レプマートのお知らせ、情報を発信しています。

サブマシンガンUZIという名銃

サブマシンガンの中でも、特にその名を知られているUZI(ウージー)

一時期はサブマシンガン=UZI、といっても過言ではない位、知名度の高い銃で、玩具のサブマシンガンといえば、UZIの形をしているものばかりという時代もありました。

UZIの生産会社と開発者

あまりに有名なため、アメリカ産の銃だと思っている人も多いそうですが、この銃はイスラエル製です。

IMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)という会社がその生産を担っており、この会社はイスラエル建国後、多くの名銃を生んだ事でも知られ、UZI以外にも超高火力で有名なハンドガン、デザートイーグルも制作した会社です。

ただし、UZIを生産しているのはIMIですが、開発したのはイスラエルの陸軍兵器研究所

当時、イスラエルではアラブ諸国からの武器輸入が出来ない状況下にあり、チェコスロバキアに頼ろうとしていたのですが、サブマシンガンの輸出案を提示した直後に、チェコスロバキアがアラブ諸国の支援国家となってしまったため、輸入ルートがなくなる事態になります。

結果として国内で武器を開発、生産するしかなくなり、1940年代の末に、ウジエル・ガルを中心としたチームにより、サブマシンガンの開発がはじまったわけです。

このような経緯のためか、チェコスロバキアから輸入する予定だった、ZK476とUZIは構造が似ているとされていますが、別の銃を参考にしたという見解もあり、定かではありません。

ちなみにUZIという名前は、開発者であるウジエル・ガルから取って名付けられたのですが、当の本人は自分の名前を付けることに最後まで反対していたといいます。

しかし、UZI開発の功績が非常に大きい事は変わりなく、1958年にはイスラエル防衛賞が彼に送られました。

UZIのコンセプトとは

UZIの開発が始まった当時から、イスラエルは敵対諸国に囲まれているため、国の防衛手段を確立することは急務であり、簡単で扱いやすい銃器の開発は、避けて通れない道でした。

ただ、工場基盤が貧弱であった時代でもあったため、高い技術力や、高価な部品を多様するような銃火器は製造できない、という状況でもあったと言います。

このため、UZIの開発においては、部品点数を極力少なくし、プレス加工を多用した単純な設計となっています。

結果として操作性もも良く、独自のL字型構造により、フルオート制御も簡単で評判の良い銃となったわけですが、反面、3.800gという非常に重い銃であり、精密射撃にはあまり向いていないとされています。

海外での評判

扱いやすく生産が簡単で銃器として非常に魅力的なため、イスラエル国防軍に採用され、さらに西側諸国でも数多く使われています。

例えば西ドイツでは改良型のMP2がライセンス生産されましたし、ベルギーの有名銃器メーカー、FNハースタルでもFN UZIとしてライセンス生産されました。

そのほか、多くのNATO諸国の軍隊がUZIを制式に採用、アメリカにおいてはシークレットサービスでも採用し、レーガン大統領暗殺未遂事件の際には、エージェントが装備していた事で有名です。

ちなみにコピー製品も多く、スペインやクロアチア、中国で作られ、中国製の85式は、UZIそのままで殆ど差がありません。

UZIの構造

発射機構は、トリガーを引くとボルトが動くオープンボルト式を採用しており、マガジンからチェンバーに次々と弾を装填する仕組みになっています。

この構造は、砂や泥に強いと<いうのも大きなメリットなのですが、UZIに場合は特に独特なボルトを採用、砂塵が入りにくい構造をしています。

これは、その見た目から「L型構造ボルト」と言われ、ボルト重量を前方に置くべく銃身を包み込むような設計になっており、ラップアラウンドボルト(包み込むボルト)とも言われています。

もう1つのポイントとして、ストックが折りたたみ式で、車両に搭乗する際などでも邪魔にならないようなデザインになっています。

マガジンに関しては、標準では32発をされていますが、数多くのバリエーションがあり、32発以外にも20発、25発、40発、50発が存在します。

使用できる弾丸は、基本は9mmパラベラムですが、.40S&W弾や45ACP弾など他の弾薬に対応できるモデルも製造されており、一口にUZIといっても様々なバリエーションがあります。

面白いところでは、銃剣を装備できるモデルや、グレネードランチャータイプなぞも存在、その一方で、特殊部隊が運用しやすいように専用のサブプレッサーや亜音速弾もつくられています。
(銃音は炸薬の音とソニックブームによる音が大きいのですが、サブプレッサーと風を裂く音がしない亜音速弾を使うと、ほぼ無音で射撃できます)

派生型と現在のUZI

非常に評価の高いUZIは、IMI内でも様々な派生型が存在しています。

例えば、1984に開発されたミニUZIは、その名の通りUZIを小型化し、元々全長の短いUZIを更にコンパクトにしています。

ただしこの銃はフルオート制御が難しいという欠点があり、UZI本来の長所を1つ失っています。

また、ミニUZIと同時期に開発された銃にマイクロUZIがあり、これはミニUZIを更に小型化した銃で、近接戦闘での瞬間的な火力を重視された銃で、マシンピストルとしての意味合いも強く、今で言うPDW(パーソナルディフェンスウェポン)としての意味合いが強いです。

ちなみにこちらもミニUZIと同じく、フルオート制御が難しいという問題点があります。

更にマイクロUZIを更に小型化した、UZIピストルというものがあり、これはマイクロUZIからストックを排除し、その名の通り、サブマシンガンではなく大型の拳銃となっています。

後継機として現在作られているのはUZIプロというもので、これはマイクロUZIを発展した代物で、軽量化とコストダウンが行われている一方で、マイクロUZIの問題点であったフルオート制御がしにくい、という欠点を解消しており、アイアンサイトは小型化。

ドットサイトやフラッシュライトが取り付けられるように、左右にはピカティニー・レールがついています。

いずれにしてもUZIという銃は90カ国以上の国々に輸出された名銃であり、派生型やコピー製品もふくめると1,000万挺以上が生産されていると言われています。

これだけ生産されているサブマシンガンはそうそうありません。

日本においては警察や自衛隊が公式採用したという事はありませんが、皇太子がイスラエルを訪問した際にUZIを贈呈された事があり、今でも陸上自衛隊の学校に保管されているそうです。
(そのため、使用されるという事はまず無いと思いますが、日本にUZIが存在しているというのは事実です。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です