私が今回レビューするのは、東京マルイ次世代電動ガンHK416D DEVGRUカスタムである。
HK416Dはドイツの銃器メーカーである「ヘッケラー&コッホ社」がアメリカ軍の依頼を受けて、M4カービンを強化、改修したアサルトライフルだ。
運用形態や時期によって使用されるグリップやストックに違いが見られ、抜群の剛性を誇り、整備のし易さなどの利点から各国の特殊部隊が運用している信頼性の高いモデルだ。
2011年に行われたビンラディン襲撃作戦に投入されたのはもはや有名な話だ。
次世代電動ガンHK416D DEVGRUカスタム
次世代電動ガンHK416D DEVGRUカスタムはアメリカ海軍特殊部隊「Navy SEALs」から独立した対テロ特殊部隊「DEVGRU」が使用しているカスタムモデルを再現したものだ。
化粧箱はブラックにゴールドの文字が映えるデザインになっており、カスタマイズされたHK416Dのイメージがプリントされているので、一気に特殊感が増している。
パッケージの大きさは通常のKH416Dとほぼ同じ大きさ、中はデザートカラーになっており、マッドブラックの本体が際立っている。
DEVGRUカスタムには、サイレンサーとバーティカルフォアグリップが標準装備されている。
電動ガン本体以外に、オプションパーツが最初から箱の中に入っているのはとても新鮮だ。
本体はアルミダイキャスト製で、軽量ながら抜群の剛性を有している。
本体色はノーマルのHK416D同様マッドブラックになっており、アルマイト仕上げの塗装は色ムラもなく非常に美しい。
チャージングハンドルはHK416シリーズ共通のロングタイプになっており、実銃のものを忠実に再現している。
レシーバー左側にはリアル可動するボルトリリースボタンがある。
次世代電動ガンでは、マガジン内の弾が無くなるとボルトが後退したまま駆動が停止する実銃同様の動作が再現されている。
よってボルトリリースボタンもダミーではなく、重要な駆動パーツとして機能し、HK社のロゴは綺麗なレーザー刻印で再現されている。
どの部分も色ムラや剥げが無く綺麗に仕上げられ、レシーバー右側もノーマルのHK416Dと同様の作りになっている。
やはり、マガジンハウジング部分のヘッケラー&コッホ社の社名と「MADE IN GERMANY」の刻印は無い。
ボルトキャリアはノーマルのHK416D同様に焼鉄色で仕上げられているが、個体差があるのだろうか、DEVGRUカスタムでは艶が増しているように感じた。
ハンドガードはノーマルHK416Dと同じものが装備され、レシーバーにガッチリと固定されているのでガタツキも皆無だ。
ハンドガードを固定しているネジはHK416シリーズ共通で、特殊な形状をしている。
HK416D同様に専用工具などは付属しておらず、是非改善して欲しいポイントだった。
付属のバーティカルフォアグリップはTANGO DOWNタイプになっており、カラーは艶消しのブラックになっている。
底部のパーツを捻る事で本体に固定する構造になっている。
また側面のカバーは着脱が可能で、フラッシュライトのリモートスイッチを収納出来る。
リモートスイッチのコードを導く溝もキッチリ掘られているのでコードが手に引っ掛かることなくグリップの保持が出来る。
余談だが、普段使用している海外製品のフォアグリップはバリや色ムラが多く、レイルにフィットしないものも多い。
海外レプリカはお世辞にも品質が良いとは言えないが、DEVGRUカスタムに付属しているものは取り付けもスムーズでさすがの出来栄えだ。
ストックは大型のHKタイプではなく、次世代電動ガンSOPMOD M4にも採用されているクレーンタイプのストックになっている。
HK416は運用されている時期や部隊によって使用されているパーツが異なるので、そのためだろうか。
HKストックと比べるとコンパクトな設計なのでゲームでの使い勝手は良さそうだ。
バッテリーはSOPMODタイプのバッテリーオンリーになるためストックの交換は出来ない。
DEVGRUカスタムのストックチューブにはスリングを装着するスリングスイベルが標準装備され、従来のスリングは勿論、一点保持タイプのスリングも装備出来るようになっているので、幅広いゲームシーンに対応出来る。
