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歩兵の装備について – ライフル銃とマシンガン

火薬を使って弾丸を発射する銃の登場以後、これが歩兵の主要な武器となりました。

歩兵が装備する銃器は、歩兵兵器あるいは小火器などと呼ばれ、一発射撃するごとに、薬きょうの排出、次弾の装填を手動で行う銃を単発式と呼び、発射のガス圧や反動を利用して自動で行うものをセミ・オートマチックといいます。

銃から発射される物体が弾丸で、弾薬といった場合には、発射のための火薬を詰めた薬きょうも含まれます。

銃は技術の発展とともに進化し、用途や戦術に合わせて多種多様な種類のものが開発されてきました。

今回は歩兵兵器の種類について、ライフル銃とマシンガンを取りあげたいと思います。

ライフル銃

まずはライフル銃です。

13世紀モンゴル軍が、ヨーロッパ遠征に使用したのがライフル銃の元祖であるともいわれており、以後、ヨーロッパ人の手により改良が進み、長きにわたって歩兵の主力兵器となっています。

ライフルという名称は、銃身の内側に刻まれた溝、ライフリングに由来しています。

このライフリングは、弾丸に回転を与えることで弾丸の直進性を高め、命中率の向上と射程の延長を図ったもので、現在では、戦車砲の一部を除いて、銃や火砲では一般的な技術となっています。

ライフル以前の時代には、銃身に溝のないマスケット銃が用いられていました。

戦国時代に使われた火縄銃もこの一種です。

アレクサンドル・デュマの小説三銃士の原題は「三人のマスケット兵」といい、当時大変高価であったマスケット銃を使いこなせる兵士、といった意味合いを含んでいます。

20世紀の初めまでライフルは単発式で、射撃後にレバーを操作して空になった薬きょうを排出し、新たな弾薬を装填する形式のものでした。

この作動方式をボルト・アクションといい、セミ・オートマチック式のライフルや中間弾を利用するアサルトライフルは、第二次世界大戦時に登場しました。

現在の兵士は基本的にアサルトライフル(突撃銃)を装備しており、従来の単発式や、セミ・オートマチックのライフルを使用するのは狙撃手のみとなっています。

アサルト・ライフルは、ライフルとサブマシンガンの中間の機能を狙って開発され、そのため射程においてはライフルに劣るものの、オートマチック式による連射が可能です。

アサルトライフルでは、弾倉(マガジン)に20~30発の弾薬が収められていますが、オートマチックで打ち続けると3秒ほどで撃ち尽くしてしまうため、三発ずつ発射することで、弾丸の消費を抑える三点バーストといった形式のものもあります。

しかし、ライフルの銃身は、マシンガンとは違い長時間の連続射撃には向いていません。

長時間連続射撃を行うと、オーバーヒートを起こし、動作不良により射撃不能となる場合があります。

例えば、M4A1カービンはM16の銃身を短くして連続射撃を可能にしたモデルですが、やはり同様の問題を抱えているようです。

当初、口径7.62mmのものが使われていたアサルト・ライフルですが、連射時の反動を抑え、兵士が携帯できる弾数を増やすため、小口径化の傾向にあります。

5.56mm口径を最初に採用したアサルト・ライフルにアメリカのM-16があり、以降日本を含めた多くの国で小口径のアサルト・ライフルが採用されるようになりました。

従来型のライフルは狙撃手によって使用されています。

スポーツ射撃用、M700ライフルから派生したM24狙撃用ライフルは、ボルト・アクションの単発式で、アメリカや日本で主に使われています。

狙撃用ライフルには、バレット82のような重機関銃で用いられる12.7mmといった、大口径の弾薬を使用するものもあります。

アンチ・マテリアル・ライフル(対物ライフル)とも呼ばれ、これは昔の対戦車ライフルに似ていることに由来した名称です。

バレット82は威力があまりにも大きいため、人間に対して使うことは国際法上、問題があるといわれることもあります。

マシンガン

つぎはマシンガンについて説明します。

1860年代にR・J・ガトリングによって発明されたガトリング砲が、連続して弾丸を発射できる銃の元祖で、これは束ねられた6本の銃身を手回しで回転させて、発射、薬きょう排出、装填を連続的に行います。

