東京マルイから発売されている電動ガンU.S.ライフル M14 ウッドストックver.のレビューです。
電動ガンのM14はストックのカラーが2バージョンがあり、素材はどちらも樹脂製ですが、木目調の塗装がされたウッドストック版と無地のOD塗装がされたODカラー版の2種類があります。
2バージョンに大きな差はストックのカラーリング以外は無く、パーツなどは共通のものになっています。
モデルとなっているのはアメリカのスプリングフィールド造兵廠が開発した自動小銃スプリングフィールドM14です。
また、銃器としての分類はアサルトライフルともバトルライフルとも言われていますが、使用弾薬はフルサイズの7.62×51mm NATO弾を使用することもあり、最近はバトルライフルとする事が多いようです。
評価は時代によって大きく異なっており、初期にはアサルトライフルとして採用されたに近い状態だった上に環境に適応できない部分もあり落第点を受けることになりましたが、その後の評価は変化しておりアサルトライフルとしては落第点だったが、バトルライフルとしては優秀という評価をされることも少なくありません詳しくは後述。
米軍内での制式名ではUnited States Rifle,7.62mm,M14,という名称になっており、東京マルイから発売されている商品名はU.S.ライフルM14なので、米軍内の制式名のほうを採用しているようです。
実銃のM14は第二次世界大戦から朝鮮戦争まで20世紀中期にアメリカ軍で使われていた、M1ガーランドの改良型ライフルとして開発され、その後はベトナム戦争への投入がされました。
ベトナム戦争で戦場となった場所の大半は高湿度、視界不良のジャングルでしたが、ジャングルではM14持ち前の長射程を活かせないことに加え、近接戦闘を強いられることになったため、長い銃身が邪魔になってしまうことになりました。
また、ジャングル内の高い湿度は木製のストックを腐食させてしまい、銃自体が使えないというトラブルも多発しましたため、ベトナム戦争では、長所を活かしきれずに終わってしまいます。
その後はM14よりも低反動・高初速のアサルトライフルが登場したこともあり、制式採用から退くことになりましたが、その一方で制式採用開始初期のM16はデリケートな部分が多く、清掃を怠るとすぐに動作不良や弾詰まりなどのトラブルを起こしており、これらのトラブルを嫌った兵士の中には制式採用がM16へと転換した後もこれの使用を拒否、M14を使用し続けた兵士も居たそうです。
M14自体は4~500mまでの精度が良好な銃であったため、M14をベースに狙撃銃M21が開発されるなど、制式採用からは外された後も発展・使用がされ続けています。
特に狙撃銃として改修されたM21はアメリカ陸軍の制式狙撃銃として長らく使用されるなど高い評価を得ています。
M16が制式採用されたことで倉庫の死蔵されることになったM14ですが、2000年以降にアフガニスタンやイラクでの戦闘が増えたことにより、その評価が大きく変わります。
これらの戦場は見晴らしが良く、広大な範囲に渡るという、奇しくもベトナム戦争の戦場となったジャングルとは真反対の条件でした。
当時の標準装備であったM4やM16は扱い易い一方で射程が短く、広大な戦場では不利になっていました。
そこで目を付けられたのが軍倉庫に大量に死蔵されていたM14です。
アメリカ軍はこれを銃器メーカーに近代化と改修を依頼、ナイツ社のRASやセージ社のEBRなどを流用し、ストックなどをFRPや軽合金などのストックに変更したものが多数投入されました。
外装こそM14から大きくかけ離れた外見になりましたが、内装はほぼM14そのままであるなど、内部構造の評価自体は高いことが伺える改修内容になっています。
また、戦闘以外でもM14とM21は儀典用や戦没者葬礼用の礼砲用銃として使われるなどの使用がされているほか、海軍では洋上補給時のもやい銃として使用されていますもやい銃=船同士の間を連絡させるためのロープなどを発射するためのもの。
洋上補給では、船同士の間が結構空いているため、ロープを船同士で渡し、それを伝ってさらに大きなロープやパイプを渡して…と洋上補給します。
パッケージは、本体の全長に対応してとても長くなっています。
箱は段ボール製、パッケージ内は敷き布の上にM14本体が収められています。
