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軍用糧食、レーションとは

レーションといえば、日本語では戦闘食などと呼ばれ、兵士にとっては弾と同等か、それ以上に大事な装備の1つです。

レーションなくしては、野戦の場合は食料調達任務すら発生してしまいます。

レーションとは何か

摂取カロリーや、必須栄養素の確保と保存性、携帯性、加えて劣悪な環境下でも輸送できる形が望ましい、とされています。

古くより軍隊では食糧供給の問題が消えることはなく、人間である以上、どのような作戦においても期間が長ければ長いほど大量の食料が必要、その開発は常にすすめられてきました。

ちなみに今のレーションは、缶詰タイプやレトルト食品が主流であり、野外でも食べやすく、調理器具がなくても食べられるものが殆どで、国によっては、士気向上や気力の維持のため、チョコレートや、アメなどのお菓子類もパッケージに同梱しているレーションもあります。

また、暖かい食事を食べたいという欲求に答えるべく、固形燃料や、生石灰と水の反応熱で、食材を加熱するタイプのレーションも数多く存在しています。

レーションの形態

レーションは1回の食事分のものから、一日セットになってるもの、個人用から小隊単位のものなど、様々なバリエーションがあり、味も飽きのこないよう、工夫されています。

部隊単位で配分される場合は、ご飯セットというより食材セットという感じで、調理が必要なものも多く、非戦闘地域で主に用いられることから、酒類やタバコが同梱されているものもあります。

逆に、個人向けレーションは、現地で手に入る水をろ過、沸騰させる可能性が高いことを考えて、インスタントコーヒーやティーバック、粉末スープなどを付属させるものが多いです。

いずれにしても、食文化によってそのメニュー内容は大きく変わって、日本の自衛隊の場合は、米類を基本としているものが多いといわれています。

レーションの歴史

ナポレオンの要請により、常温で長期保存できる保存食の開発されたのがレーションの歴史のはじまり、といわれています。

この時代に登場したのが加熱殺菌済みの瓶詰めで、ガラス瓶を利用したため、輸送中に割れる可能性が高く問題がありました。

その後、イギリスで現在の缶詰の原型ともなる、金属密閉容器に食料を詰める方法が開発されます。

しかし、当時はまだ缶きりが無く、金槌などであけるか、武器を使って破壊するしか開封する方法がありませんでした。

第二次世界大戦頃のアメリカ軍などでは、レーションは1つのパッケージで1食分とする個別包装が主流となり、缶詰だけでなく、干し肉や角砂糖など、様々な食材が封入されるようになりました。

この頃、戦争に明け暮れていたアメリカは、年間数百万食という単位でレーションを生産、消費しており、レーションは瞬く間に進化して行きます。

2000年代に入ると、さらに携帯性にすぐれた消費後のゴミが少ないレーションが次々と開発され、レトルトやフリーズドライされた食材を多く含むようになってきました。

日本のレーション

戦闘糧食 I型

I型は缶詰タイプの糧食で、大きなご飯缶(2合分)とオカズ缶で構成されているものが一般的です。

賞味期限は3年で、自衛隊では非常用糧食として常に用意しています。

元々は官給品であるために、一般販売はおろか、持ち出し自体が禁止されていましたが、近年では稀に配布されていたり、似たようなものを広報センターより販売するようになりました。

缶の全体像は暗緑色で内容が側面に印字されているものがほとんどで、食事後は大きいご飯缶の中に、小さなご飯缶を入れて廃棄する事ができます。

ご飯缶の場合は、五目飯、赤飯、とり飯、しいたけ飯など、混ぜご飯のバリエーションが多く、もち米を使用している。(いずれにしても食べる前には一度、湯煎する必要がある)

戦闘糧食 II型

II型はレトルト飯であり、強度や保存期間を考えると I型にくらべ劣っていますが、 II型のほうが更にメニューが豊富で美味しく出来上がるものも多くあります。

たとえば、中華丼、筑前煮、チキンステーキや、肉団子、塩鮭などであり、フリーズドライを利用した味噌汁や、スープが付きます。

世界的にも、自衛隊のカンボジア派遣中に開催された、UNTAC参加国における戦闘糧食コンテストで、1位を取得したこともあり、レーションとしては非常に味が良いと言われています。

ちなみにこちらもI型と同じく、全体が暗緑色で、黒文字で内容が記載されています。

救命糧食

救命糧食はI型やII型とは違い、非常時に救助がくるまでの非常用食料であり、乾燥クッキーとゼリーがセットになっている場合が多いです。

この糧食は通称「ガンバレ食」ともいわれるが、その由来は「がんばれ!元気を出せ! 救助は必ずやってくる!」と書かれた紙が同封されていることに由来します。

スパムはアメリカ軍の食料として利用されていた。

沖縄でスパム系の料理が多くあるのは、アメリカ軍兵士がスパムを大量消費していたからであり、自然発生したわけではありません。

つまり、米軍駐屯地がある国の周辺では、ランチョンミートが少なからず存在しているということでもあります。

ちなみに、アメリカ軍用のチョコレートと言うものも存在し、これはハーシーズ・トロピカル・バー等が有名ですが、こちらはあまり美味しくないそうです。

というより、あえてあまり美味しくなくしており、美味しくしてしまうと、すぐに兵士が食べきってしまうと考えたそうです。

災害備蓄食料としてのレーション

軍用のレーションも、災害被災地へ配布したりする可能性も高く、民間人が食するタイミングも少なからず存在します。

日本のレーションの場合、味は中々だそうですが、先ほどもあげたとおり、大量の白飯を少ないオカズで消費できるように塩分配分されているので、塩分を控えないといけない民間人が食すのには適していません。

かといって「塩分控えめタイプ」というものを製造しているわけではないので、軍用レーション以外のものを配給するしかないのが現状でしょう。

ただ、災害備蓄食料用として開発されたものは、普通のレーションよりも保存期間が長く、内容や栄養バランスが変更されているものも多いので、民間人の食事バランスにあわせて設計されていたりします。

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