ただ、スリングスイベルにはデカデカと「TOKYO MARUI」の刻印が刻まれており、ここにまで刻印は必要ないのではないかと思ってしまう。
グリップはノーマルHK416Dに採用されているHKタイプではなく、TANGO DOWNタイプのライフルグリップが装備されている、次世代電動ガンでは初のモデルだ。
電動ガンではグリップ内にモーターを収納するので、実銃のデザインを完全に再現するのは不可能だ。
しかし今回のグリップは、独特の丸みやスリムな形状を可能な限り再現出来ていると感じる。
握った感覚はHKタイプのものよりもかなり細身で保持しやすい。
滑り止め加工の溝もしっかりと施されているが、実銃パーツと比較すると若干溝が浅く感じる。
14.5インチ使用のアウターバレルはDEVGRUカスタムには付属せず、10.4インチ使用のみとなっている。
アルミ削り出しのフラッシュハイダーの形状はノーマルHK416Dと異なっており、サイレンサーに対応したタイプになっている。
フラッシュハイダーの根元にはネジ切りがあり、付属のサイレンサーを上から装着するようになっている。
付属のアルミ製サイレンサーはAACタイプになっており、フラッシュハイダーに被せる方式なので、簡単に着脱が可能だ。
サイレンサーはDEVGRUカスタム付属の専用タイプなので、同じ形状のフラッシュハイダーであっても他社のものには装備出来ない。
電動ガンなのでサイレンサーを装着しても実銃のような消音効果は得られないが、若干ではあるが発射音が篭ったような音に変化した。
あくまでも雰囲気を楽しむためのアクセサリーパーツである。
ガスブロック部分にあるフラッシュハイダーの付け根は、ノーマルのHK416Dとは若干異なった仕様になっている。
フラッシュハイダーの取り付け溝が深くなっていたり、イモネジの回転防止溝が掘られていたりと差別化が図られている。
ちなみに、DEVGRUカスタム付属のフラッシュハイダーとサイレンサーは14mm逆ネジ仕様になっているので他の電動ガンにも取り付け可能になっているが、バレルにフラッシュハイダーを固定する溝が無いのでサイレンサーの着脱時にどうしても回転してしまう。
フロントサイトとリアサイトは双方フリップアップタイプになっているので光学機器を装備していても邪魔にならない。
フロントサイトはナイツタイプになっており、折りたたむとかなり薄くなる。
リアサイトも同様にナイツタイプになっており、ダイヤルで調整が可能だ。
HKシリーズ共通のサイトはズングリした形状だが、ナイツタイプは薄く、スタイリッシュな印象だ。
本来は光学機器が使用不能になった時のためのエマージェンシーサイトなのでゲームでは不要のように思われる。
しかし、見た目が華やかになるため、わざわざ取り外す理由は無いだろう。
マガジンはHKオリジナルタイプのものが付属し、M4シリーズのマガジンと比べると長くなっているのが特徴、カラーはマッドブラックになっており、本体にマッチングしている。
次世代電動ガンの定番機能となった30カウント切り替えも可能、リアルなゲームシーンには欠かせない機能だ。
実射の感覚は、HK416Dらしいタフな撃ち応えが味わえる。
シュート&リコイルエンジンの振動は、ストックが大型のHKタイプからクレーンタイプに変更されているためかノーマルのHK416Dよりも強く感じる。
TANGO DOWNタイプのライフルグリップは素手よりもグローブを装着しての保持のほうがしっくりくる。
まくまで個人の感覚なので、好みが分かれるポイントだろう。
実際のゲームではサイレンサーの機能は発揮されないが、屋内でのゲームで装備すると特殊部隊気分を堪能出来る。
ノーマルのHK416Dと比べると、サイレンサーやフォアグリップが付属しているのでお値段は若干高めになっている。
しかしどちらのオプションもDEVGRUカスタム用に規格されているので抜群の装着感がある。
あとから買い足すよりも断然おススメである。
そのままの使用でもいいが、是非タクティカルオプションをテンコ盛りにして特殊部隊の雰囲気を存分に味わってもらいたいモデルである。