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ICS L86A2 LSW 海外製電動ガンの修理をさせて頂きました

お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理対応をさせて頂きました。

・ICS L86A2 LSW 海外製電動ガン

ご依頼内容は『バッテリー接続時、通電はするがモーターがウィーンと鳴り空転してBB弾の発射が出来ない』とのご依頼でした。

現品検査の際『バッテリーを接続して動作させると『ギャー』と異音が発生する状態』、内部調査の結果『モーターピニオンギアとベベルギアの位置ずれによる故障』でした。『カスタムモーターへ交換した際に正しくギア位置高さ調整のセッティングが出来ていなかった事が原因』になります。また、『本体基部とアウターバレルの固定が出来ておらずアウターバレルが前方に引き抜けてしまう状態』で『ガン本体自体の取り扱いが出来ない状況』でしたのでこの度オーバーホールメンテナンスと不具合箇所の部品交換、修理を実施させて頂きました。

ICS L86A2 LSW 海外製電動ガン 修理内容

ご依頼内容

『バッテリー接続時、通電はするがモーターがウィーンと鳴り空転してBB弾の発射が出来ない』

故障原因

『モーターピニオンギアとベベルギアの位置ずれによる故障』
『カスタムモーターへ交換した際に正しくセッティングが出来ていなかった事が原因』

《その他故障箇所》
外装の故障:本体基部とアウターバレルの固定が出来ておらず
アウターバレルが前方に引き抜けてしまう状況

《修理ご提案内容》
(1) オーバーホールメンテナンス、駆動系統のカスタム整備
(2) 破損したベベルギアを含め2点を強化ギアへ交換修理(セクターギアは既存品を使用)
(3) インナーバレルチャンバーユニット注油メンテナンス
(4) アウターバレル基部とアウターバレルの固定修理
(5) 初速向上/初速調整:ノンホップ時 85~80m/s(0.25gBB)の範囲内【0.25gでの調整ご希望】

ご依頼品の状態、ご使用状況

《現在のカスタム箇所》
・『東京マルイEG-1000モーター』へ交換済み、スイッチ焼け予防の為『SBD』を搭載
・メカボックス内部の駆動パーツの一部はカスタムパーツへ交換済み
・チャンバーユニットは『長掛けタイプのチャンバーパッキンカスタム』が施されている
・その他はメーカー純正状態

修理のポイント

①メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
②破損したベベルギアを含め2点を強化ギアへ交換修理(セクターギアは既存品を使用)
③駆動系統カスタム整備【ギアシム調整、ベベルギア位置出し、モーターノイズ調整】
④インナーバレル内部/チャンバーユニット清掃(外側)、注油メンテナンス
⑤アウターバレルと基部を固定修理:アウターバレルが前方へ抜けてしまう不具合を修理
⑥初速向上/初速調整:初速調整:ノンホップ時 85~80m/s(0.25gBB)の範囲内【0.25gでの調整】

