トビー・レミントンなど例外はあるものの、大量生産されているハンドガンの中で最大級のデザートイーグル。
全長は269mm、重量はなんと2053gもあるとても大きな拳銃です。
映画でも頻繁に使われることから、知っている人はかなり多いかと思います。
イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社(IMI)が生産しているこの大型の拳銃は、口径の大きさによっていくつかのバリエーションがあります。
その中でも.50AEという種類のデザートイーグルは、世界最高の威力を持つ弾薬.50AE弾(いわゆるマグナム弾)を撃つことが可能です。
その威力は凄まじく、アサルトライフルの一発と同等程度の破壊力を生み出し、低レベル規格のボディーアーマーなら貫通してしまうほど。
また、高レベルのボディーアーマーを着用していても貫通こそしないものの、衝撃で負傷は免れないとされています。
射撃時の反動は大きく、よく「肩の骨が外れる」などという話を耳にしますが、実はきちんとした射撃姿勢を保って撃てば、そんな事はまずありません。
逆に大柄な男性であろうとも、いい加減な射撃をすればその反動で事故を起こすのは当たり前。
この話については、デザートイーグルの威力が大きいという事実が、ひとり歩きして生まれた都市伝説のようなものでしょう。
東京マルイ社のデザートイーグル.50AE
全長270mm、重量1110g。
実銃よりも全長が1mm長く、さすがの1kg超え・・・実銃の半分以下とはいえ、トイハンドガンとしては異常な重さです。
左側面から見て行きましょう。
やはり驚くのはその大きさ。
マルシン社ガスガン・デリンジャー(全長125mm)が2つ並んだよりも長いその全長もさることながら、スライド、グリップも大きく全体的にどっしりとした印象を与えてくれます。
無骨なと表現しても納得していただけるのではないでしょうか。
トリガーガードの先のフレーム部分には、アタッチメントを取り付けるためのレールがきちんと付いています。
東京マルイ社は、実銃のメーカーとライセンス契約を結んでいるため、スライド部分の刻印、及びグリップのロゴは、忠実に再現されています。
右側面にも刻印がありますが、この銃は左右がほぼ対称にできているため、それ以上の目立った違いは見受けられませんでした。
セーフティロックはスライド後方、ハンマーのすぐ近くにありますが、この位置の悪さにより、片手でのロック操作は困難といえるでしょう。
ちなみに、私の親指では完全に届きません(笑)
正面を見てみると、特徴的な形の先端部分をしており、マズルも大きくかなり威圧的な感じがします。
背面にはハンマーがありますが、銃全体の大きさに比べるといささか貧弱に見えます。
ハンマーは意外なほど軽く、簡単に起こすことが出来ました。
もっとバネが強いかと身構えていた分、拍子抜けしてしまったのが本音です。
また、リアサイトはネジ締めによる可変方式。
手に持ってみると、やはり重い。
ずっしりとした重量感はさすがの一言ですが、これを片手で扱うのは少々厳しいですね。
数発程度ならともかく、マガジン一本分の弾は打ち切れそうにないです。
撃ち切ったとしても、後半の命中率は確実に急降下でしょう。
実銃同様、きっちりと両手で構えて使用しましょう。
マガジンを外して観察。ダブルカラムタイプで装弾数は27+1発。
どうやら、このモデルの重量の殆どはこのマガジンが受け持っているほど重く、うっかり足に落とそうものなら骨にヒビが入りかねません。
マガジン側面には、実弾装填時の目安となるインジケータがモールド再現されていて、嬉しい限りです。
実射してみる
グリップ部分は、厚みはあまりないものの巾が広いため、私のように指の短い人間には少々握りづらいです。
実際に撃ってみると、かなり強めのリコイルショックが感じられます。
ブローバック速度も申し分なく、キビキビと動いてくれるのでとても爽快感がありますね。
ただ、やはり重量のせいで連射するのは厳しいです。
筋力がそれなりにあり、ビシッと構えられる人にはなんてことはないでしょうが、私はマガジン一本分でお腹いっぱいです。
