サイトアイコン ミリタリーショップ レプマート

我国に必要な有事の備え

はじめに

外交上の問題は国防に直結する。

北方領土はロシアが占領したままで、竹島は韓国に不法占拠され、尖閣諸島は中国が最近になって領土を主張し始めた。

抑止力がほとんどないために隙や弱点をつかれるのだ。

それから、近隣の北朝鮮のことも気になる。

拉致された邦人の再調査が終わったのか、帰還させるのかはっきりしないままである。

このところ北朝鮮の挑発が少なくなった、と思うのは私だけだろうか。

金正恩国防委員会第1委員長が、潜水艦発射弾道ミサイルであるSLBM(Submarine-Launched Ballistic Missile)を撃ち込まれるのを心配しているのだろうか。

情報発信が少ないため、挑発がないのは寂しい感じがする。

北の動きは報道でしかわからないから、想像の域を出ないのだ。

もし、真珠湾攻撃のような先制攻撃を始めても、報復が行わればすぐに終わる。

戦争のような長期間で大規模の争いにはならないが、それが分かりながら攻撃を仕掛けられないでいる。

それでも、わが国の損害は少なくないと思われるが、それは原発の核燃料に対する攻撃も想定できるからだ。

中国軍による防空識別圏(ADIZ)での自衛隊機に対するロックオンが起きたが、それ以上の事態に陥ることはあり得る。

それらの事態が起こる可能性が高まっているのが現状であるし、なお、この記事で扱う情報は国家機密ではないし、公表・報道されている情報の記述に止めている。

それ以上は何の根拠もなく想像したものとして捉えていただきたい。

自衛隊と憲法

 大雨や地震、洪水、土砂崩れなどで災害派遣されたり、国際平和に協力しているイメージの強い自衛隊だが、改憲に挑もうとしている安倍首相と与党自民党が本気になれば、自衛隊を国防軍に名称変更し、軍隊として国民を守りやすくできる。