修理に使用したパーツ

■計:1点
・J-ARMAMENT 強化ギアセット 【18:1】¥3,400
https://repmart.jp/products/ra01495.html

修理作業内容

1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品外観:L86はバイポッドを備えた軽支援火器 (LSW:Light Support Weapon)をモデルとしたトイガン》
《ストック後方部にマガジン装填口のある『ブルパップモデル』》
《ストック後方にはフォアグリップを搭載し金属製ショルダーレストは上部へ跳ね上げて使用可能》
《一般的なM4用マガジンを使用》
《セレクターレバー:上側はセミオート》
《下側に操作するとフルオート》《トリガー上部には『クロスボルトタイプのマニュアルセーフティ』を搭載》《銃身部にはバイポッドを装備》
《スチール製で高強度、非常にリアルな仕上がり》
《ロック部分を下げて左右へ展開》《バイポッド展開時》《バイポッドを展開した状態でガン本体を左右へスイングが出来、様々な射撃体勢に対応可》《本体右側》
《コッキングハンドルは前後に可動可能、ダストカバーとボルトキャッチもダミーながら再現されている》
《コッキングハンドルを引いてホップアップ調整ダイヤルの操作が可能》
《メインフレーム部とハンドガード部が分離している》
《ハンドガード内にバッテリーを収納するが、フロント部がアウターバレルごと前方に抜けてしまいガン本体自体の取り扱いが出来ない状態》
《バッテリーを接続して動作確認、トリガーを引くと『ギャー』という異音がするのみで発射動作は出来ない》
《本体の分解:バットプレート部のロックピンを押し出す》
《バットプレートの取り外し》
《内部にはメカユニットが見える》
《上下フレームを連結しているフレームロックピンを押し出す》
《アッパーレシーバーとロアレシーバーを分離》
《モーター接続端子を外す:非常に折れやすく注意が必要》
《アッパー/ロアレシーバー分離後》
《上下レシーバー内部には機械式のスイッチユニットを搭載》
《アッパーレシーバー接点結合部》
《ロアレシーバー内部にはスイッチユニットとトリガーバーなどが組み込まれている》
《本体テイクダウン分解後》
《アウターバレルと基部周りの調査》
《アウターバレルを固定する基部をレシーバーより取り外し》《基部パーツ》
《恐らくこの四角いプレートの取付けによりアウターバレルが固定出来るはずだが、取り付けてもバレルがすっぽ抜けてしまう》
《アウターバレルが抜けない様改善が必要》
《メカユニット》
《大型のカットオフレバーを搭載》
《スプリングガイドはQD式でメインスプリングの取り外しが容易》
《ロックピンを引き抜いてメインスプリングとスプリングガイドを取り外し》《メインスプリングの向きは逆になっている(本来はスプリングピッチの広い方が前面(ピストン側)になる)、組み上げ時に入れ替え要》《メカユニット右側》
《モーターは『東京マルイEG-1000』へ交換されておりスイッチ焼けを予防するSBDも搭載済み》
《モーターホルダー取り外し》《ブラシは摩耗しておらず状態は良い》
《メカボックス固定ネジの取り外し》
《メカボックス内部》《一般的なメカボックスとは違い開き方が左右逆になる》
《給排気パーツ類》
《金属歯ピストンは恐らくカスタム品》
《汚れはあるもののピストンヘッドの吸気性能はOK》
《インナーバレル長に合わせてフルサイズシリンダーを搭載》
《気密性の高い金属製ノズル》
《ギア部品の確認》
《ベベルギアの外周には傷が入っておりモーターピニオンギアと接触した形跡がある》
《故障原因の特定:ベベルギア側の高さ調整が合っておらずモーターピニオンギアが滑ってしまいベベルギアが回転出来ない状態》
《純正ギア3点:シム再調整含めカスタムギアへ交換要》
《分解部品検査》

2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)

3)破損したベベルギアを含め2点を強化ギアへ交換修理(セクターギアは既存品を使用)
4)ギアシム調整:ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
5)ベベルギア/モーターピニオン位置出し、モーターノイズ調整
《使用部品:J-ARMAMENT 強化ギアセット【18:1】》《ベベルギアとモーターピニオンギアの位置高さ調整》
《メカボックスケースを閉じてベベルギア上下のクリアランスチェック》
《メカボックスケースの寸法上カスタムギアは歯厚が厚く使用出来ず、歯厚の薄い純正品を使用》
《ギア回転動作のチェック》
《ギア3点上下のクリアランスをチェック》
《シム調整完了》

6)再組立て、グリスアップ、オイル注油
7)初速向上/初速調整:ノンホップ時 85~80m/s(0.25gBB)の範囲内【0.25gでの調整】
《給排気性能のチェック》
《メカボックス内部完成》
《メカユニット完成》
8)インナーバレル内部/チャンバーユニット清掃(外側)、注油メンテナンス
《チャンバーユニット》

《内部は長掛けタイプのチャンバーパッキンゴムが組み込まれており綺麗にカスタムされている》
《カスタム済みの為、無理に分解は行わずバレルとチャンバー内部の清掃のみで対応》
《チャンバーパッキン部へ注油メンテナンス》
《メンテナンス後》
《アッパーレシーバーへ組み込み》

