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軍艦について – 潜水艦

2016年4月5日 LXXIV- ミリタリー雑学

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ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」や福井晴敏の「終戦のローレライ」、有川浩の「海の底」などなど、もちろん小説に限らず、いろいろな映画、アニメ、ゲームでも題材とされている潜水艦について述べてみたいと思います。

潜水艦とは

潜水艦は水中を潜航し、圧縮空気を利用してバラスト・タンクに海水を注排水することで艦の浮力を調節することで浮上・潜航を可能にした軍艦です。

艦体は全体的に流線型・涙滴型、断面は円形となっていますが、これは水中抵抗を減らすための形状で、多くの潜水艦の艦体は二重構造となっており、内殻と外殻があり、耐圧構造になっている内殻は、耐圧殻とも呼ばれています。

バラスト・タンクはこの内殻と外殻の間に設置され、潜航時にはこのタンクに水を満たし、浮上時には圧縮空気を使ってタンクから水を排出し浮力を得て、浮上します。

潜水艦の最大潜航深度は一般に公開されていませんが、第二次世界大戦当時のもので最大200メートル、最近の原子力潜水艦で500メートルほどと言われています。

潜水艦の三次元的な移動を可能にしているのは、前部左右にある潜舵と後部左右にある横舵で、姿勢の制御については、姿勢制御用のトリム・タンクを使い、前後の浮力バランスを変えることで調節しています。

セイルにあるブリッジ(艦橋)は、浮上時にしか用いられず、潜航時にはいうまでもなく無人となります。

艦首には外部の様子を知るためのソナーがありますが、舷側にも装備されている場合もあり、曳航ソナーを収納したポッドを艦尾にもつ艦も存在します。

潜水艦の武装はミサイルと魚雷です。

ミサイルは艦首の魚雷発射管や、VLSから圧縮空気で撃ち出されたのち、水上に出てから点火されます。

魚雷は魚雷発射管から圧縮空気で発射されたのち、目標までワイヤーで誘導される形式が一般的です。

潜水艦の動力

潜水艦はその動力の違いにより大きく3種類に分類することができます。

まずはディーゼル潜水艦で、これは電動モーターを使って動きます。

浮上しているか、あるいはシュノーケルが使用可能な浅い深度を潜航している場合には、ディーゼル機関で発電を行い、シュノーケルが使用不可能な深度まで潜航した場合は蓄電池を使用します。

2つ目は原子力潜水艦です。

原子炉の熱により得られた蒸気でタービンを動かし動力を得ます。

動力を生み出すのに空気を必要としないため、アメリカ、ロシアの潜水艦はそのほとんどが原子力潜水艦です。

しかし、原子炉は大変高価であり、また原子炉のタービンと冷却水の音が電動モーターと比べて大きいこと、さらに環境への影響や安全性の問題があることから、多くの国では従来のディーゼル機関が採用されています。

加えて、原子力以外の潜水艦を通常型潜水艦と呼び区別することもあります。

最後に非外気依存推進潜水艦です。

ディーゼル潜水艦と同様に電動モーターで推進しますが、蓄電池のかわりに燃料電池を使用したり、外気をとり込む必要のないスターリング機関などを採用し、充電のため浮上せずによい潜水艦が登場し始めています。

潜水艦の脅威

第一次、第二次世界大戦では、潜水艦は戦略、戦術両面において大きな脅威となりました。

とくに潜水艦の配備に力を入れていたドイツは、中型潜水艦、Uボートを大量に建造し、大西洋を横断する連合国通商路攻撃で大きな戦果を上げました。

太平洋で日本の通商路を攻撃したアメリカ軍潜水艦は、日本の商船団をほとんど壊滅させ、また、日本の多くの艦艇も撃沈・撃破されました。

戦後になって原子力潜水艦が登場すると、従来潜水艦の欠点とされた水中速力と潜航時間が飛躍的に増大、さらに弾道ミサイルを搭載する戦略原潜の出現は、超大国の核戦略の中心のひとつとなりました。

冷戦終結後に数は減らされたものの、いまでも米ロは核戦力を維持しています。

核戦力を構成する大陸間弾道ミサイル(ICBM)、爆撃機、そして戦略ミサイル潜水艦の三本柱は、トライアドとも呼ばれます。

戦略核弾頭ミサイルを搭載する戦略ミサイル潜水艦は、位置の特定が困難であり、陸上の基地から発射されるICBMや、やはり陸上基地から発進する爆撃機よりも、高い生存性を有するとされています。

これが意味するのは、仮に核戦争が勃発した場合、敵の第一撃を生き延び、搭載したミサイルで報復攻撃が行えるということです。

1959年に進水したアメリカ海軍のジョージ・ワシントンが最初の戦略ミサイル潜水艦で、水中排水量は6888トン、搭載されたポラリス・ミサイルは射程2000kmに及ぶというものでした。

これ以後、核兵器保有国であるアメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国は各々が戦略ミサイル潜水艦の開発・配備を進めてきました。

生存性・隠密性の向上を図るため、これらの戦略ミサイル潜水艦では動力に原子力推進が採用されることがほとんどで、このため、戦略ミサイル潜水艦は戦略原潜という呼び方もされます。

各国の潜水艦の配備状況

現在アメリカは、全長170.69m、水中排水量18750トンのオハイオ級を14隻保有しており、それぞれに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)トライデントD5」を24基搭載しています。

オハイオに搭載されている核弾頭の合計は40メガトンに達し、これは広島型原爆に換算するとおよそ2000個分に相当する量です。

「トライデントD5」の射程は1万kmを超えますが、これはアメリカ沿岸やインド洋など、敵軍の脅威のない海域からロシア本土を攻撃する能力を備えていることになります。

イギリスも、同じミサイルを16基搭載した水中排水量15850トンのヴァンガード級を4隻保有しています。

ロシアは、水中排水量15500トンのデルタⅣを7隻、水中排水量13050トンのデルタⅢ級を4隻、映画「レッド・オクトーバーを追え!」のモデルとなった水中排水量23200トンのアクーラ(NATO名:タイフーン)を3隻保有しており、それぞれに射程8700kmの「R29RM(SS-N-23スキフ)」を16基、射程8060kmの「R39(SS-N-20スタージョン)」を20基、射程8000kmの「R29DU(SS-N-18スティングレイ)」を16基搭載しています。

これらすべての潜水艦は、バレンツ海や北極海において活動していると見られています。

独自の核戦略をもっているフランスは、国産で射程6000kmのSLBM「M45」を16基搭載する水中排水量14335トンのル・トリオンファン級3隻を保有しています。

中国は射程2700~3600kmの「JL1」を12基搭載する水中排水量7000トンのシア(夏)級を1隻保有しています。

アメリカの戦略ミサイル潜水艦には1隻あたり2チームが割り当てられ、1チームが約3か月の警戒任務を担い、寄港すると乗員チームが交代し、直ちに次の任務に出港するといった態勢がとられています。

このため、オーバーホールと燃料棒の交換を除けば、戦略ミサイル潜水艦は常時海中で警戒任務を遂行できるのです。

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