平成27年の2月上旬の報道によると、イスラム国(ISIS)と呼んでいるテロリストの支配地へ有志連合により空爆が行われたという。
このような書き方をするのは、報道管制が行われて報道の自由がないからである。
一方のイスラム国(ISIS)側も、インターネット上で動画を公開しているが、検証できないために言いっ放し同然になっている。
敵視された側は、当然占領された地域の奪還のためには空爆だけでは十分ではない。
レーザーや赤外線などで検知し、遠距離から爆撃するのが主流だが、やはり地上戦により領土を奪還しなければ再び誘拐されたり自爆攻撃に遭うことになる。
ウクライナ対ロシアの関係する紛争については、ドイツとフランスが介入して話し合われた首脳会談が平成27年2月12日に行われ、15日に停戦するとの合意があったと報道されていた。
しかし、同様の停戦合意は過去何度も破られたことがあるので、今後の平和を保証したものではない。
このような世界情勢の中で、我国は安全保障法制の整備に着手しようとしている。
そこで、この機会に事実上の軍隊である自衛隊の装備等を再確認する必要があると思い、公表されている情報をもとに以下に陸上自衛隊、航空自衛隊、海上自衛隊の順で整理してみることにする。
陸上自衛隊
陸上自衛隊では毎年火力演習が行われ、その様子はYOU TUBEにアップされているので、誰でも閲覧可能だ。
平成25年度富士総合火力演習では、特定された地点に対し、遠距離火力である特科火力(特科部隊)が使われており、高射機関砲や装甲戦闘車、戦車、対戦車誘導弾、偵察警戒車が見られた。
600メートルから800メートルの目標地点までに対しては、機関銃や携帯用の対戦車弾、84ミリ無反動砲が使用され、対戦車誘導弾(対戦車部隊)には87式対戦車誘導弾、中距離多目的誘導弾、96式多目的誘導弾システムが使われていた。
多目的誘導弾や迫撃砲、対戦車誘導弾は中距離火力と言われ、装甲戦闘車や軽装甲機動車、装輪装甲車、指向性散弾を近距離火力と言われており、ヘリコプターは対戦車用と戦闘用のものが使われていた。
F15やヘリコプター向けの対空火力としては87式自走高射機関砲、戦車火力は90(きゅうまる)式戦車や10(ひとまる)式戦車、74式戦車が使われていた。
155ミリりゅう弾砲FH-70は主力火砲であり、203ミリ自走りゅう弾砲は最大口径という特徴がある。
火砲には他に99式自走りゅう弾砲があり、携帯して運べる迫撃砲には81ミリと120ミリが使われ、他に空挺部隊の空挺降下が行われた。
航空自衛隊
一人乗り戦闘機であるF-15は、マッハ2.5という最大速度を誇り、最大航続距離は約2500kmである。
M-61A20ミリ機関砲(940発)や空対空レーダーミサイル(4発)、空対空赤外線ミサイル(4発)を武装できる主要戦闘機である。
戦闘機は他に20ミリ機関砲、空対艦ミサイル、空対空赤外線ミサイル、空対空レーダーミサイルを武装できる「F-2」やM-61A1・20ミリ機関砲1門、空対空レーダーミサイル4発、空対空赤外線ミサイル4発を武装できる「F-4」がある。
偵察機RF-4Eは、前方監視レーダー、側方偵察レーダー、前方フレームカメラ、低高度パノラミックカメラ、高高度パノラミックカメラ、ビューファインダー、赤外線探知装置、フラッシュ発射器が主な装備で、雨や夜間でも行動できる。
警戒機には早期警戒管制機E-767があり、航続距離は約7200km(30トン積載時) 、また、E-2C早期警戒機の主要装備は、長距離捜索レーダーAPS-138、レーダー逆探装置ALR-73、データリンク装置ARC-158、ARQ-34などである。
輸送機は物資の輸送や隊員を輸送、中型輸送機のC-1とYS-11、「ハーキュリーズ」という愛称がつけられたC-130H、政府専用機で有名になった特別輸送機B-747は、見た目は旅客機である。
CH-47Jは大型燃料タンクや気象レーダー、地図表示装置、2重化慣性航法装置(GPS内蔵)、床レベリング装置などを装備している。
KC-767は空中給油・輸送機である。