9)アウターバレルが基部より抜けてしまう不具合を修理
《固定プレートとアウターバレル間に『何かを挟んで』抜けない様に固定する》
《柔らかい厚さ1mmのプラ板を切り出して内部にはめこみ》
《プラ板を挟んだ状態で固定プレートをネジ止め》
《強固に基部が固定されアウターバレルが引き抜けない様に改善》
《ボディの組み上げ》

《組み上げの際モーター接続端子が折れてしまった為修理》
《修理後》

《修理後のハンドガード動作確認:底面のレバーを倒すとハンドガードが開く》
《バッテリー収納が可能》
《開いたハンドガードを閉じて》
《アッパーカバーを閉じれば完成》

■最終動作確認、約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器:ACETECHにて計測】
・ノンホップ時:85m/s(0.25gBB) 適正ホップ時:75m/s(0.25gBB) サイクル数:15.7発/秒

※約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整をしています。【0.25g弾で調整済み】
※『7.4v 30C 1400mAh リポバッテリー』にて動作検査
※『東京マルイ BB弾 FINEST ファイネスト 0.25gBB弾』を使用し検査致しました。

※サイクル数の数値につきましてはご使用になられるバッテリー容量や状態により左右される為、あくまで参考値となります。

修理 カスタム担当者コメント

ご依頼頂きましたのは『ICS L86A2 LSW 海外製電動ガン』でした。上記9項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、破損したベベルギアを含め2点を強化ギアへ交換修理致しました。メカボックスケース構造の都合上、セクターギアの交換は出来なかった為既存品を使用しギアシム調整/ベベルギアの位置出し等各部を再整備、グリスアップ、オイル注油を行い再組み上げ済みです。

インナーバレル内部/チャンバーユニット清掃(外側)注油メンテナンス済み、チャンバーユニット内部はカスタム済みの為分解は行っていません。アウターバレルが基部より抜けてしまう不具合が御座いましたので基部の内側に抜け留めのプレート(プラ板)を挟み込んでアウターバレルが抜けない様に固定しています。メインスプリングの調整を行いご希望頂きましたノンホップ時 85~80m/s(0.25gBB)の範囲内に初速調整を致しました。

修理後の初速はノンホップ時 85m/s(0.25gBB)、適正ホップ時 75m/s(0.25gBB)、セミ/フルオート発射動作問題御座いません。駆動系統のカスタム整備、ギア交換により正常にBB弾の発射動作が可能になりました。元々カスタムされているチャンバー構造により40m先まで真っ直ぐに伸びる弾道となっています。【0.25gBB弾にてホップアップ調整済み】です。アウターバレル基部の固定によりフロントハンドガードをしっかり握ってもアウターバレルが前方に抜ける事も無く剛性が向上しています。

L86A2は実銃の世界では『LSW(Light Support Weapon)』とも呼ばれ『突撃銃に小改造を施し軽機関銃に近い能力を持たせた火器』に該当しイギリスで開発され同軍で採用、アサルトライフルから派生した火器の為『素早い銃身交換が不可能であることとベルトリンク式の弾帯を使えない』ということもあり『分隊支援火器』としての運用は行われませんでしたが、中/長距離射撃において高い命中精度を発揮したことから現在では『マークスマンライフル(狙撃も出来る突撃銃)』として運用されています。

トイガンとしましては実銃同様スチール製バイポッドやスチールプレス製レシーバーで外観がリアルに再現され、別途『ドラムマガジン』を装填すれば『軽機関銃としても運用できるマニアックなトイガン』になります。ご依頼品は『通常品とは異なり一部カスタムが施された商品』でしたが、『カスタムされた点も踏まえてこの度オーバーホールメンテナンス、メカボックス内部の不具合箇所に加え外装不具合の修理も同時に実施』させて頂きました。末永くご愛用頂ければ幸いです。

弊社ではお持ち込みによる『電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタム』、またカスタム完成品(コンプリートガン)製作を承っております。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。

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