内容物は、本体、マガジン、保護キャップ、取扱説明書、簡易BBローダー、クリーニングロッド、BB弾0.2gを200発、パーツリスト&発注書となっています。
各部について見ていきます。
通常の電動ガンのため、ブローバックギミックなどは再現されていませんが、ボルトハンドルの操作とそれに連動したボルトの後退が再現されています。
東京マルイの公式HPによればボルトハンドルのストロークは実銃同様のフルストロークとのこと。
ボルトハンドルを引くと、ロータリーボルトが半回転しつつ引き込まれるリアルな動作になっています。
また、左側面にはダミーですがボルトリリースレバーも再現されています。
金属パーツを多用しているため、操作時にジャキィンッ!と実銃のようなリアルな金属音がします。
操作していて雰囲気が盛り上がるためとても楽しいです。
また、分解しないと見ることが出来ませんが、レシーバー内部のガスピストンなども再現されています。
フロントサイトは固定タイプ、リアサイトは上下左右の調整が可能なタイプです、リアサイトの調整方法も、時代を感じさせるデザインになっておりいい意味で古臭さを感じさせながらも質実剛健な雰囲気が出ています。
上下の調整ダイヤルを操作すると、ピープサイトがにょきにょきと飛び出てくるため、初めて操作するときは少し驚くかもしれません。
アウターバレルはアルミ製で軽さと剛性を意識した作りになっています。
フラッシュハイダーはフロントサイトと一体型になっているためハイダーを取り外して使用する場合にはフロントサイトも取り外すことになります。
取り外し方はフロントサイト下部前面にあるイモネジを緩めることにより、フロントサイト下部のリングのロックが解除され、このリングを回すことで、フラッシュハイダーを取り外すことが出来ます。
ネジは東京マルイ共通の逆ネジ仕様なため、各種マズルオプションを使用可能です。
ストックは樹脂製の表面を木目調仕上げしたもので、バットプレートが金属性になっています。
バットプレートは上方向へ展開し、ショルダーレストとして使用可能です。
このバットプレートのショルダーレスト機能が便利で、重いM14を構える際にかなりラクになります。
また、ショルダーレストを展開した際にストック底部にあるカバーを開くと、バッテリースペースにアクセス出来るようになっています。
使用可能なバッテリーはラージバッテリーが使用可能です。
可変HOPの調整はマガジンを挿入する場所の手前、少し奥まった位置にあるダイヤルの操作で調整が可能です。
マガジンを装着した状態でもダイヤルへのアクセスが可能になっており、撃って調整して、撃って調整してという細かい調整もし易くなっています。
マガジンは、表面をスチールプレス製のアウターで覆われたタイプになっています。
標準タイプでは70発、多段タイプでは440発装填可能です。
装着方法は、AKやG3などと同様のマガジン前部を引っ掛けてから後部を差し込むタイプになっています。
セレクターはレシーバー右側面にあるツマミを回転させることでセミ・フルの切替操作が可能です。
ツマミにはAの刻印が片面にのみされており、この刻印が射手から見える位置がフルオート、見えない位置がセミオート位置となっています。
セミフルの確認がし易い面もありますが、切替に180度回転させる必要があるため素早い切替には少し慣れが必要です。
セフティはトリガーガード前部にあるプレートを前後にスライドさせることでセフティのオン・オフが可能です。
トリガーガード内部にプレートが入っている状態がセフティオン、トリガーガードの外に出ている状態がセフティオフです。
セフティオン状態の場合にはトリガーガード内に指を入れられない状態になるため、操作面での安全も確保されています。
実射感は言わずもがなのマルイ製で、安定した性能です。
それ以上にM14で大きなメリットは箱出し状態の長物電動ガンとしては珍しいかなり剛性が高いという点です。
次世代電動ガンなどは金属製のパーツが増えているため、通常の電動ガンよりも剛性が上がっている事が多いですが、M14は次世代電動ガンにも負けないほど剛性が高くなっています。
クラシカルなデザインをしていますが、扱いやすく、剛性の高さもあり安心してゲームに投入できると思います。
長物電動ガンを始めて買うという人にもオススメの電動ガンです。