お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理、カスタム対応をさせて頂きました。
・Classic Army DT-4 ダブルバレル M4 海外製電動ガン【カスタム品】
ご依頼内容は『サバイバルゲームで使用しシューティングレンジ調整中に発射不可になってしまった、バッテリーを繋いでもモーターは何も音を立てず一切稼働せず、また電子トリガーの基盤が焦げる嫌な臭いもしない状態』とのご依頼でした。
また、『本銃は特殊構造の為、耐久面で不安が強くありカスタム可能な余地があれば修理と併せてカスタムをご希望』とのご依頼を頂きました。
分解調査の結果、故障の直接原因は『モーター接続端子が破損した事による導通不良』でした。この度、修理と併せてご希望頂きましたカスタムを実施させて頂きました。
Classic Army DT-4 ダブルバレル M4 海外製電動ガン【カスタム品】修理、カスタム内容
故障状況
『サバイバルゲームで使用しシューティングレンジで調整中に発射不可になってしまった、バッテリーを繋いでもモーターは何も音を立てず一切稼働せず、また電子トリガーの基盤が焦げる嫌な臭いもしない状態』
故障原因
『モーター接続端子が破損した事による導通不良』
ご依頼品のカスタム状態、ご使用状況
(1)銃自体は他店にて購入、メカボックス内部のシム調整とグリスアップ処理のみ行われている
(2)インナーバレル2本はGUARDER(ガーダー)製 TN-03(300mm)と交換、チャンバーはClassic Army P507Mという恐らく純正カスタムパーツを削り交換、チャンバーパッキンゴムもカスタム品へ交換
(3)純正モーターで熱ダレを起こし配線も一部焦げたのでサマリウムコバルトモーターに交換
(4)それ以外の配線、ギア、電子トリガー、ピストン部、外装は購入時のまま
(5)BB弾は0.2g弾、9.6vニッケル水素バッテリーを使用して運用中
カスタムご依頼内容
(1)駆動系統の再整備:耐久性能向上
(2)飛距離、集弾性、弾道性能を改善
修理 カスタム製作のポイント
①メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
②破損しやすいベアリング軸受けを撤去、高強度メタル軸受けへ交換
③駆動系統カスタム整備【ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
④ピストンヘッドへAOE調整バンパー装着【左右2箇所】、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
⑤メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換【2本】
⑥モーター接続端子をリング端子へ交換修理、サマリウムコバルトモーターへ接続、搭載
⑦左右銃身2本 カスタムチャンバーパッキンへ交換調整【長掛けダブルホールド:飛距離、集弾性、弾道性能を改善】
⑧初速調整、実射テスト:適正ホップ時:95~90m/sの範囲内
修理 カスタム製作に使用したパーツ
■計:4点
・Retro Arms 電動ガン用CNC軸受け 6個セット 【軸受けサイズ9mm】 ¥1,980
https://repmart.jp/products/ra04090.html
・AOE調整用シリンダーヘッド専用バンパー【2個】
・SPARK industries 不等ピッチスプリング M90【2本】 ¥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html
・宮川ゴム チャンバーパッキン MIYA 長掛けダブルホールド 2個セット『スリム』 ¥1,580
https://repmart.jp/products/nt50nm2o.html
修理 カスタム作業内容
1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品外観:一見すると普通のM4アサルトライフル》
《銃身が左右2本ある『ダブルバレル』仕様》
《上側》
《前面》
《マガジン給弾口も2箇所あり:インナーバレル、チャンバーはそれぞれ独立している》
《左側ロアレシーバー部》《エジェクションポートも左右それぞれあり、ホップダイヤルでのホップ調整が可能》
《右側ロアレシーバー部》
《エジェクションポート部》
《ロアレシーバー分離》
《メカボックスサイズは驚愕の大きさ》
《グリップ底はレバーを引けばワンタッチで開閉可能》
《モーターはカスタムモーターへ交換されている》
《東京マルイ サマリウムコバルトモーター搭載》
《ピニオン歯損傷無し》《故障原因の特定:マイナス側モーターのコネクタ接続端子が折れてしまっている》
《別のモーターへ繋ぎ直してバッテリーを接続、正常に動作する事を確認 ※電子基盤の故障では無い》
《本体より取り外したメカボックス》
《メカボックス前面:ノズルが左右にあり》《シリンダーとピストンは独立しておらず単体部品の様》
《スプリングガイド部分》
《ガイドの固定を外す》
