お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理対応をさせて頂きました。
・E&L(ARROW DYNAMIC) AKS74UN Tactical Mod.B 海外製電動ガン
ご依頼内容はBB弾が数メートルしか飛ばない、セレクターのセミポジションでフルになる、初速が極端に低い(70m/s程度)とのご依頼でした。
本体を分解し調査した結果、本体及び装着されているマガジンに問題がある事が不具合の原因となっていました。
今回オーバーホール作業・各部再整備に加え、不具合箇所の調整にて修理対応となりました。
E&L(ARROW DYNAMIC) AKS74UN Tactical Mod.B 海外製電動ガン 修理内容
故障状況
・セレクターのセミポジションでフルになる
・初速が極端に低い(70m/s程度)
修理に使用したパーツ
■計:2点
・宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット 電動ガン用 ¥1,080
https://repmart.jp/products/mi51705.html
・SPARK industries 不等ピッチスプリング M95 ¥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html
修理内容
1)本体分解、状態検査
《セレクター:トップカバーと接触し上まで上がらない状態》
《止めネジも緩んでおりセレクターが固定出来ていない》
《本体分解》
《メカボックス側セレクター連動パーツ:破損無し》
《メカユニット》
《メカボックス内部:グリス・オイルが切れている》
《給排気パーツ》
《ピストンヘッドに汚れ付着》
《ギアはグリス切れ》
《ギア部品破損無し、ギア比は18:1 スタンダード》
《スイッチ接点端子の損傷無し》
《部品分解検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
3)ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
4)ベベルギア・モーターピニオン位置出し、モーターノイズ調整
《メカボックス仮組み、動作・ノイズチェック》
5)メインスプリング交換・初速調整(90m/s前後:0.2gBB)
《使用部品:SPARK industries 不等ピッチスプリング M95》
6)再組立て、グリスアップ、オイル注油、接点グリス塗布
《スイッチ接点グリス塗布》
《メカボックス内部完成》
《メカユニット完成》
7)インナーバレル・チャンバーユニット清掃、劣化したチャンバーパッキンをカスタム品へ交換
《チャンバー分解》
《V型2点保持タイプのパッキンが組み込まれている、劣化が激しい状態》
《使用部品:宮川ゴム チャンバーパッキン 3種セット 電動ガン用》
《マルイタイプを使用》
《上:劣化したパッキン 下:カスタムパッキン》
《チャンバーユニット完成》
8)本体再組み上げ・セレクター動作の不具合を修正
《セレクターと接触するトップカバーを曲げて修正》
《セレクターが正常に上がる様改善》
ご参考:マガジンによるメカボックス圧迫箇所
《ご同梱頂いた海外製ワッフルタイプマガジン》
《この突き出し量が大きく、本体に差し込むとメカボックスを圧迫する》
《メカボックス圧迫箇所:圧迫が原因で初速や弾道に異常が発生》
■最終動作確認、約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■修理後の初速 【弾速測定器:X3200 MK3にて計測】
・修理前:ホップ無し 70m/s(0.2gBB)
・修理後:ホップ無し 93m/s(0.2gBB) 適正ホップ時 90m/s(0.2gBB)
※約30mの距離で弾道検査、ホップアップ調整。0.2g弾で調整済み。
修理・カスタム担当者コメント
今回ご依頼頂きましたのはE&L(ARROW DYNAMIC) AKS74UN Tactical Mod.B 海外製電動ガンでした。上記8項目の作業を実施致しました。メカボックス内部の内部のグリス・オイル切れ・汚れが激しい状態でしたので、オーバーホール後、ギアシム調整・ベベルギアの位置出し等、各部再整備致しました。メインスプリングを新品のカスタム品へ交換し初速を90m/s前後(0.2gBB)へ上方修正、グリスアップ、オイル注油、接点グリス塗布を行い再組み上げ済みです。インナーバレル・チャンバーユニットにつきましても分解・清掃・メンテナンス済み、劣化しているチャンバーパッキンを新品のカスタム品(マルイ突起形状)へ交換済みです。初速は適正ホップ時90m/s(0.2gBB)となっており、90~95m/sの範囲内で初速調整致しました。内部の再整備によりレスポンス動作も改善しています。
セレクターの不具合につきましては、トップカバーと接触し一番上まで上がらない状態でしたのでセレクターが上まで上がる様に調整致しました。セミオートポジションでフルオートになるのはこれが原因で不具合修正後はセミポジションでセミオートが確実に効きます。また、『セーフ→フル→セミ』の順番では正常に動作しますが、『セーフ→セミ→フル』の場合はセミポジションよりフルオートのポジションに動かした際、フルポジションの若干上にセレクターを上げないとフルオートが効きません。この不具合は海外製AK電動ガン特有の症状になり修理・調整は出来ませんでした。
今回ご同梱頂きましたワッフルマガジンを本AKに装填すると、メカボックスが圧迫されて位置ずれが起きていました。初速が極端に低くかったのはこれが原因で、マルイ製AKマガジンを使用したところ初速が大幅に改善致しました。ちなみにLCT AK製品にはこの不具合を防ぐ為に金属製のプレートが入っています。E&L製品にはプレートが無い為、装着するマガジンによってはこの様な不具合が発生致しますのでご注意をお願い致します。
E&L AK製品は実銃と同じ生産ラインで製作されており、LCT製AKとはまた違った無骨で肉厚なボディフレーム、また重量がありコレクターの方に人気が御座います。ただ、内部は非常にクセが多く修理・カスタムには難が御座います。修理・カスタムをご希望の際には弊社へお問い合わせ頂ければ幸いです。
弊社では国内/海外製電動ガンの修理・メンテナンス・カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。