刀剣類と刃物(ナイフ)は何が違うのか
銃刀法で、所持を禁止されているのは『刀剣類』であって『刃物』(ナイフ)ではありません。
では、刀剣類と刃物の違いは何のでしょうか?
刀剣類とは、銃刀法によると
刀剣類とは
つまり、刀剣類とは
- 刃渡り15cm以上の刀、やり及びなぎなた
- 刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち、飛出しナイフ
となり、これ以外のナイフは刀剣類ではなく、刃物に分類され、銃刀法の刀剣類に該当しないため、所持してよいことになります。
簡単に言えば、
刃物 = 道具
といった所でしょうか。
銃刀法を見てみると、刀剣類の中に、刃渡り15cm以上の刀、やり及びなぎなたとあります、槍と薙刀に関しては、明らかにその形状で判別できるでしょう。
では、刀と包丁やナイフの違いは何になるのでしょうか?
刀と包丁、ナイフとの違いは事実上、その形状で判断するしかなく、切先とつばの付け根を結ぶ線が刀身から外れている場合、つまり、反っているものをおおむね、刀剣類としているようです。
しかし、反ってはいないものの、日本古来の武器である忍者刀(ニンジャソード)は武器である、との判例があり、刀剣類ですので、所持は禁止されています。
刀身が反っているということは、どういう意味を持つかと言うと、切るだけでなく突き刺すのに有効な形状をしているということで、これは槍も薙刀も同じです。
突き刺すという行為は、切るよりもはるかに深い傷を負わせ、危険で殺傷能力が高いため、所持が禁止されているのであろう、と考えることができます。
さらに、銃刀法では所持が禁止される刀剣類の定義として、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち、飛出しナイフとあります。
ナイフの売れ筋ランキング
飛び出しナイフ
この中でも、飛び出しナイフは、開刃機構がついているもの、ということですので、比較的わかりやすいです。
この飛び出しナイフにも、大きく「オート」「セミオート」の2種類あって、「オート」は所持禁止、「セミオート」はいちおう合法(判例がないだけとも言われています)ということになっています。
「オート」はスイッチブレードと言われるように、開刃操作をボタン一つで行うのに対し、「セミオート」はブレード自体を押さないと刃が出ないので、サムスタッドやサムホールなどと同様に、開刃の補助扱いなのでしょう。
代表的な、オートナイフには「ガーバーのエマーソンアライアンス」などありますが、なぜかあの超大手アウトドアショップで売ってるし、、(゚Д゚)
> 参考記事: 最近のガーバー エマ-ソン・アライアンス 飛び出しナイフ
「セミオート」についてはブレードに飛び出しボタンと同じ機能を持たせることで、法律上の問題を回避していると言われていますが、「これが日本国内法で刀剣類としての規制を受ける「飛び出しナイフ」に当たるかを争点とした判例は未だない」ということです。
> 参考記事: ナイフ wiki
「セミオート」は「アシストオープン」などとも呼ばれ、代表的なナイフに、イタリアンスチレットや、貝印刃物の米国子会社、カーショウや、ゼロトレランスの「SPEED SAFE」や、ガーバーの「F.A.S.T.」などのシリーズが発売されており、こちらは合法という解釈ですので、国内の販売店でご購入いただけます。2012/09/18現在 (当店では扱っておりません)
剣と匕首
次に、剣(つるぎ)と匕首(あいくち)はどのようなものかというと。
- 剣 - 両刃の西洋の刀、ダガーのこと
- 匕首 - つばのない短刀。
これらの刀剣類も先ほどと同じく、突き刺すのに有効な形状をしています。
まとめると、禁止されているナイフは、
- 刃渡り15㎝以上のブレードが反っているナイフ
- 刃渡り5.5㎝以上の両刃のナイフ
- 刃渡り5.5㎝以上の匕首のような形状でヒルトのないナイフ
- オートマチックの飛び出しナイフ
これらのことから、銃刀法で所持を禁止されているナイフは、刺さる形状をしており、殺傷能力が高いナイフ、と秘匿性の高い(隠し持てる)ナイフということになるようです。