お客さまよりご依頼頂きました商品につきまして修理、カスタム対応をさせて頂きました。
・ICS CXP-MARS PDW9 S3 SSS 2.0 海外製電動ガン
修理のご依頼内容は『ゲーム中メカボックス内から異音が発生し、通電はするもののギアなどの機関部が作動しない』とのご依頼でした。
故障原因はピストン前面に取り付けられている『ピストンヘッド』と呼ばれる部品が外れてしまった事による故障でした。また、本体チャンバーユニット内部のチャンバーパッキンゴムが変形、劣化している状態でした。
この度故障箇所の修理に加え内部のオーバーホールメンテナンス、劣化部品の交換、駆動系統の再整備を行い修理、カスタム対応を実施致しました。
ICS CXP-MARS PDW9 S3 SSS 2.0 海外製電動ガン 修理 カスタム内容
修理ご依頼内容
『ゲーム中メカボックス内から異音が発生し、通電はするもののギアなどの機関部が作動しない』
故障原因
ピストン前面に取り付けられている『ピストンヘッド』と呼ばれる部品が外れてしまった事による故障
本体チャンバーユニット内部のチャンバーパッキンゴムが変形、劣化している状態
カスタムご希望内容
1)モーターの位置を変えてしまったので各ギアの位置調整（シム調整）、モーターピニオン位置調整等の駆動系統の再整備をご希望
2)ばね鳴りの少ないメインスプリングへ交換
3)チャンバーパッキンゴムを信頼性の高い東京マルイ製へ交換
修理、カスタムのポイント
①メカボックス内部オーバーホールメンテナンス
②ロアーメカボックス：駆動系統の再整備【ギアシム調整、ベベルギア、モーターピニオン位置出し】
③アッパーメカボックス：外れているピストンヘッドを再固定
④インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス、変形したチャンバーパッキンゴムをマルイ製へ交換
⑤ばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換
⑥モーター接続端子の破れている被覆を補修
⑦ロアレシーバー組み上げ、モーターノイズ調整
修理 カスタム製作に使用したパーツ
■計：2点
・東京マルイ純正部品 チャンバーパッキンセット ￥352
・SPARK industries 不等ピッチスプリング M95 ￥720
https://repmart.jp/products/ra05027.html
修理 カスタム作業内容
1)本体分解、故障原因調査
《ご依頼品本体》
《電子トリガーシステム SSS 2.0搭載》
《ICSオリジナル機構：ロックピンを抜くとアッパー、ロアレシーバーを上下にテイクダウン分解が出来る》
《バッテリーを接続しLEDランプ点灯色（緑）確認、トリガーを引くとギアも回転する状態》
《アッパーメカボックス取り出し》
《メカボックスは上下2分割でアッパーメカボックスに容易にアクセス出来る》
《アッパーメカボックス：給排気ユニット、メインスプリングを搭載》
《ピストンと連動するダミーボルトが付属》
《メカボックスを振ると『カラカラ』と音がする》
《アッパーメカボックス分解》
《故障原因の特定：ピストンヘッドを固定しているネジが外れている》
《給排気パーツ類》
《外れたピストンヘッド、スラストベアリングも散らばっている》
《ピストンヘッド、ノズル共に金属製》
《シリンダーヘッド内側は打撃時の衝撃を和らげる為緩衝ゴムが付属》
《フル金属歯ピストン搭載》
《ピストン上部の突起とダミーボルトパーツが連動し前後動作する仕組み》
《ICS純正モーター：トルク型でサイクル数は遅め》
《ピニオンギア異常無し》
《ロアーメカボックス：ギア、電子トリガーシステムを搭載》
《ロアーメカボックス分解》
《ギア破損無し：ギア比は18:1 スタンダード》
《セクターギア》
《ピストンの後退保持（プリコック）はセクターギアの磁石を検知していると思われる》
《電子トリガーシステム：SSS 2.0》
《ボトムとトップ基盤の上下2分割構造》
《光検知ではなく物理スイッチによる検知方法：①トリガー検知スイッチ》
《メカボックスより取り外し》
《ボトム基盤の裏側》
《②カットオフレバー検知スイッチ》
《③セレクタープレート検知スイッチ》
《分解部品検査》
2)メカボックス内部オーバーホール作業(分解部品洗浄)
3)ギアシム調整：ギア3点を円滑にドライブ出来る様調整
《メカボックスを閉じてギアの回転性能をチェック》
4)ベベルギア、モーターピニオン位置出し
5)ロアーメカボックス再組立て：グリスアップ、オイル注油
《電子トリガーシステム取付け》
《ロアーメカボックス内完成》
《ロアーメカボックス完成》
6)アッパーメカボックス：外れているピストンヘッドを再固定
