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ボディアーマーとは

ボディアーマーとは、日本では防弾ベストなどと呼ばれ、その名の通り銃弾などから、体を保護する防護服です。

日本はアメリカのような銃社会ではないため、みかける機会はほとんどありませんが、国内でも自衛隊の隊員は着用していますし、警察官や警備員なども、必要に応じて装備しています。

銃社会であるアメリカにおいても、一般市民がボディアーマーを購入するのは、実は非常に難しいのが現状です。

理由は、一般にボディアーマーを販売してしまうと、ギャングや犯罪者も簡単に手に入れることが出来てしまい、彼らの装備が強化されかねないからだと言われています。

危険な環境下で、特に重要視されるボディアーマーは、軍用の防護服として長い歴史をもっており、常に改良が常に重ねられています。

ボディアーマーの歴史

中世末期のヨーロッパにおいて、マスケット銃が戦場で用いられるようになると、その威力に対抗するため、よろいの前面を厚く加工したり、積層構造をもちいて、銃弾を防ぐ試みも盛んに行われますが、たいした効果はなく、一般的に普及しませんでした。

19世紀にもなると、銃は更に進化し、薄い鉄板のフルアーマーは、身を守る装甲としての意味を持たなくなってしまいました。

その後、全身を覆うフルアーマーでなく、致命傷になりかねない胴や頭部の装甲を分厚くすることで、銃弾を防ごうと考えるようになります。

しかし、これもマシンガンの登場により、その火力にはとても太刀打ちできるものではなく、すぐにその意味を失うことになります。

そんな中、20世紀初頭にアメリカのカシミール・ゼグレンが、新たなボディーアーマーの開発に取り組みました。

彼は元々聖職者でしたが、シカゴ市長がマシンガンで撃ち殺された事件をきっかけに、もっと丈夫な防具を作ろうと決意します。

最初は鋼鉄に目をつけ、次に絹の弾力を利用して銃弾を止められないかと考え、ついには繊維を四層織りにすることで、銃弾にも強いボディーアーマーが作れる事を発見します。

驚く事に、彼はそのボディーアーマーの性能を市民に分かってもらうため、シカゴ劇場において、みずからボディーアーマーを着込み、同僚に銃で撃たせるというデモンストレーションを公開。

その結果銃弾は貫通せず、彼の作ったボディーアーマーが非常に優秀である事が一般に認知されます。

このゼクレンが作り出したボディーアーマーは、当時800ドル(現在の日本円に換算すると150万円以上)もの価格で販売され、非常に高価でした。

しかし、1914年には第一次世界大戦のきっかけとなるサラエボ事件が起こり、皮肉な事に、このボディーアーマーを着ていたハンガリー帝国皇太子が射殺されてしまいます。

ナイロン製のボディアーマー

ボディアーマーが脚光をあつめたのが、第二次世界大戦中のイギリス軍が開発したナイロン製のボディアーマーです。

これは対砲弾片用として非常に効果があり、兵士の生存率をあげることに繋がりました。

そして、アメリカ軍においても更に改良した、ナイロン製のボディーアーマーが登場し、兵士の安全に大きく貢献したため、兵士の標準装備としてボディアーマーが一気に普及することになりました。

1980年代になると、現在でも防弾素材として有名なケブラー製のボディーアーマーが登場。

これは拳銃弾や砲弾には非常に効果が高く、重宝されます、1990年になるとケブラー製のボディーアーマーにセラミックプレートを組み込むことで、ライフル弾も防げる、新しいボディアーマーが開発されました。

現在は対テロ装備として、さらに必要性が増し、ボディーアーマーの開発はさらに加速しているのが現状です。

ちなみに、今一番の難題は機能性と防御力の両立で、防御力をあげればあげるほど、重く機能性が落ちるのため、機動性も求められる軍用としては問題があるというわけです。

さらに耐久力の面でも問題があり、素材の劣化を考慮すると3年程度が使用限度で、ボディーアーマーは5年もたてば、使い物にならなくなってしまいます。

さらに、一度でも被弾したボディーアーマーは著しく性能が落ちてしまうため、使い物になりません。

そのため、コスト面での改善点が多く、未だ多くの問題を残しています。

ボディアーマーの規格

ボディーアーマーの規格は、アメリカ合衆国司法省の国家司法研究所のが定めた規格が基準とされており、クラスの種類は「I」「II-A」「II」「III-A」「III」「IV」の六種類です。

このうち、「III」「IV」の基準をクリアしたボディアーマーは、ライフル弾にも耐えうる性能を持つとされており、「IV」においては徹甲弾も耐えるとされています。

日本における銃犯罪の、その殆どがハンドガンであるため、III以上をクリアしていれば、安心だといわれています。

しかし、100%防げるという保証はありませんし、着用部分以外に当たると意味がありません。

とはいえ、ボディアーマーを着用すれば、格段に生存率があがるので、銃撃戦が起こった時、警察官や機動隊に属する人間は、必ずと言っていいほどボディアーマーを装備しています、

ボディアーマーに用いられる素材は、大きく分けると「繊維」「セラミック」「金属」の3種類となっています。

今、最も丈夫とされているのが「超高分子量ポリエチレン繊維」という素材で、劣化しにくく、かつ軽量な為、ボディアーマーに良く用いられています。
(しかし、熱には弱いという欠点があり、改良の余地はまだまだあります)

セラミックに関しては、分厚いセラミックの裏地に、防弾不織布を当てたものが最も防御力が高く、徹甲弾にも耐えるとされていますが、セラミックは非常に重いため、これも改良の余地があります。

最後に金属ですが、金属はその重さが最大のネックで、そのわりに防弾性能も低いため、現在はあまり使われていません。

ボディーアーマーを防御力を重視で選ぶなら、超高分子量ポリエチレン繊維のベストに加え、セラミックプレートを取り付けたものが、現在では最も頑丈だという事になるでしょう。

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