そのための要件である国会議員の3分の2以上の決議までは今の連立政権で維新の党を含めれば進むことができる。

後は国民投票の結果いかんで今後の憲法が決定する。

憲法が自民党の改憲案のように改正できれば、自国で兵器を開発でき、抑止力が高まる

米軍に依存しなくても自国を国防軍が防衛できる。

それは当たり前のことで、我国が侵略するような時代錯誤のようなことをすることはないし、米国に圧力をかけられてもはねつけることができるだろう。

朝鮮半島の有事

朝鮮半島では、今も南北朝鮮が対峙しており、総兵力は北朝鮮が、約119万人に対して、南の韓国は約66万人となっている(*1)。

戦車も北がT62、T54など約3500両に対し、南はM48 、K1、T80などで約2400両と北が上回る(*1)。

しかし、狭い国土で地上戦が雌雄を決することはないだろうし、やはりミサイルや空爆の威力は大きい。

北朝鮮がMiG-29戦闘機やSu-25攻撃機を保有している(*1)としても、実際に使えるのか未知数である。

旧式の武器や装備がほとんどのようで、サイバー部隊を重視し、強化していることから、航空戦力を有力視する必要はないと思われる。

わが国の個別的自衛権行使

安倍内閣は憲法改正を優先するのではなく、憲法解釈の変更と、集団的安全保障ができるように法整備を進めようとしている。

しかし、その前に有事には個別的自衛権の行使ができるようにしておかなければならない。

当然、憲法改正を行わなければ自衛隊の行動の制約になり、障害となって国益を損なうことになる。

わが国に対してミサイル攻撃を始めれば、わが国は個別的自衛権の行使ができる。

正当防衛がどの程度まで認められるのかが問題になる。

ミサイルの迎撃で終わるのか、ミサイル基地を攻撃するのか。

それとも日米安保により一斉攻撃するのかが焦点になる。

もちろん、戦時中に合法か違法を考えている余裕はない。

それから拉致された邦人の救出で地上戦が進めば犠牲者が増えるだろう。

そして、射程が約1,300kmのノドンや射程が、約1,000kmのスカッドER(*1)が同時に複数発射された場合、迎撃できない可能性は高くなる。

このことは十分想定できることだから、後述する日米軍事演習・自衛隊統合演習などの対策は必要である。

領空領海の保安並びに行動

外国漁船の密漁や密輸等で注目された海上保安庁は、巡視船艇(特殊警備救難艇)・航空機(回転翼航空機など)により限定的に監視警戒を行っている。

ヘリコプター2機搭載型巡視船「しきしま」「あきつしま」、監視取締艇などで任務を遂行している(*2)。

統合幕僚監部の報道発表によると、平成26年度は航空方面隊の緊急発進の回数が増え、前年を上回ることはなかったが、依然増える傾向にある。

国別で言うと、中国機とロシア機で大半を占めている。

また、護衛艦の「たかなみ」「おおなみ」「はるさめ」「あまぎり」が海賊対処行動をした(*3)。

沖縄の米軍基地

沖縄の人々になるべく迷惑がかからないようにするのが日本政府の現実的な対応ではあるが、国防を国民がどうするのか明確に問わないと、現状の変更は容易ではないと思う。

憲法改正するのか、関連法の法整備でいいのか、民意を問うことが必要に思うのである。

そういう意味で、早く沖縄の人々の苦痛を解消するために憲法改正を問うべきなのだ。

普天間基地に配備されたエンジンナセルを動かすことでヘリコプターのように垂直に離着陸ができるオスプレイは、速い速度(約520km/h)と長い航続距離(約3900㎞)、輸送兵員数が約24名というのが主な特徴である。

特にMV-22オスプレイは、回転翼機CH-46に比べ、最大速度が2倍以上(*4)ということから、尖閣諸島での監視活動などの今後の活躍が期待されている。

日米軍事演習・自衛隊統合演習

日米共同統合演習は毎年行われてきた。

平成26年度も11月8日から19日にかけて日米共同統合演習が実施された。

11月6日には、米空軍輸送機C-17による空自PAC3の輸送が横田基地であり、11月16日に佐世保基地で共同警備訓練が行われた。

演習の目的は「武力攻撃事態における島しょ侵攻対処に係る自衛隊の統合運用要領及び米軍との共同対処要領を演練し、その能力の維持・向上を図る。」というものであった(*5)。

つまり、尖閣諸島に上陸した軍隊に対処することを想定したものが含まれていると言える。

これらの演習は日米安保の確認であり、抑止力となっている。

また、平成25年度自衛隊統合演習では88式地対艦誘導弾による訓練や、軽装甲機動車による訓練が行われた。

小松基地からはF-15戦闘機が緊急発進した(*6)。

おわりに

自称イスラム国は、原油相場が下落したために資金源が枯渇する危機感が高まったのか、過激な自爆などのテロの他に、外国人を拘束し、人質にして身代金を奪ったり、人質と同志との交換を要求してきた。

これらは人命に関わるため、ビジネスではなく、取引のようなギブアンドテイクで考えるものではない。

要求を受け入れればテロに屈したことになるから、無人機を飛ばして相手の事情を探り、突入して救出するくらいのことを実行する必要がある。

相手は暴力を加えているのだから正当防衛をする権利が我国にあるのだ。

対抗しなければ同じことを繰り返すだろう。

国が国民の生命財産を守るのが国防だとすると、話し合いだけでは足りず、当然装備の充実や点検、施設の整備、その他関連する準備は怠らならないようにしなければならない。

参照・引用

*1 平成26年版防衛白書第1部第1章第2節 朝鮮半島 図表I-1-2-1(朝鮮半島における軍事力の対峙)
*2 海上保安庁「装備・予算等」 http://www.kaiho.mlit.go.jp/soubi-yosan/
*3 http://www.mod.go.jp/js/Press/press.htm
*4 http://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/index.html#osprey
MV-22オスプレイ ー米海兵隊の最新鋭の航空機ー 防衛省
*5 http://www.mod.go.jp/js/Activity/Exercise/joint_exercise2014.htm
防衛省 統合幕僚監部「平成26年度日米共同統合演習」
*6 統合幕僚監部「演習・訓練等」http://www.mod.go.jp/js/Activity/Exercise/exercise.htm

モバイルバージョンを終了