《スプリングガイドはQD式でスプリング共に左右2本あり》
《ばね鳴りの大きい海外製等ピッチスプリング》
《メカボックス内部》
《電子トリガーシステムを標準搭載》
《セクターギアに埋め込まれているネオジウム磁石の磁力を検知して静止するシステム、ARES製品と同様》
《磁力を検知する電子部品はセクターチップとぎりぎり接触しない位置で固定されている》
《驚愕のピストンユニット(大きい)》
《ノズル、タペットプレート、シリンダー、ピストンは左右独立はしているものの単一の部品》
《加速ポートの手前に穴が開けられている、その為エア容量が削られ日本国内向けにデチューン?されている模様》
《タペットプレートは単一部品、ノズルは左右2箇所装着》
《左右一体型のピストンユニット》
《ピストン、ピストンラック、ピストンヘッド含め全て金属製》
《強固に造られており分解は出来ない》
《ギア3点》
《ベベルギアとスパーギアは高負荷のドライブに対応する為、歯数が少なく減速比の高いギアが使用されている》
《電子トリガー部》
《基盤の奥にあるマイクロスイッチを直接押す仕組み》
《電子トリガーシステム取り外し》
《基盤内部》
《基盤前面》
《軸受けは9mmベアリングタイプ、高負荷でのドライブには適さない為メタル製へ交換が必要》《分解部品検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
3)破損しやすいベアリング軸受けを撤去、高強度メタル軸受けへ交換
《使用部品:Retro Arms 電動ガン用CNC軸受け 6個セット 【9mm】》《接着固定、圧入》
《軸受け装着》
4)ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
5)ベベルギア、モーターピニオン位置出し、モーターノイズ調整
《グリップ装着、モーターピニオンギアの位置出し》
《モーターピニオンギア位置調整:ベベルギアとの高さを確認》
6)ピストンヘッドへAOE調整バンパー装着【左右2箇所】、ピストン位置の最適化【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《ピストン加工によるAOE調整が出来ない為、ピストンヘッド側での調整が必要》
《ピストンヘッド面にゴムバンパーを貼り、ピストン位置を後部へずらす》
《接着剤で貼り合わせ》
《接着後》
《シリンダー装着》
7)AOE調整後セクターギアピックアップ歯の角度確認【耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善】
《AOE調整後:セクターギアのピックアップ角度を調整、水平方向に負荷を逃がす事により立ち上がり動作を改善、駆動時の高負荷を低減》
8)再組立て、グリスアップ、オイル注油
《磁気検知部品がセクターチップと接触しないか確認》
《メカボックス内部完成》
《メカボックス完成》
9)メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換【2本】
10)初速調整 適正ホップ時:95~90m/sの範囲内
《使用部品:SPARK industries 不等ピッチスプリング M90【2本使用】
《ばね鳴りの少ない国産カスタムスプリング》
《メインスプリング組み込み》
11)モーター接続端子をリング端子へ交換修理、サマリウムコバルトモーターへ接続、搭載
《モーターコネクタをリング端子へ交換》
《端子ハンダ付け》
《電工ペンチで圧着》
《リング端子完成》
《グリップ装着、モーター取付け》
《リング端子でモーターへ直接ネジ止めして修理》
《モーター接続後:射撃時の激しい振動でモーター端子が折れる事も無くなる》
《ロアレシーバーユニット完成》
《バッテリーを接続し動作チェック、OK》
12)左右銃身 インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス
飛距離、集弾性、弾道性能を改善させるカスタムチャンバーパッキンへ交換調整【長掛けダブルホールド:左右銃身2本】
《インナーバレルチャンバーユニット2本》
《インナーバレルは2本共にカスタムバレル、振れ止め防止の為銅のテープが巻かれている》
《カスタムチャンバーは金属製で本体に合わせ上部を切削加工している》
《バレルがチャンバー内で回転してしまいV型2点保持のホップ突起が左右にずれて歪になっている》
《ホップダイヤルを最大に回してもホップ突起が降りずホップが掛からない状態》
《チャンバーユニット分解:右側チャンバー》
《左側チャンバー》
《面形状の押しゴムはこのまま使用》《ホップパッキンは交換が必要》
《使用部品:宮川ゴム チャンバーパッキン MIYA 長掛けダブルホールド 2個セット『スリム』》
《今回0.2g弾対応の『スリムタイプ』を使用:V型形状により左右へのブレを無くし、浅く長くホップを掛ける事により飛距離を伸ばす》
《チャンバー内でバレルが回転しない様シールテープを巻いてバレル外径の厚みを嵩上げ》
《パッキン装着後チャンバー内へ挿入》《面形状の押しゴム、ホップアーム装着》《バレルの回転防止の為更にシールテープを巻いて固定》
