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イスラエルの情報機関 モサド

情報機関というと、最も名前の知れているのはCIAだと思いますが、CIAに負けない情報収集能力をもつといわれる機関が、中東にあることはご存知でしょうか。

その情報機関は、イスラエル諜報特務庁と言い、ヘブライ語では、「ハーモサッド・レーモディイン・ウーレータフキディム・メユハディム」、通称はモサドです。

モサドとは何か

モサドは、対外の諜報活動、特務工作を担当する機関であり、法的には存在しないことになっています。

この辺がCIAよりも秘密めいており、様々な憶測を呼ぶ原因となっているのでしょう。

ちなみに理念としては、旧約聖書にある「助言なしには人は倒れる、安全と救済は多くの助言者の中にある」としており、法的には存在しないにもかかわらず、何故か公式サイトが存在します。

特務工作の中には、秘密工作もふくまれており、当然暗殺も行いますし、対テロリズム活動も重要な任務です。

また、ユダヤ人国家のイスラエルの諜報機関のため、第2次世界大戦の旧ドイツ戦犯の捜索も、熱心に行っています。

これはヒトラーが行った、ユダヤ人に対する行為が元となっているので、後数十年もしたら必要がなくなる任務となるでしょう。

いずれにしてもモサドは、世界中に散らばるユダヤ人の人脈をもっており、情報網は強大で、CIAよりも収集力があるとさえ言われています。

そもそも近隣のアラブ国家自体が非常に情勢不安定ですから、CIAよりも神経を使っているかもしれませんね。

モサドの局員はどうやって選ばれるか

モサドの局員採用に関しては、非常に慎重であることでも知られています。

まず、採用するかどうか迷った段階で、適格者かどうか、数年かけて調査し、その後も、知性や体力は勿論、思想や品性、社交性までありとあらゆる面で精査される運びとなっています。

また長官に関しては、政治任命で決定され、最高でも8年(1期4年なので2期まで)勤められる、とされています。

有名な長官について

初代長官はルーヴェン・シロアッフ。

モサド創設期の第一人者ですが、任期は3年で終了。

その間に、モサドと平行して存在していた情報機関を解散させたことで、所属していた局員が公文書を焼くなどの反乱をおこしてしまいました。

創設期に活躍したもう一人の人物、イサル・ハルエル。

長官を務めた後は、イスラエルの国会議員として活動した有名人物。

日本でも当時のニュースでは時折その名前があげられました。

イスラエル総保安庁創設者としても有名です。

現在より1世代前の長官、メイールダガン。

2002年から2011年まで長官を務めていた人物で、中東での戦争が激化している時期でもあり、活動内容が様々なメディアで報道されました。

モサドの歴史

モサドには2つのの源流があり、その1つがイギリス委任統治領、パレスチナの政治的機構であったユダヤ機関。

もうひとつが、ハガナー情報局(同じくパレスチナにあったユダヤ人社会の軍事組織)の英国課です。

イスラエル独立後(1948年)に、ハガナー情報局が解体され、まず三つの組織に再編されました。

By: gnuckx

それが、外務省政治局(ハーマフラカ・ハーメディニィート)、イスラエル保安庁(シェルート・ハービタホン)、イスラエル参謀本部作戦局諜報課(マフラカット・ハーモディイン)です。

この中でも、問題のあった情報機関が外務省政治局なわけですが、諜報活動にかかる資金は莫大で、イスラエル建国時においては非常にじゃまとなってしまい、他の情報機関から嫌われていました。

そうであるにもかかわらず、情報の質は非常に低く、他の情報機関も独自に諜報活動をしていたのが現実で、イスラエルの情報機関全体が混乱状態に。

国の安全保障問題と費用を考えると、これは非常に好ましくない状態だったので、1つの強力な情報機関をつくろうということで生まれたのがモサドです。

当時の首相、ベン・グリオンは1949年に上記にあった3つの組織を調整すべく、シロアッフ(初代長官になる人物)に命令し、創設されており、公式サイトではこの年を創設年としています。

モサドの構成員と機構

構成員の数は、秘密組織のようなものですから、正確な人数は不明ですが、一般的には1500人から、2000人いるといわれています。

しかしこれは正職員の数で、世界中に存在するユダヤ人の協力者を考えると途方もない人数かもしれません。

機構は、大きく分けて工作担当と行政管理担当にわかれています。

このうち、工作担当に属するツォメトが、モサド最大の部署で、諜報活動をメインとしています。他の工作部署は以下の通り。

ネヴィオト

追尾、偵察視察、盗聴などをもちいて対象の行動を監視する部署

メトツァダ

実力行使、特殊作戦を担当する部署。
この中でキドンとよばれる機関が、暗殺を担当しています。

LAP

心理戦を担当、情報操作やプロパガンダなど。

テヴェリ

友好国との連絡を担当

ツァフリリム

全世界のユダヤ人の保護を担当。
日本のニュースなどもでよく登場する部署。

技術工作課

作戦に必要な物資の開発や調達を担当

モサドの問題点

他の情報機関にもいえることですが、各国の偽造パスポートを利用している疑いが特につよい機関であり、2010年に、パレスチナのハマース軍事部門創設者である、マフムード・マブーフが、ドバイで暗殺された事件において、ドバイの警察当局が、暗殺はモサドによるものと発表。

同時に犯行には偽造パスポート(イギリスやオーストラリアのもの)が利用されたと発表し、イギリスの偽造パスポートの発行に関わったとされる、イスラエル人外交官はイギリスから国外追放されました。

海外ドラマなどをみていると、当たり前のように登場する偽造パスポートですが、現実に公に出てしまえば、非常に大きな問題となるわけです。

なので、基本的に偽造パスポートが見つかった場合は、関わったとされる職員を数名クビにして、無かったことにされてしまうわけですね。

モサドが多く登場する海外ドラマ

CIAとの比較やライバル、協力者など色々なパターンで、海外ドラマでは多く登場するモサド。

中でも多く登場するのは「ネイビー犯罪捜査班」ではないでしょうか。

2003年から放映開始し、今でも根強い人気をもって放映されている作品ですが、作中ではモサドの局長や元職員、現役職員などの役柄で多数登場します。

モサドで勘違いされる事

よく勘違いしがちなのは、中東にある機関だからと、犯罪組織に連なる巨大な機関だと思われることですが、アメリカにテロ行為を仕掛けた組織などとは、まったく別です。

By: gnuckx

確かに、北にレバノン、北東にシリア、東にヨルダンと、非常に治安の悪い国に囲まれている国ではありますが、住んでいるのはアラブ人ではなくユダヤ人です。

アラブ人が悪人だというわけではけしてありませんが、犯罪組織を内包しているとして、名前が挙がるのはアラブ諸国であって、むしろユダヤ人(イスラエル)との仲は最悪。

そもそもイスラエルは、ユダヤ人の国として作られたわけですから、そこにすんでいたアラブ人との間で抗争がおきてしまっているわけです。(俗に言うパレスチナ問題)

いずれにしても、モサドが置かれている環境は非常に厳しいでしょう。

世界各国の情報収集もそうですが、紛争地域の真っ只中にある国ですから、CIAと比べても、そん色ないくらい情報力が必要なのも道理です。

あまり表舞台に出ない組織なので、有名じゃないかもしれませんが、軍事社会の中では絶対無視できない情報機関です。

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