《飛び散ったスラストベアリングを組み直し》
《ピストンとヘッドを固定するネジは新品へ交換》
《ネジロックで接着固定》
《ピストンユニット修理完了》
7)アッパーメカボックス再組立て：グリスアップ、オイル注油
《給排気性能チェック》
《アッパーメカボックス内完成》
《ダミーボルト取付け》
《アッパーメカボックス完成》
8)インナーバレルチャンバーユニット分解メンテナンス、変形したチャンバーパッキンゴムをマルイ製へ交換
《インナーバレルチャンバーユニット》
《チャンバーは金属製、ホップアップ調整はドラム回転式》
《ホップ突起とパッキンの入り口が変形しておりインナーバレル内も汚れている》
《チャンバーユニット分解》
《パッキンゴムと押しゴム付属のホップアーム》
《パッキンゴムの交換が必要》
《インナーバレル内清掃》
《使用部品：東京マルイ純正部品 チャンバーパッキンセット》
《東京マルイホップ突起形状》
《ホップアームの押しゴムは交換せずに純正品を使用》
《メンテナンス、組み上げ》
《ホップ突起形状のチェック》
《チャンバーユニット完成》
9)ばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換
《使用部品：SPARK industries 不等ピッチスプリング M95》
《スプリングガイドはQD式の為、組み換えが容易》
10)モーター接続端子の破れている被覆を補修
《収縮チューブで補修》
《補修後》
11)ロアレシーバー組み上げ、モーターノイズ調整
《バッテリーを接続してギアの回転動作、モーターノイズをチェック》
《モーターノイズ調整》
《ロアレシーバーユニット完成》
《アッパーレシーバーへメカボックスを挿入、ガスブローバックライフルのボルト出し入れ動作に似ている》
《挿入後》
《上下のレシーバを閉じて完成》
■最終動作確認、約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整、初速計測チェックの後お客様へご返却となります。
■初速 【弾速測定器：ACETECHにて計測】
・適正ホップ時： 88m/s(0.2gBB)
※約50mの距離で弾道検査、ホップアップ調整。0.2g弾で調整済み。
※7.4v リポバッテリーにて動作検査致しました。
※東京マルイ ベアリングバイオ 0.2gBB弾を使用し検査致しました。
修理 カスタム担当者コメント
ご依頼頂きましたのはICS CXP-MARS PDW9 S3 SSS 2.0 海外製電動ガンでした。上記11項目の作業を実施致しました。メカボックス内部オーバーホール作業後、ギアシム調整、ベベルギア、モーターの位置出し等各部再整備、グリスアップ、オイル注油を行いロアーメカボックスを組み上げ致しました。モーター接続端子の被覆に破れが御座いましたので補修済み、メインスプリングにつきましてはばね鳴りの少ない不等ピッチスプリングへ交換、アッパーメカボックス内の外れているピストンヘッドを再固定を行いグリスアップ、オイル注油を行い組み上げ済みです。ロアレシーバー組み上げ後、モーターノイズ調整を致しました。
修理後の初速は適正ホップ時88m/s(0.2gBB)、セミ、3バースト、フルオート動作問題御座いません。セミオートプリコック射撃時の動作音は静かになっています。海外製モーターの為、フルオート時には多少のノイズが発生致します。弾道性能につきましては、東京マルイ純正パッキンへ交換した事により40m先まで真っ直ぐに安定して伸びる弾道へ改善しています。
ICS CXP-MARS PDW9 S3 海外製電動ガンはICSオリジナル『SSS 2.0電子トリガーシステム』を搭載しています。設定要らずの自動プリコック動作（ピストン位置の後退保持）が可能、ピストンが後退した状態から常に発射が出来る為、驚異的なセミオートレスポンスを誇ります。現在はスマートトリガーシステム（セレクターフルオートポジションでバースト／フルオート射撃が可能）を備えた『SSS 3.0』搭載機種も発売されています。この度の故障はピストンヘッドと呼ばれる部品が外れた事による動作不良でした。駆動系統に異常が発生した際には電子トリガーシステムが異常を検知して自動停止する仕組みとなっています。今回はアッパーメカボックス側の故障でしたが、ロアメカボックス側の故障の際には、スイッチLEDの色により故障状況を確認する事が可能です。この度、オーバーホールメンテナンス／駆動系統カスタム整備に加えチャンバーパッキンゴムも交換させて頂きました。初速性能が向上し集弾性、飛距離も改善しています。再びゲームにてご愛用頂ければ幸いです。
弊社では電動ガン全般の修理、メンテナンス、カスタムが可能です。
ご依頼の際にお気軽にお問合せ下さい。
