- 個人携行火器(Individual Weapons)とは
- 拳銃(サービスピストル)
- サブマシンガン(SMG)
- 突撃銃(アサルトライフル)
- バトルライフル
- PDW(個人防護火器)
- 分隊支援火器(Squad Support Weapons)とは
- 軽機関銃(LMG / SAW)
- 汎用機関銃(GPMG)
- 指定射手銃(DMR)
- まとめ
ミリタリー用途(軍事目的)に限定した銃器の分類です。
※ すべて概念的・分類的な説明であり、使用方法や製造手順には触れていません。
個人携行火器(Individual Weapons)
1名の兵士が単独で携行・運用することを前提に設計された銃器の総称です。
歩兵戦闘の中核であり、兵士の役割・兵科・作戦環境に応じて使い分けられます。
主な特徴
- 1人で操作・携行できる
- 機動性・取り回しを重視
- 精度や即応性を優先
- 弾薬消費は比較的少ない
代表例
- 突撃銃(例:M4、89式小銃)
- カービン
- 拳銃
- バトルライフル
使いどころ
- 市街地戦
- 警戒・哨戒
- 近〜中距離の交戦
拳銃(サービスピストル)
サービスピストルとは、軍隊や警察などの公的機関で制式採用され、任務遂行のために使用される拳銃のことです。
アメリカ軍で1980年代に制式採用されたベレッタM9や、現代のM17/M18のような自動拳銃を指します。
代表的なサービスピストル
- Glock 17/19
- Beretta M92F/M9
- SIG Sauer P320 (M17/M18)
位置づけ
- 副武装(サイドアーム)
➡ 主武装を使用できない状況での最終防御手段
サービスピストルの主な使用者
- 将校
- 下士官
- 車両搭乗員
- 後方支援要員
サービスピストルの特徴
- 将校・下士官の補助武装
- 小型・軽量
- 近距離での使用を想定
- セミオート方式が標準
サービスピストルの軍事的役割
- 戦闘継続性の確保
- 自衛・緊急時対応
サブマシンガン(SMG)
サブマシンガン(短機関銃)は、拳銃弾をフルオート(連射)で発射できる、個人携行用の小型火器のことです。
主な特徴は、反動が小さく制御しやすい「9mmパラベラム弾」などの拳銃弾を使用、射程距離は一般的に100m〜150m程度と短く、近接戦闘(CQB)において高い火力を発揮します。
代表的なサブマシンガン
- H&K MP5
- UZI
- Mac10(イングラムM10)
SMGの位置づけ
- 近接戦闘(CQB)特化火器
- 突撃銃より短距離向け
SMGの主な使用者
- 特殊部隊
- 憲兵
- 市街戦部隊
- 車両搭乗員(一部)
SMGの特徴
- 拳銃弾を使用
- 取り回しが良い
- 高い連射性能
SMGの軍事的役割
- 建物内・狭所戦闘
- 素早い制圧と制御性重視
➡ 近年はPDWや短銃身突撃銃に役割を譲りつつある
突撃銃(アサルトライフル)
アサルトライフル(突撃銃)は、現代の軍隊で最も一般的に使用されている歩兵用火器で、着脱式マガジン(弾倉)を使用し、300メートル以上の有効射程を持っています。
セレクティブ・ファイア(射撃モード切替): セミオート(単射)とフルオート(連射)を切り替えて射撃でき、拳銃弾より強力で、従来の小銃弾(バトルライフル用など)より威力を抑えた中間的なパワーの弾薬を使用し、連射時の反動を抑え、制御しやすくしています。
代表的なアサルトライフル
- M4A1
- AKM
- HK416
アサルトライフルの位置づけ
- 歩兵の主武装
- 個人携行火器の中心的存在
アサルトライフルの主な使用者
- 一般歩兵
- 機械化歩兵
- 海兵隊など
アサルトライフルの特徴
- 中間弾薬を使用
- 有効射程と制御性のバランス
- 多様な光学・補助装備に対応
アサルトライフルの軍事的役割
- 中間弾薬を使用
- 有効射程と制御性のバランス
- 多様な光学・補助装備に対応
- 攻撃・防御・制圧の万能火器
- 分隊戦闘の基礎火力
バトルライフル
バトルライフル(Battle Rifle)は、フルパワーの小銃弾(フルサイズ弾)を使用し、セミオート(単射)およびフルオート(連射)の切り替えが可能な自動小銃です。
アサルトライフル(突撃銃)が普及する1950年代から1960年代にかけて、それらと区別するために生まれた呼称です。
代表的なバトルライフル
- H&K G3
- FN FAL
- M14
バトルライフルの位置づけ
- 突撃銃以前の主力小銃、または特定用途向け
バトルライフルの主な使用者
- 一部正規軍
- 山岳・砂漠部隊
- 特殊用途部隊
バトルライフルの特徴
- フルサイズ弾薬を使用
- 高威力・長射程
- 反動・重量が大きい
バトルライフルの軍事的役割
- 遮蔽物越しの火力
- 長距離制圧
- DMR用途への転用
- 突撃銃より強力な弾薬
- 長距離・貫通力重視
- 旧世代〜特定用途
PDW(個人防護火器)
PDW(Personal Defense Weapon、個人防衛火器)は、近接戦闘においてボディアーマーを貫通できる威力とサブマシンガンのような携帯性を両立するために開発された銃器です。
主に後方支援部隊の兵士や車両乗員などが所持し、携行性・取り回しの良さを維持しつつ、拳銃以上の有効射程と防弾装備への対抗力も備えた火器として発展してきました。
代表的なPDW
- FN P90
- H&K MP7
- SIG MCX Rattler