次は救難機である。
U-125Aは救難捜索機である。
UH-60Jは救難ヘリコプターで、プローブ・アンド・ドローグ式の空中受油装置と、操縦席内に燃料制御パネルが取付けられているものがあり、航続距離は約1295kmとされている。
他に多用途支援機・飛行点検機、練習機、アクロバット飛行を披露するブルーインパルスがあるが、詳細は割愛する。
地対空誘導弾で地上から航空機を撃墜するミサイルシステムであるペトリオットは、某国の挑発があってミサイルが飛んでくる不安時に配備され、何度も報道されたので広く知られており、那覇などに配備されている。
複数目標に対し、同時に対処することができるもので、弾道ミサイル防衛(BMD)システムの整備は、我国に不可欠な装備と言える。
対空機関砲としてはVADSがある。
米国空軍に採用されているプレデターのような無人軍用機は、遠隔地から赤外線により標的を簡単に爆撃できる。
ボーイング社のAH-64アパッチのような攻撃用ヘリコプターより遥かに整備不良等の墜落のリスクや人的被害を軽減できるため、今後も多用されるだろう。
海上自衛隊
護衛艦や掃海艦艇、潜水艦などは広く知られている。
輸送艦「しもきた」は国際緊急援助活動としてパキスタン国際緊急航空援助隊の輸送ヘリコプターを海上輸送した。
それでは海上自衛隊の装備を以下に紹介する。
潜水艦や艦船を探知する哨戒機は、P-1固定翼機、P-3C固定翼機、SH-60J 回転翼機(ヘリコプター)、SH-60K回転翼機(ヘリコプター)である。
P-3C固定翼機は広く知られているP-3C哨戒機のことだが、海賊対処行動を行うことになっている。
つまり、不審な船舶を発見した場合などに商船などに情報提供をすることになっている。
救難機にはUS-1A固定翼機、US2固定翼機、UH-60J回転翼機(ヘリコプター)がある。
災害救助でお目にかかることがあるかもしれない。
掃海・輸送機にはC-130R固定翼機、MH-53E回転翼機(ヘリコプター)、MCH-101回転翼機(ヘリコプター)、YS-11M(-A)固定翼機がある。
多用機にはEP-3固定翼機、OP-3C固定翼機、UP-3C固定翼機、UP-3D固定翼機、U-36A固定翼機、LC90固定翼機、CH-101回転翼機がある。
練習機にはTC-90固定翼機、T5固定翼機、TH-135回転翼機、OH-6D回転翼機、OH-6DA回転翼機がある。
おわりに
以上の情報は公表されているものなので守秘義務のある機密事項ではない。
我々は過去70年間は自国の領土内が平和に保たれていた。
しかし、日米安保による核の抑止力や米軍の活動により、紛争の危険に遭わずに済んできたのである。
それから竹島の韓国による不法占拠やロシアにより北方領土の不法占有、北朝鮮の邦人拉致の問題を全面的に解決することはできていない。
そのような状況で自衛隊が活動できる範囲が拡大されたときや、真の意味で独立国として自国の国民の生命財産を守ると表明したときに、実効ある行動が可能になるようにしておくのは当然のことである。
いつまでも他国に国防を依存するのでは、特攻で犠牲になられた先人の思いに応えられないだろう。
もちろん、他国を侵略するとか戦争を望んでいるわけではない。
警察権の行使が認められているように、個別自衛権の行使をまともにできるようにすることは当然のことである。
引用・参照
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/aircraft/shokai/index.html
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/aircraft/kyunan/details/uh-60j.html
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/operation/pakistan.html
http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/