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東京マルイ M870 タクティカル ガスショットガン レビュー

東京マルイ M870 タクティカル

東京マルイが発売しているガス式ショットガンM870タクティカルについてのレビューです。

モデルとなっているのはアメリカの銃器メーカー、レミントン・アームズが開発したショットガン「レミントンM870」です。

開発時期は1960年代中期と、決して新しいとは言えないモデルですが、性能・信頼性ともに安定しており、ポンプアクション方式のショットガンの代表格の一つとして、民間の狩猟用や警察・軍隊などの公的機関の戦闘用など様々な用途で利用されているショットガンの一つです。

ポンプアクション方式のこの銃が、今なお多くの人に愛用されている理由は動作の確実性に大きなメリットであることです。

また、レミントン社製らしい堅牢な構造による高い耐久性も、ユーザーを増やす要因の一つです。

開発当時から現在に至るまで、動作ユニットなどに大きな変化こそありませんが、全長を短くしたポリスモデルや、ストックを装備したウィングマスターなど、様々なバリエーションが存在しており、あらゆる場面に対応しています。

またマスターキーや、ドアブリーチャーと呼ばれるM4カービンのバレルガード下部に装備し、ドアの蝶番や錠前を破壊することが出来るように短銃身化したモデルも存在します。

余談ですが、レミントンM870は各国の警察や軍隊で広く採用されているだけでなく、日本国内でも狩猟用として輸入されているため、国内の銃砲店でも見かけることがあります。

なお、国内の法律に適合させるために装弾数は2+1発と本来の装弾数である4~8+1発よりも減らされています。

ガスガンのM870の特徴は、やはりショットガンらしさを再現するための同時発射数かと思います。

このモデル以外にも、一度に複数発発射できるガスガンやエアガンはありましたが、どれも何かしらの欠点を抱えていて、サバイバルゲームに持ち込むには不安がある物が大半でした。

マルイも3発同時発射のエアコッキングガンを発売していました。

一つのバレルから3発発射するのではなく、3本のバレルから1発ずつ同時に発射するというもので、ショットガンの内部に3挺のエアコッキングガンを内蔵しているという状態です。

そのため実射性能は安定しているのですが、コッキングが3挺分同時に行うために、非常に重いというデメリットがあります。

今回のM870はそのコッキングが非常に重いという点を、ガス式にすることにより解消したものという見方も出来ます。

ガス式になったのと同時に、同時発射数も3発発射から3発と6発で切り替え可能になって、よりショットガンらしさが出ました。

一方で3本のインナーバレルと3個のチャンバーを持つ方式自体に変更は無いため、実射性能は非常に安定しています。

外見はレシーバーが亜鉛ダイキャスト製になっており、エアコッキングガンとは違った上質な質感になっています。

一方で気をつけたい点として、レシーバーとストックの接合部は非常にガッシリした作りになっている反面、レシーバーとバレルの接合部は、僅かに左右にグラつきます。

フォアエンドの操作程度で大きく曲がることはありませんが、インドアでのサバイバルゲームなどでは壁に、強くぶつけたりしないほうがいいかと思います。

フロントサイトはショットガンにしては珍しく、かなりしっかりした作りになっています。

ホワイトドットが打たれているため、非常に見やすくなっています。

リアサイトはレシーバー上部に装備されたレイルマウント後部にゴーストリングサイトが装備されています。

ベースに付いているネジの調整で左右、サイトリング自体を回転させることにより上下の調整も可能になっています。

またレイルマウントにドットサイトなどを搭載する場合など、リアサイトが邪魔になる場合には取り外すことも可能です。

マガジンはエアコッキングショットガンと同デザインのショットシェル型マガジンを使用します。

M870本体には白いシェルマガジンが付属しており、シェル自体のデザインも新しいものになっています。

ショットシェル型マガジン内に最大30発まで装填可能になっていますが、30発目はかなりギリギリになるため、実質的には29発が現実的です。

なお、現在発売されているマガジンは、30発装填可能なように修正されたものが市販されています。

M870本体へのセットはトリガーガード横のマガジンリリースレバーを押すことにより、レシーバー下部にあるキャリアという蓋が開くため、その内部へショットシェル型マガジンをセットします。

実銃ではここからバレルチューブ方向へ押し込むことにより、複数発のショットシェルを装填することが可能ですが、このM870ではレシーバー内に1発のみをセットする形になっています。

予備のマガジンをマガジンチューブのエンドキャップを外すことにより、内部に2発分まで収納が可能になっています。

ただし、エンドキャップを外すためには結構な回転数が必要なためゲーム中に交換することを考えると、サバイバルゲームで使用する場合には別売のショットシェルホルダーを使用するほうが使い易いと思います。

最大の特徴である、3-6発の切り替えはフォアエンドを最大まで引いたときに、僅かに後退するエジェクションポートの内部にある、切り替え用のスライドスイッチを操作することにより行います。

前にスライドさせると6発、後ろにスライドさせると3発になります。

切り替えスイッチといっても、スライド幅は僅か数mm程度と非常に短くなっています。

また、東京マルイ製の電動ガンなどはエジェクションポートから可変HOPUPの調整を行うモデルが多いですが、M870は固定HOPのため、エジェクションポート内に調整用のダイヤルなどはありません。

発射数を切り替える際、フォアエンドを最大まで後退させる必要があるため、切り替え後最初の一回は切り替え前の発射数で発射されます。

また、一度フォアエンドを後退させ装填すると、前進位置でロックがかかる仕組みなっています。

このため間違えて二回引いてしまったりというミスが抑制されます。

前述したとおりインナーバレルは3本になっています。

6発発射の際には1本から2発ずつ発射しますが、6発全てのBB弾にHOPをかけるために新機構として、ダブルホップアップチャンバーを採用しています。

ガスタンクはストック内部に存在しますが、取り外し可能になっています。取り外しの方法はバットプレートを取り外し、内部にガスタンクをセットする方式になっています。

そのため、ストック内蔵式のタンクと違いゲーム中などに別のガスタンクに交換することが可能です。

ガスタンクの容量はおよそ50gあり、フルにガスを充填すると100回近く撃つ事が可能です。しかし、あまり間隔をあけずに連射するとガスタンクが冷えるため、初速の低下などが発生します。

圧力安全弁が装備されているため、真夏などに高圧状態になってしまった場合には、自動でガス漏れを起こし、安全な圧力になるまで減圧してくれます。

実射性能ですが、3発発射時にはかなりの射程があります。

BB弾側の個体差なのか稀におかしな方向へ飛んでいくBB弾もありますが、それ以外は非常に安定した弾道を描いてかなりの距離飛んでいきます。

6発発射時には3発のときよりも広範囲に散らばるようになります。

1発から2発へ増えることが原因なのか初速が落ち、射程も短くなりますが、逆にショットガンらしさが増したようにも見えます。

全体的に見ると、普通に自室で撃って遊ぶだけなら3-6発の同時発射はそれほど魅力的ではないかもしれません。

しかし、サバイバルゲームではどうかというと話が変わります。

サバイバルゲームでは3発同時に飛んでくるだけでも、かなり脅威だったりします。

更に射程も長いためM870はゲームでもかなり使い勝手がいいように感じました。

比較的近い距離の場合やインドア戦の場合などには6発に切り替えて面攻撃も可能で、レシーバーとバレルの接合部の剛性が弱めという点がありましたが、それ以外は概ね良いと思います。

アウトドア戦でも使える長射程の3発発射と、インドア戦で強力な面攻撃が可能な6発発射と、自由に切り替えが可能な点など、東京マルイが新しいガスガンとして押し出してきただけのことはあると思いました。

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