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軍隊をうごかす

Military Logistics

軍隊を動かす、部隊を指揮する、勝利へと導くには戦略が必要、しかし勝つためならどんな方法や手段をとっても良い訳ではなく、国際的に厳格に定められたルールがある。

ジュネーブ条約、ハーグ条約では「捕虜を非人間的な扱いをしてはならない」、「捕虜の武器は取り上げても、ヘルメット、水筒、ガスマスクなど身を守るものを取り上げてはならない」「情報を聞き出そうとして拷問してはならない」など、様々な詳細な内容が決められている。

戦争に勝つためには、敵の規模と敵の部隊がどこにいて、今後どのような行動とる予定か、などの情報は勝利を手に入れるために重要な要因ですが、しかし、そのために捕虜を拷問するなどは禁止されており、もし発覚した場合は国際的な問題となり、戦争に勝っても、あらゆる方向から叩かれることは必至でしょう。

また非人間的な兵器の筆頭に挙がるクラスター爆弾(不発弾で関係のない民間人を巻き込む)、ダムダム弾(致命的なダメージを与える)等の武器の使用は条約で禁止されている。

このようなルールのもと、各国の軍は自国と自国の国民を守るため、軍隊を保持し運用してる。

腹が減っては戦は出来ない

部隊を動かすうえで重要なのはいくつかありますが、最も重要なのは兵站(補給)でしょう。

日本は先の大戦で、兵站を軽んじていたため補給線が伸び切り、武器弾薬、食料などの補給が前線に届かず、多くの将兵を無駄に失うこととなった。

当時、軍を動かしていたエリートたちが補給の重要性がわかっていなかったのか、根拠のない過信があったのか、その両方か定かではありませんが、結果として第一線で戦う兵士ことなど、本気で考えていなかったとも思える。

しかし、現在の自衛隊でも補給線の確保や、補給量の充実といったことに、とんと無頓着(それ以前に補給すべき物品が欠品、不足しているという笑えない現状もあるのだが)現場の兵士が補給品を当てにしておらず、私費で買い求めた食料や日常品、銃のアクセサリー、装備で戦っているのが現状だった。

燃料、弾薬は戦闘力に直結する重要な要素ですが、燃料だけ見ても、いざ戦争が始まった場合、必要量を確保できるのか疑問だし、弾薬に至っては明らかに足りてない。

先の東日本大震災の時は補給がうまくいかず、食料に関してはかろうじて被災者には温かい食事、隊員には戦闘糧食がいきわたっていたようだが、特に暖をとるためのストーブ用の灯油は数週間もの間、現地で調達することも補給することもできなかった。

アメリカの補給に対する考え方

自衛隊のOH-1というヘリコプターはメーカーとの協力体制をうまく確立できず、部品が慢性的に不足し、中国、北朝鮮を笑えないような共食い整備で凌いでいるような状態、日常の訓練、平時に於いて、物資の欠品状態に喘いでいて、戦時に大量に部品を消耗する場合、どうするのかと首をかしげたくなる。
(その原因は100機納入する予定が、突然掌返して40機程度で調達終了するという嫌がらせともとれる仕打ちへの仕返しとも言われている)

一方、アメリカの軍隊では軍トップが考えている事がまず補給であり、自衛隊と比べて物資の補給が明らかに充実、兵站をとても重要視していることが伺える。

軍トップが補給、燃料、弾薬、人員、兵器の効率的で迅速な輸送を考え、細部の先頭については下級指揮官、現地部隊に一任する、というやり方は現在でもアメリカ軍のスタイルとして一貫している。

湾岸戦争の話やデータを見てみても、上級指揮官(軍のトップ)は補給に細心の注意を払っていたことがわかる。

余談だが、アメリカ軍の乗り物は戦車、自動車、ヘリコプター、戦闘機に至るまですべて一つの燃料に統一されており、ガソリン、航空燃料、灯油、軽油とそれぞれについて補給量を考える必要はないため、とても合理的なやり方である。

戦闘ヘリアパッチについても、連続して休みなく攻撃できるよう前線に限りなく近い位置に燃料、弾薬補給点を設けている。

兵士に対する補給も極めて暑い砂漠でも快適に過ごせるようにと兵舎にはクーラーが当たり前、暇つぶし用にゲームボーイまで支給していたというから、補給と兵士を大事にする意識の高さを見ることができる。

指揮官の役割

上級指揮官は全体的な作戦、およびタイムスケジュールと戦略を考え目標を部隊に与えるが、目標があまりに簡単で現実的すぎると、下級部隊から不平不満が出るだろうし、無茶な目標を設定のため部隊が無茶な行動をとれば損耗を呼び、目標が達成できないかもしれない、目標設定は重要である。

あとは部隊が困らないように補給の事をしっかりと練って、あと細部の戦闘や戦術は、もっと小さいユニットの舞台に任せ、実際に戦闘するのは現場の部隊であり、現場の部隊が経験したり、見聞きしたことは上級指揮官の耳に入る頃にはフィルターがいくつも掛っている。

現場でしか対応できないことは現場に任せ、統制したほうがいいと判断した事のみ、上級部隊が口出しするようでないと、無駄で現場に即さない変な統制ばかりが増え、現場が混乱する。

たとえば、イラク戦争では前進して索敵しては攻撃し、索敵しては攻撃しを繰り返しながら前進していったようだが、統制線は設けていたものの少し大雑把過ぎて、友軍誤射の事故が何件かあったようだ。

戦車等はお互い隠れながら索敵するから、ちょっと砲身が見えたとか、車体の一部が見えた、という段階で砲撃してしまい、味方部隊に対して射撃してしまうことがあった、それを聞いた上級部隊は直ちに味方の戦車だとすぐ分かるようにある対策を講じたそうだ。

最近は教訓を活かし、戦車の自己位置情報をコンピュータネットワークでコネクトし、味方戦車の位置が画面上で確認できるようにしたことで友軍誤射を避けられるようになってきた、と聞いている。

サバゲ等をやってみると分かるが、お互い隠れながら相手を先に見つけて攻撃しようとするので、確認が不十分だと味方を射撃してしまうことになるし、あまりにも確認を厳重に行って時間がかかっているようだと、敵だった場合相手に先制攻撃を許してしまう結果となる。

敵情報の伝達「木のバリケードの裏に2人いますよ!」という情報が共有されることにより、味方部隊による攻撃を促し、濃密な火網を構成することができる。
(狭いフィールドに大人数が混在すると正面切っての撃ちあいばかりだが)

また、指揮官の人間性にも起因するものが大きい、「この指揮官についていきたい」「この指揮官に手柄を取らせたい」と思われるような人物でなければ、命のかかった戦場で勇猛果敢な行動などできるはずもなく、最後の最後はそういう信じる心というか、指揮官に対する信頼が大きいのではないかと思う。

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