日本でも戊辰戦争の際に使用され、現代でもバルカン砲にこの原理が用いられています。

19世紀末にはH・S・マクシムにより、射撃の反動を利用して連続射撃を可能とした、単銃身のマシンガン(機関銃)が発明されました。

20世紀に入ると、射撃のガス圧を利用した機関銃が続々と登場するようになり、これらが徐々にマシンガンの主流となっていきます。

マシンガンが戦争で本格的に使用されたのは日露戦争のときで、旅順を守るロシア軍がマシンガンと鉄条網に囲われた陣地にこもり、突撃してくる日本軍に大損害を与えたことはよく知られています。

第一次世界大戦では、全戦線においてマシンガンが使用され、戦争の様相は一変し、配備されたマシンガンの前に、歩兵部隊は多大な損失を被ることになります。

マシンガンの特徴は、高い発射速度で弾丸を連続して射撃することにより、広範囲の地域を制圧できることで、マシンガンの射撃にさらされた敵兵は身動きがとれず、その間味方の兵士は目標に接近することができます。

またマシンガンの連続射撃は、突撃してくる敵兵を寄せつけないため、防御においても有効です。

マシンガンの発射速度は毎分500~1300発で、初速は毎秒700~1000m程度、射程は好条件に恵まれれば1000m程に達します。

マシンガンに限った話ではありませんが、歩兵が用いる小口径の火器の射程は射手の技量と環境条件に左右されます。

データ上の数字はその距離までは相手に脅威を与えられるといった目安となるもので、正確に命中させようと思えば、せいぜいその半分程度と考えるのが無難でしょう。

兵士が首に弾帯をかけているシーンを映画などでよく目にすることがありますが、大量の弾薬を消費するマシンガンでは、弾薬を金具で連結したベルト状の弾帯で給弾します。

弾倉(マガジン)を用いて給弾することもありますが、弾倉では収納可能弾数が少なすぎるため、マシンガンの性能を十全に発揮することができません。

また、連続射撃により銃身が高温になると射撃ができなくなりますが、銃身を交換することで、射撃を続行できるマシンガンもあります。

マシンガンは重量や用途によって分類されます。

重マシンガンは、口径12.7mm以上で、基本的には車両に搭載して使用するほか、三脚あるいは専用銃架に取りつけて、地上目標以外に低空を飛行する航空機に対しても用いられます。

脚架を含めた重量はおよそ20~40kgほどのものが多いです。

汎用マシンガンは、口径7.62mm前後のライフル弾を使用します。

個人で携行操作できるものでは重さ約5~10kg程度、車両に取りつけたり、あるいは歩兵分隊に配備したりとさまざまな用途に使用できます。

歩兵が運用する場合には、通常二脚が取りつけられますが、三脚を用いて命中精度をさらに高めることもあります。

分隊支援火器は、歩兵が携帯するアサルト・ライフルと同様の弾薬を使用する軽量のマシンガンで、歩兵分隊には、従来口径7.62mm前後のライフル弾を使用した汎用マシンガンや軽量のマシンガンが配備されてきました。

補給を考えたとき、マシンガンの弾薬はアサルト・ライフルの弾薬と同じものが用いられることが好ましく、基本となっているからです。

しかし、アサルト・ライフルの小口径化が進むと、歩兵分隊はアサルト・ライフル用とマシンガン用2種類の弾薬の携帯しなければならなくなりました。

よって近年では、FN ミニミのような、小口径の弾薬を使用するマシンガンが登場しています。

このFN ミニミ・マシンガンは、アメリカ軍や自衛隊でも使用されているマシンガンです。

1 COMMENT

あまちゃ

この記事は重機関銃の定義に間違いがあります。

初期の給弾ベルトは布製ですし、重機関銃の口径は12.8mm (.50) 口径以上とは限りません。
因みに旧日本軍の92式重機関銃はフランスホチキス社の流れを汲むプレート(保弾板)給弾で口径は7.7mmです。
イタリア軍のブレダM37重機関銃もプレート給弾の8mm口径です。
12.7mm口径の重機関銃の代表格はブローニング社のM2やソ連のDShKでしょうか。

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