リコイルショックの影響で狙いがブレるせいか、集弾性はイマイチ。
ただし、東京マルイ社製品の集弾性は異常なまでに良いので、おそらくこれは私の撃ち方が下手なだけだと思われます。
弾道は直線なので、ブレさえ抑えれば命中精度は良くなるはず。
可変ホップアップだけど、先に要・練習です。
威力も相当なもので、7m程度の距離から跳ね返ってきたBB弾に当たっても、それなりに痛い。
他のトイガンで遊ぶ時以上に、周りに注意を払わないと危険だと感じました(少々大げさではありますが)。
通常分解はまず、マガジンを抜きます。
右側面のトリガーガードとグリップの間にあるスライドキャッチレバーを下げると、スライドを前方に引き抜けます。
実銃に良くある誤解
最初の方に「肩の骨が外れるという噂」の話を少しましたが、それも含めてデザートイーグル(実銃)に関する話を少し。
実際に50口径のデザートイーグルを撃っている動画がいくつも投稿されていますが、それらを見る限りやはり肩が外れるというのは誤解でしかないようです。
これは、銃全体の重さで衝撃がある程度吸収されるのと、衝撃を生み出すスライド部分が比較的軽く作られているため、衝撃自体がそれほど強く発生するわけではないからです。
しかし反動が大きいのは事実で、女性の場合はかなり引き締まった体格の方でも、反動で後方へとよろめいています。
肩が外れるかどうかはともかくとして、女性にお勧めできない銃であるのは間違いなさそうです。
次に、故障の多さについて。
実はこの銃、やたらと故障が多いことでも有名。
そのほとんどが排莢不良なのですが、頻度がやたらと高いらしいのです。
猟銃の補助用として使われているとのことですが、それではあまり意味が無いのでは・・・。
「肩が外れる」と並んで、誤解されているのが「イスラエル軍に制式採用された」というものがあります。
これも、実際はそんな事実はありません。
一部のイスラエル軍人が私物として個人的に購入したものを装備していた、というのが真相のようです。
これも、裏付けがあるのかは知りませんが。
多くのバリエーション
東京マルイ社では、通常のブラックモデルの他にも多数のバリエーションを発売しています。
スライドとフレームがクロームメッキ仕様になっているクロームステンレスは、重厚感が感じられます。
またゴールドモデルという、金メッキ仕様のものもあります。
残念ながら抽選での限定品のようですが、見た目の高級感はすごいです。
専用のアルミケースまで付属しています。
他にも10インチバレルというさらに巨大なバージョンや、バイオハザード仕様のデザインのものなどもあります。
10インチバレルのものは、バレルが延長されているだけではありません。
グリップにフィンガーチャンネルが付き、さらに表面がラバーコーティングされているので握りやすさが改良されています。
バイオハザードモデルの場合、グリップは木目調のグリップパネルへ変更されており、ラクーン警察のメダリオンが付けられています。
また、ラクーン市警とSTARSのロゴピンバッジが付属品となっています。
見た目の印象がガラリと変わりますので、買い集めて並べて鑑賞するのも楽しそうですね。
トイガンとしても強烈なリコイルショックが味わえるので、ぜひ一度は体験してみることをおすすめします。
「故障の多さについて。
実はこの銃、やたらと故障が多いことでも有名。
そのほとんどが排莢不良なのですが、頻度がやたらと高いらしいのです。」
この件について更に誤解を解消するコメントを
デザートイーグルの廃莢に代表される作動不良は主に銃本体の問題としては初期の357口径弾仕様のモデルで頻発していた事例で、後の44口径弾仕様によりかなり改善されていると聞きます。
あと、別に作動不良の要因として考えられるのは使う側の使い方にも有ると思います。
銃はグリップの握り方、腕の使い方(構え方)一つでも動作に影響を与えるといいます
しっかり銃を支えられていないこれらによって廃莢に必要な力が分散され、結果、廃莢不良に陥るということも考えられます。
銃は使い手と銃が一体となって初めて機能する道具だと思います。