皆さん、トイガンは何に使われていますか?
トイガンと言っても、ライフル、ショットガン、サブマシンガン、Personal Defense Weaponやハンドガン等色々あり、それぞれのトイガンは、モデルガンであったり、エアガンであったりします。
モデルガンでリアルなアクションを楽しんだり、エアガンをカスタムして手に取ってニヤニヤすることもできますし、またその真逆も可でしょう。本当にトイガンの楽しみ方はエンドレスです。
最近はフィールドも増えて来た為か、サバイバルゲーム(サバゲー)人口が増加している気がしますし、毎年色々なコンペティションが開催されています。
サバゲーに参加したい!コンペティションに出て、いい成績をとりたい!そう思われる方にとって、どのトイガン(エアガン)を選ぶかは、仕事の道具選び並みに慎重になります。
道具選びも楽しみの一つ、私はトイガンに対する愛着はウン十年も続いているつもりですが、サバゲーもコンペティションも経験は浅いです。
なんとかタクティクスや基礎的な動きをしっかり身につけたいですが、やはり道具に助けられている部分が大きいです。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介したいのは、KSCの米国、STI社のEntry A1というガスガンです。
購入に至った理由は、そのかっこよさに一目惚れしたからで、最近コンペティションで実際使う様になったにつれ、その実用性に気づきました。
ぱっと見は1911系で、実銃はマガジンがダブルカラムになっており、総弾数が.45ACP弾14+1発、皆様色々ご意見をお持ちでしょうが、1911系は大きく二つの魅力があると感じています。
一つは、1911系は大抵総弾数7発のマガジンですが、総弾数が少ない分、大口径を握りやすい薄いグリップに収めている事です。
もう一つは、1911系のトリガーの引きやすさです。この二つの要因が、1911A1が開発されて百年以上経っても、その人気が絶えない理由かもしれません。
ストッピング・パワーが高い.45ACP弾を、引きやすいトリガーで精度よく的に当てる1911系は、やはり軍・法執行機関からコンペティターまで、幅広く愛されている事は間違いないでしょう。
ただし、1911系にはそれなりの「課題」があります。大きな課題の一つはやはり総弾数が少ない事でしょう。
サバゲー(軍・法執行機関では銃撃戦)やコンペティションでは、リロードに必要な時間が秒単位で貴重になります。また、一つのマガジンの総弾数が少なければ、持ち歩くマガジン数も増え、かさばるし重くなります。やはり、一つのマガジンに、十数発の弾丸が欲しいもの。
そこで、1911系で初めてダブルカラム・マガジンを出したのは、(当時)カナダのPara-Ordnance社だと言われています。
STI社も同様、1911系でダブルカラム・マガジンを採用し、その製品の主なものは、コンペティション向け(通称2011系)です。
STI社は独自のグリップとシャーシ一体型構造を採用し、ダブルカラム・マガジンでも握りやすいグリップとなっています。
KSCのSTIのラインナップには、STI社と契約を結び、STI社の本物のグリップを使用している様で、私の手は決して大きくなく、平均的な日本人の手の大きさだと思いますが、アメリカ人向け(?)に作られたグリップでも、厚いなぁ、とは感じません。
クリス・コスタ氏、トラビス・ヘイリー氏らが提唱するアイソセリス・スタンスが違和感なくできるグリップや、セーフティがありがたいです。
トリガー・プルも、何もいじる事なく使用でき、気持ちいいほどカチン、ときれいにブレイクします。
その他、サイトはHeineタイプで、どちらかと言えばタクティカルなサイトですが、サイト・アラインメントは素早くできます。
スライドは後方と前方ともにセレーションがあり、やはりその設計のルーツに、タクティカル用途があるのは忘れられていません。
そして、もちろんスライドの下、トリガー・ガード前に、ピカティニー・レイルがあり、ライトなど装着可能です。
そして、Entry A1でもっとも特徴的であり、個人的にもっともグッとくるのは、コンペンセイターです。
もちろん、エアガンなのでコンペとしては機能しません。重心が前方よりになるのでは、と気になる方もいるかもしれませんが、個人的には重心のバランスが悪いと感じた事はないです。
そして、コンペ付きでも、長さが抑えてあり、決してホルスターからのドローの際に引っかかる、などの問題はありません。
ではコンペがあって、かっこよさ以外に何が良いのかと言えば、インナーバレルがコンペに固定されており、コンペがシャーシに固定されているので、インナーバレルが実質的に二点で固定されている事になります。
これで、リコイルする際、エアガンとしての精度向上に大きく貢献しています。ただし、コンペはいいことばかりではありません。
コンペが固定されている為、通常分解がツールなしではできません(レンチが必要です)。
フィールド・ストリップする必要があるとき、何かとツールなしの通常分解ができる事は安心ですが、エアガンなので、フィールド・ストリップする必要がある事はあまりないかも知れませんね(相当汚れてしまったら必要かもしれません…)。
あとは、KSC製品共通のクオリティの良さ(パーティング・ラインは見えませんし、「KSC」などの刻印は見つけるのが楽しいほどうまく隠してあります)、ホップの調整しやすさ(専用の道具は必要ですが)、安定動作は勿論文句なしです。
さて、実際のサバゲーやコンペティションでの使用感ですが・・・、ここまで書いて拍子抜けですが、実はEntry A1はまだサバゲーでは使用していません。名前の「Entry」とはルーム・エントリー(突入)を指します。
レイルにライトをつけ、暗い中で正確に索敵し、敵を倒すまで撃ちまくる。これは、インドアのサバゲーにピッタリな銃と言えますので、今度、インドア・サバゲーで早速試したいと思います。
コンペティションの方は、3gunマッチに参加させて頂いた時に使用しました。
3gunマッチでは、的から的へ走り、ショットガン、ライフル、とハンドガンを使い、ルールに従って息が切れるほど撃って撃って撃ちまくる、サバゲーの要素が多いとも言えるコンペティションに使用しました。
米国での3gunマッチでは1911系がよく使われている様ですが、その精度のよさはEntry A1にも引き継がれている感じで、マガジンは、リアル・カウントの弾数とのルールなので、ダブルカラム・マガジンでリロードの時間が少しでも稼げて助かります。
この3gunマッチに参加させて頂きましたが、マッチでEntry A1を試してみました。マッチで優勝はしませんでしたが、ハンドガンで狙う全ての的の中央に着弾できたのは、Entry A1のお陰だと信じています。
今後しばらくは、コンペティション、特に3gunマッチは、Entry A1で行こうと決心しました。
インドアのサバゲーでは、ポイント・マンが最も撃たれやすいでしょうが、そこは戦士として勇ましく突入を先導するのがウォリアーでしょう。
その時に、弾切れを心配せずに、リロードを心配せずに撃ちまくれるEntry A1があれば、勇気も自然とわいてきます(きっと)。
最後に説得力が欠けた内容になったかもしれませんが、Entry A1に少しでも興味を持って頂いた方がいたら、是非手に取ってみて頂きたい銃です。
好みが別れる銃と言えばそれまでですが、サバゲー、コンペティションどちらにもオススメなので、きっとご自分のコレクションに欠かせない一品になると思います。