾道の素直さはサバゲー向きとだと思います。
更に使用する電源がラージバッテリーという点もサバゲー向きです。
最近、小型化したことによってミニバッテリーなどを使うモデルが増えていますが、一日持たせるためにバッテリーを2本持って行かなくてはいけません。
ラージバッテリーならそんな必要も無いので、東京マルイのAKは初心者から上級者まで非常に汎用性の高い、サバゲー向きなスペックになっていると思います。
ただ、このサバゲー向きな仕様のお陰で、やはり外見は後発のものに劣ります。
94年の発売からもう20年近く経つモデルですので仕方ないのですが、自室でぼんやりと眺めていたりすると、やはり鉄製のリアルなAKも欲しくなるものです。
カスタムできる楽しみ
その為か見た目を良くしようとする人向けに、冒頭でも少し書きましたが、カスタムパーツやコンバージョンキットなどが大量に売られています。
自分がサバゲーを始めた頃はコンバージョンキットはうろ覚えですが・・、確か10万近くしたと思います。
桁を間違えて覚えてるんじゃないのかと思われそうですが、現在調べても3万以上することから、恐らく10万近くはしていたでしょう。
それでも当時のエアガンの総合カタログには結構な数のコンバージョンキットが掲載され、中にはドラグノフ風のストックや、ハンドガードなども普通に掲載されていたことを考えるに、あのAKをカスタムしようとした人は、足元を見たとしか思えないあの価格でも、実は結構な人数購入したのでは?と自分は思っています。
今ではAK74は次世代で出たことに加え、中華製エアガンのラインナップが増えたことが影響したのか、コンバージョンキット等も3万円前後で手に入れることが可能です。
「東京マルイのAK47」のレビューで外装をまるっと変えるコンバージョンキットを紹介するのはどうなのよ、と自分でも思いましたが、カスタマイズはエアガンの醍醐味の一つであると思っています。
昔はお金に余裕のある人しか出来なかった物が、ちょっと手を伸ばせば学生ぐらいでも手の届く値段になったのは紹介する価値があるのではと思ったわけです。
販売開始から20年近くたち、次世代電動やハイサイクルに新しいAKのラインナップが並び、多少押され気味な気がするこの東京マルイのAK47ですが、それでも今でも十分通用するスペックをもっており、日本人の体格にもしっくり来ると言われるAK47はM4等と並び、サバゲー初心者にオススメが出来るエアガンです。
更に、人とちょっと違うものが欲しいという上級者にはカスタムベースとしてもオススメできます。
20年以上たっても箱出しで戦える上に、カスタムベースにして自分色に染め上げることも出来るこのAK47は、実銃同様、汎用性がものすごく高く、発売から結構な年月がたった今でも埋もれること無く、多くの販売店で販売されているのは、このエアガンが非常に高いポテンシャルを持っている証拠と言っても過言でないでしょう。