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地雷の仕組みと地雷撤去

地雷とはいかなる兵器か

地雷とは地中に埋めたり、地面の上に置くことで、その上を人や車が乗ったり、接触することで爆発する爆弾です。

ひとくちに地雷といっても、実際にはいくつかの種類と用途に分かれています。

一般的に用いられるタイプの地雷として、一定の重量を受けて爆発する圧力式地雷が知られています。

このほか、タイマー式で爆発する地雷、赤外線センサーを使って爆発するタイプや、地雷探知機の磁気を感知して爆発する地雷も使われます。

地雷が数多く埋められた場所を地雷原と言い、多数の地雷を埋めることにより、敵の侵入を防ぐ戦略上の目的があります。

戦争中に地雷原を突破するために、捕虜となった敵の兵士に先頭に歩かせ、地雷を爆発させるなど非人道的な方法が取られることがあるとも言われています。

地雷を埋めた場所は味方には周知されるので近づくことはありませんが、敵にとってはどこにあるか分からないという恐怖があります。

地雷は他の兵器に比べて、コストが安く済む利点があるため、経済力のない国の軍隊や、ゲリラが多用する傾向にあります。

しかし現在、世界の戦争・紛争が起きている地帯のみならず、ずっと以前に戦争が終結した地域に地雷が大量に残されていて問題となっています。

戦争後に残された地雷を運悪く踏んでしまい、足を失ったり、命を失ってしまう事故が後を絶たないのです。

現在、全世界には1億個以上もの地雷が埋められたまま放置されているとも言われており、その完全な除去は至難の業といえます。

対人地雷とはなにか

対人地雷には、どういった種類があり、その設置にはどんな目的があるのでしょうか。

対人地雷でよく知られるのは、人間が地雷を踏むと、その圧力で爆発し、ダメージを負わせるタイプです。

クレイモア地雷などを始めとして、爆発して細かい鉄球などをまき散らし、広範囲の大勢を殺傷する破片式もあります。

遠隔操作によって敵兵が通るタイミングを見計らって爆発させるものは、特定の対象にダメージを与えるために用いられます。

空中から敵地に大量に地雷を散布し、特定地域の人々を殺戮したり、地域の活動を麻痺状態にさせる目的でも使用されます。

いずれの対人地雷についても、兵士や民間人を問わず無差別に殺戮する兵器であり、周辺の住人にとって永続的な脅威となります。

対戦車地雷とはなにか

対戦車地雷は、一般的に100キログラム以上の重量がかけられると、爆発するタイプの地雷です。

これは重量のある戦車や装甲車を標的としているためで、平均的な人間の体重では反応しません。

しかし対戦車地雷は相当な重量がかからないと爆発しないとは言え、人間が踏んで爆発することも稀にあります。

対戦車地雷には数キログラムの火薬が使用されており、垂直の圧力が加えられると爆発する仕組みです。

車両を完全に破壊する意図というより、戦車のキャタピラやタイヤを破壊して、使用不可能とすることを目的としています。

これも遠隔操作によって、車両が地雷上を通過するタイミングで爆発させ、効果的にダメージを与えるタイプがあります。

南アフリカで開発されたキャスパー装甲兵員輸送車は、地雷を踏んでも全く問題なく走行し続けることができる輸送車です。

キャスパーの車輪は地雷にも破壊されない鉄製のタイヤと、頑強な装甲を持ち、車体の下はV字型で爆風を逃がす構造です。

このように近年の戦車や装甲車は、地雷を踏んでしまったとしても、その影響を最小限にして走行し続けられる構造になっています。

人力による地雷の撤去作業

マインスイーパ」と呼ばれるゲームがありますが、これは地雷源から地雷を探し出していくゲームです。

ゲームではない現実の世界では、一度埋設した地雷が戦争が終わり平和になった後も、人々に脅威を与え続けています。

地雷の設置のコストに比べて、地雷処理のコスト100倍に膨れ上がるとされ、途上国の足かせになっています。

これら地雷の撤去には大きくわけて2つの方法があり、一つは人間が地道に探知機などを使って探し当て、爆破処理するという方法。

もう一つは、大型の専用重機を導入して、地雷原の地雷を効率よく爆破処理していくという手法があります。

手動の地雷探知機は、長い棒の先に取り付けた金属探知機が、金属反応を検知して地雷を発見する仕組みです。

金属反応があっても、地雷ばかりとは限らないため、地雷原の撤去作業は爆発の恐怖と隣り合わせの作業を地道に行われます。

また、金属が使用されていない最新式の地雷は発見することはできず、人力の撤去作業には多くの危険が伴っています。

地雷の発見は人間による作業だけでなく、地雷を発見する地雷探知犬の導入や、ネズミを使って発見するなどの方法も導入されているようです。

現在、地雷を除去するためのロボットの開発も日本を含めた各国で進められています。

重機による地雷の撤去作業

地雷の撤去方法として、現在のところ最も効率的なのが、専用の重機を用いて除去していく方法です。

手作業による危険な地雷処理方法より、確実に早く安全に、そして広範囲に地雷を撤去することができます。

現在は国連、NGO、各国政府によって、重機を導入した地雷撤去作業が続けられています。

日本の代表的な地雷撤去重機としては、山梨県南アルプス市に本社がある、株式会社 日建(Nikken Corporation)の重機が知られています。

日建の対人地雷除去機は、世界ではじめて実現した油圧ショベル式などによる、地雷処理用の重機です。

日建の対人地雷除去機は、長いアームによる油圧ショベル型と、走行しながら地雷を爆破撤去するプッシュフレール型の二種があります。

地雷原の特徴のあわせて、地雷除去機をカスタマイズすることが可能とのことです。

地雷除去機には、地雷原に生えている木々を伐採するブラッシュカッターが取り付けられ、地雷の除去に邪魔な木や岩を除去して地雷原を更地に変えます。

地雷は除去機に付いている、高速で回転するロータリーカッターで破壊処理されます。

地中30センチまでロータリーカッターが到達するので、埋められている全ての地雷の撤去が可能です。

除去機には金属探知機が取り付けられており、探知機を使用して地雷が撤去できたかどうかを確認します。

地雷除去機には地面を耕すことのできる、リッパーという刃が取り付けられています。

これにより、地雷が撤去されたばかりの地面が同時に耕されて、地元の住民が畑としてすぐに利用できるようになっています。

地雷除去機の問題点としては、資金のない発展途上国は、自前で除去機を購入できないことが挙げられます。

こうした地域では、外国のNGOなどの協力が不可欠となります。

地雷を撲滅するための運動

現在、世界中のNGOなどが、地雷撲滅運動に取り組んでいます。

自衛隊OBが中心となった、日本地雷処理を支援する会(JMAS)が、カンボジアで活動を行いました。

外務省のNGO支援無償資金協力によって発足した、日本紛争予防センター(JCCP)「人道的地雷除去プロジェクト」も活動しています。

同様の活動を、NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会(imccd)も行っています。

対人地雷を撲滅するため、「対人地雷全面禁止条約」も制定され、日本など多くの国が参加しています。

地雷は核兵器やクラスター爆弾などと同様に、無差別殺戮する非人道的な兵器とされており、特に対人地雷の撲滅活動は世界で盛んです。

しかしこうした活動が行われるなかにあっても、戦争・紛争の起きている途上国では、いまも地雷が増えているのが実情です。

日本人は地雷の埋まった外国の土地へ旅行に出かける人も多いので、こうした地雷の脅威は他国ごとでは済まない状況です。

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