PDWの位置づけ
- 後方要員用の主武装
- SMGと突撃銃の中間的存在
PDWの主な使用者
- 車両搭乗員
- 通信・工兵・砲兵
- 後方支援部隊
PDWの特徴
- 小型軽量
- 高貫通力弾薬
- 防弾装備への対抗力
PDWの軍事的役割
- 自衛能力の向上
- 携行性と防御力の両立
分隊支援火器(Squad Support Weapons)
分隊支援火器とは
歩兵分隊(通常8〜12名)に配備され、分隊全体の火力・制圧力・生存性を高めるための火器です。
個人携行火器(突撃銃など)を「点の火力」とすると、分隊支援火器は面と時間を支配する火力を担います。
主な特徴
- 高い連射性能・持続火力
- 弾幕による制圧が主目的
- 重量があり、弾薬消費が多い
- 分隊戦術の中心になる
代表例
- 軽機関銃(例:M249、MINIMI)
- 分隊用自動小銃
- 一部の多目的機関銃(軽量運用時)
分隊支援火器の戦術的役割
1. 制圧(Suppress)
- 敵を伏せさせる
- 視認・反撃を妨害
2. 支援(Support)
- 味方の機動を可能にする
- 突撃・撤退時の安全確保
3. 火力集中(Base of Fire)
- 分隊の攻撃軸を形成
- 他の兵が機動するための基点
➡ 分隊支援火器とは「敵を倒す武器」ではなく、「味方を動かすための武器」である
軽機関銃(LMG / SAW:Squad Automatic Weapon)
軽機関銃(LMG: Light Machine Gun)は、歩兵が一人で持ち運び、射撃できるように設計された機関銃のことで、歩兵部隊と共に移動しながら火力を提供し、分隊支援火器として使われます。
一人で持ち運べる程度に軽量化され、二脚(バイポッド)を装備して伏せ撃ちや据え付けでの運用が可能ですが、より重い重機関銃と異なり、個人や少人数で運用し、小銃弾を使用するのが特徴です。
代表的な軽機関銃
- FN ミニミ
- IWI ネゲヴ
- M250 (SIG LMG 6.8)
軽機関銃の位置づけ
- 分隊の主力支援火器
- 分隊火力の中心
軽機関銃の主な使用者
- 分隊内の自動火器手(オートマチックライフルマン)
軽機関銃の特徴
- 継続的射撃が可能
- 突撃銃と弾薬を共通化する場合が多い
- 二脚を使用した安定射撃
軽機関銃の軍事的役割
- 敵の行動抑制(制圧)
- 味方の前進・退却を支援
- 戦線の維持
➡ 「撃破」よりも「動かせない」ことが目的
汎用機関銃(GPMG)
汎用機関銃(GPMG: General Purpose Machine Gun)は、一種類の機関銃で「軽機関銃」と「重機関銃」の両方の役割を兼ねるよう設計された火器のことです。二脚・三脚・銃架などを使い分け、歩兵の支援から車両・航空機・船舶への搭載まで、多目的に使用できる万能型で、現代の軍隊で非常に重要な役割を担っています。
代表的な汎用機関銃
- M60
- M240 / FN MAG
- PKM
汎用機関銃の位置づけ
- 分隊〜小隊レベルの支援火器
- LMGより上位の火力
汎用機関銃の主な使用者
- 分隊付属火力要員
- 小隊支援班
汎用機関銃の特徴
- 高威力・長射程
- 三脚・車載対応
- ベルト給弾が主流
- 軍事的役割
- 広範囲制圧
- 敵部隊の進路遮断
- 防御陣地の要
➡ 分隊では火力の柱として運用される
指定射手銃(DMR)
指定射手銃(DMR: Designated Marksman Rifle)は、歩兵分隊の射程を補完するために設計された、精度と速射性を兼ね備えたセミオートマチック小銃です。
選抜射手(Designated Marksman, DM)と呼ばれる、一般兵士と専門狙撃手の中間に位置する兵士が使用し、中~長距離での精密射撃を目的とした半自動小銃で、分隊の火力を向上させる役割を担います。
代表的な指定射手銃
- HK417 / G28
- M110A1 SDMR
- FN SCAR-H
指定射手銃の位置づけ
- 支援火器と精密火力の中間
- 分隊内の長距離対応役
指定射手銃の主な使用者
- 指定射手(分隊の一員)
指定射手銃の特徴
- 高精度
- セミオート
- 突撃銃ベースが多い
指定射手銃の軍事的役割
- LMGが届かない距離への対処
- 敵重要目標の排除
- 分隊火力の射程拡張
➡ 制圧と精密のバランス役
まとめ
組織レベルではどのような火器を使用するのかまとめました。
| レベル | 主な銃器 |
|---|---|
| 個人 | 拳銃・突撃銃・PDW |
| 分隊 | 突撃銃・LMG・DMR |
| 小隊 | GPMG・狙撃銃 |
| 大隊以上 | 重機関銃・搭載火器 |
個人携行火器と、分隊支援火器を比較です。
| 項目 | 個人携行火器 | 分隊支援火器 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 個人の戦闘 | 分隊の火力支援 |
| 運用単位 | 1人 | 分隊(チーム) |
| 火力 | 中〜低 | 高(持続的) |
| 機動性 | 高い | 低め |
| 弾薬消費 | 少なめ | 多い |
| 代表例 | 突撃銃、拳銃 | 軽機関銃 |
個人携行火器は、自分で戦うための武器分隊支援火器は、仲間を動かすための武器というイメージです。
分隊支援火器が敵を押さえつけ、その間に個人携行火器を持つ兵が動いて撃つ、というのが基本的な戦術です。
