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東京マルイ コルトパイソン 6インチ ガスガン レビュー

東京マルイ コルトパイソン

東京マルイから発売されているガスガン、コルト パイソンの6インチモデルのレビューです。

今回のは2003年にリニューアルされたあとのモデルで、HOPUPのパッキンなど一部の仕様が異なっているため注意してください。

実銃はコルト・ファイヤーアームズ社が1955年に開発したリボルバー、コルトパイソン、同社が開発したコブラに続く、蛇の名前を冠したリボルバーの一つです。

手作業での調整箇所の多さなど大量に生産するのが難しい点、仕上げが非常に念入りと行われていたこともあり、コルト社と同じくアメリカの銃器メーカーであるS&W社の発売していた製品と比較した場合にも価格帯が高めに設定されており、その価格や高級さからリボルバーの「ロールス・ロイス」などとも呼ばれていました。

高い耐久性とそれまでのリボルバーとは違った美しいデザインで人気を博したパイソンですが、同時に旧態依然とした仕様や欠点があり、しかもそれらが改善されませんでした。

コルトパイソンのアウターバレル

その一方でライバルのS&W社のリボルバーは多数の改善がされ、欠点を克服していったことにより、パイソンの人気は低下、販売数も大きく減少、そしてついに、1990年代後半には生産中止、カタログからも姿を消しました。

しかし受注生産限定のカスタムモデル「パイソンエリート」や2005年には50周年を記念したモデルが登場するなど、限定的ではありますが復活しているモデルもあります。

外見的な特徴としては、リボルバーとしては珍しいバレルの構成、バレル上部にはベンチレイテッドリブを備えています。

ベンチレイテッドリブ自体は本来ショットガンなどに採用されるもので、射撃時にバレルが加熱状態になった際、バレルから陽炎が立ち上り、照準を狂わせてしまうことを防ぐために付けられるパーツです。

パイソンのようなリボルバー程度では、バレルの加熱自体も小さく、ベンチレイテッドリブ本来の効果はありませんが、パイソンの外見的な特徴の一つになっています。

バレルの特徴としては他にもフルレングスのアンダーラグを採用している点があります。

コルトパイソンのシリンダー

これは強力な弾丸である、.357マグナム弾を使用した場合でもマズルの跳ね上がりを抑える効果があるとされています。

それ以外にも、パイソンはシリンダーの回転方向が右回転という特徴があり、右回転の場合にはシリンダーを閉じる方向と同じのため、シリンダーを固定するためのロックシステムを強固な物にしなくても、ある程度まで耐えられるという利点があります。

余談ですが、リボルバーとしては比較的珍しい右回転のシリンダーはコルト社以外に、スタームルガー社のリボルバーなども右回転を採用しています。

また右回転の理由としては、前述したシリンダーの閉じる方向と同じため、ロックシステムが強固でなくても良い点以外に、創始者であるコルト氏が左利きで、装填する際に右手でシリンダーを回しながら左手で装填する動作を行いやすくするためだったという意見もあります。

見栄えが良く、適度にハッタリの効いたデザインをしているためか、現在でもマンガやアニメなどにも登場する機会が多く、銃に馴染みの無い日本人でも「名前だけは聞いたことのある銃」ではないでしょうか。

東京マルイがガスガンとしてパイソンを発売したのは1996年、その後2003年に発射システムを一新し、問題のあった給弾メカニズムの改善、HOPUPの改良などフルモデルチェンジした新モデルとして再び発売しました。

コルトパイソンのトリガー部分

外見は僅かに光沢のあるメタリック塗装で、実際にコルト社が販売していたパイソンのコルトロイヤルブルーフィニッシュを模したものになっています。

そのため、単純なブラックではなくほのかに青みのある、特徴的なブラックになっています。

全体的な質感はかなり良く、一見するとどこか金属のような質感になっています。

実際に手で持ってみると金属ではなく、あくまで表面処理であることがすぐにわかるのが少し残念です。

グリップはラバーコーティングされたプラスチック製で、握った感じはしっとりとした感じで、東京マルイらしさが出ています。

グリップ自体は決して小さくなく、そこそこの大きさがありますが、フィンガーチャネルがあることや、ラバーコーティングがしっかりされている点もあってか、握った際にはとても安定します。

パイソン特有のデザインをしたアウターバレルはプラ製で、フロントサイトは一体型になっており調整は出来ません。

コルトパイソンのグリップ

またパーティングラインが結構はっきりと残ってしまっている点が少し残念です。

インナーバレルについてはマルイ標準の真鍮製バレルになっており、HOPUPは固定式で調整することは出来ず、通常のHOPパッキンと違い、逆V字の切れ込みが入った独特な物になっています。

このHOPパッキンの構造によりBB弾を安定して保持出来る様になり、リニューアル以前より、安定した弾道を再現することが可能になりました。

リアサイトは金属製でフルアジャスタブル方式になっていますが、調整にはマイナスのドライバーが必要です。

ガスガンオリジナルの要素として、マニュアルセフティが付いており、ハンマーの後ろ部分にスライド式のものが装備されています。

このスライドスイッチを前方へスライドさせることにより、セフティがかかりハンマーがロックされます。

マルイのリボルバー最大の特徴はシリンダー内部の構造で、通常リボルバーは装弾数が5~6発と少なく、ガスガンやエアガンでもこれに準じる形になっています(タナカのペガサスリボルバーなどの一部例外もありますが)が、マルイのリボルバーでは6つあるシリンダーホール内に、各4発ずつ保持することにより、リボルバーとしては破格の24発という装填数を実現しました。

コルトパイソンの刻印

仕組みは複雑でシリンダーのリム部分を押すとシリンダーホール内のBB弾のうち、最前列の1発だけチャンバー側へ押し出すと同時に、残りをシリンダー内に保持するようロックします。

ハンマーを起こす際にノズルがこのリム部分を押す構造になっており、シリンダー内の1発のみを撃ち出すことが可能になっています。

シリンダー自体の素材はプラスチック製なため、それほど重くは無い反面、重厚感などはありません。

装填する際には付属の棒状のローダーを使うよりも、別売のBBローダーの使用をオススメします。

一回の動作で4発装填出来る上、他のガスガンや電動ガンにも使える点やコンパクトサイズなためです。

余談ですが、ある程度の技術と道具があればシリンダーを分解し、社外品のカートリッジを使用することが可能です(パワー自体は極わずかに上がる程度で十分に規制値の範囲内に収まります)

ただし、この場合マルイ製のリボルバーの特徴である24発というキャパシティは失われることに注意が必要です。

コルトパイソンのサイド部分

一方でリボルバーらしい動作を楽しめるため、お座敷シューターには結構オススメです。

実射性能は良くはありませんが、悪い訳ではなく、弾道自体は非常に安定しており、新型のV字パッキンのおかげなのか、それまでのガスリボルバーと比べるとかなり安定して飛んでいきます。

また、ブローバック方式のガスガンと違い、スライドの後退動作を行わないこともあり、動作音自体が非常に小さく「パスンッ」といった少し高めの音がします。

誤動作もほとんどありませんし、トリガーやハンマー周りの動作も滑らかです。

アウトドアのゲームで使うには少し射程距離不足な感じがしますが、インドアゲームでは静音性が高いためオススメです。

感想としては、リボルバーの外見を維持しながら、インドアゲーム程度までなら使えるほどの性能で、よくここまで仕上げたなと思います。

一方でリボルバーの醍醐味である、シリンダーをスイングアウトしてカートリッジを装填するという楽しみを、純正で再現できなかった点は残念です。

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