《本体へバレル挿入時、巻かれているテープの一部が引っ掛かる為除去》
《2本目も同様にシール処理》
《インナーバレルチャンバーユニット完成》
《ホップ突起形状の確認:しっかりと長掛けホップが掛かる状態に改善》
《本体に装着》
《銃身部完成》
《組み上げ、本体完成》
■最終動作確認、約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器:ACETECHにて計測】
・銃身右側:適正ホップ時 92m/s(0.2gBB)
・銃身左側:適正ホップ時 91m/s(0.2gBB)
・サイクル数:各18発/秒 x 銃身2本【計:36発/秒】
※約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整をしています【0.2g弾で調整済み】
※11.1v 1300mAh 20Cリポバッテリーにて検査
※G&G TOP FIVE 0.2gBB弾を使用し検査致しました。
※サイクル数の数値につきましてはご使用になられるバッテリー容量や状態により左右される為、あくまで参考値となります。
修理 カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのはClassic Army DT-4 ダブルバレル M4 海外製電動ガンでした。上記12項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、破損しやすいベアリング軸受けを撤去し高強度メタル軸受けへ交換、ギアシム調整、モーターの位置出し等各部再整備致しました。左右2箇所ピストンヘッドへAOE調整バンパーを装着(ピストン位置の最適化)を行い駆動時における耐久性向上、高負荷の低減、立ち上がり動作の改善を致しました。グリスアップ、オイル注油を行い組み上げ済み、メインスプリングをばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ2本交換致しました。モーター接続端子をリング端子へ交換修理を行いサマリウムコバルトモーターへ接続、搭載済みです。これにより射撃時の振動でモーター接続端子が破損したり外れる事も無くなりました。
左右銃身インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス、チャンバーユニットにつきましてはカスタムチャンバーパッキンへ交換調整致しました。『長掛けダブルホールド』と呼ばれるパッキンでBB弾に浅く長くホップを掛ける仕組みで飛距離、集弾性、弾道性能を向上させます。0.2g弾対応の『スリムタイプ』を使用致しました。ホップ突起が左右均一な状態でチャンバーユニット内でバレルが回転しない様に調整を行い組み込み致しました。
修理カスタム後の初速は左右銃身それぞれ、適正ホップ時92m/s前後(0.2gBB)、セミ、フルオート発射動作問題御座いません。左右それぞれ片側のみマガジンを装填し適正ホップ時のポジションでホップ調整、初速計測を致しました。最終的に左右両方にマガジンを装填し2発同時発射時の弾道も検査済みです。内部オーバーホール再整備と駆動系統のカスタム整備によりセミオート時の立ち上がり動作、レスポンスが改善し耐久性も向上、駆動時のばね鳴りとメカノイズは低減しています。カスタムパッキン搭載によりBB弾の散らばりが低減、弾道性能も安定しホップアップがしっかりと効く様に改善、40m先まで真っ直ぐ伸びる弾道となっております。
ご依頼品は一見普通のM4アサルトライフルに見えますが、水平に2本の銃身を備えた『ダブルバレル仕様』の電動ガンになります。『チャンバーもそれぞれ独立しており2本のマガジンを本体へ装填する仕組みで2発同時での発射が可能』になっています。電動トイガンならではのオリジナルデザインと思われますが、イスラエルの銃器メーカー『Silver Shadow社』が販売する『Gilboa Snake』ダブルバレルアサルトライフルと呼ばれる実銃をモチーフに製造されています。ご依頼品はカスタムされた状態でのお持ち込みでしたので、箱出し状態での性能は判りかねますがこの度弊社にて修理カスタムを実施させて頂き『駆動面、耐久性、実射性能の改善』を致しました。11.1vリポバッテリー使用時におかれましては、セミオート射撃時の立ち上がり動作は良好で高負荷ドライブ時における耐久性が向上、電子制御本来のレスポンスを発揮しまた、チャンバーユニットのカスタムにより安定した弾道性能へ改善、フルオート時のサイクル数は片側約20発✕2本、計40発/秒ものBB弾を瞬時にターゲットへ打ち込む事が可能です。ガン本体の重量はBB弾を装填した2本のマガジン含め約4kg前後と特段重くなく、操作性は一般的なM4と変わりませんのでシューティングやサバイバルゲームで十分にご使用頂けます。この度は修理と同時にご希望頂きましたカスタムを施工させて頂きました。末永くご愛用頂ければ幸いです。
弊社では電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。