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FNハースタル(FN Herstal) - ベルギーの銃器メーカー

2015年4月9日 なみだめ ミリタリー雑学

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FNハースタル(以下FNH)はベルギーの銃器メーカー、FNハースタルという名称は現在の社名で、以前はファブリックナショナル(正式名称はファブリック・ナショナル・デルスタル)という社名でした。

ハースタル以外に「エルスタル」という読み方もあり、ハースタルは英語読みで、FNHの前身となった組織が本社を置く地名から名づけられています。

そのため、ハースタルでもエルスタルでも正しい表記ですが、当文章内ではハースタルを用いています。

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製造している銃器はその信頼性の高さが評価されており、現在では、多くの国々に自社製品を輸出しています。

また、信頼性の高い銃器を製造している銃器メーカーということもあり、ドイツのヘッケラー&コッホとも比較されます。

基本的には手堅い、安定感のある製品を設計する事が多いヘッケラー&コッホと比較すると、人体工学に基づいた奇抜なデザインの短機関銃を設計したり、その短機関銃と弾薬を共有出来る自動拳銃を設計したりと、似ているようで似ていない部分が多いのも特徴です。

FNHの歴史は長く、前身となる組織「ハースタル国営兵器製造所」は1989年にベルギー陸軍がマウザー社製のライフルを量産、配備することを目的として、武器製造を行っていた業者たちが資本や人材といったものを出し合いベルギー国内、リエージュ近郊の町「ハースタル」に設立しました。

創業当時のハースタル国営兵器製造所のうち「国営」と「製造所」の2つのキーワードが、後の社名変更後の「ファブリックナショナル」の元になります。

ハースタルはリエージュの近郊にある町で、FNHは創業以来変わらず本社をハースタルに置き続けています。

FNHの設立以前より、リエージュ一帯の地域は欧州における火器製造における中心地で優秀な火器職人の工房が多くありました。

現在でもハースタルにはFNHを初めとした多くの企業があり、地域で雇用を創出しています。

その後、アメリカの銃器設計者である、ジョン・モーゼス・ブローニング氏が設計に加わることになります。

1897年にブローニング氏の設計したM1900の製造ライセンスを獲得、それを機にブローニング氏との親密な関係が構築されることになります。

しかし1926年、61回目のFN社訪問の際、心臓発作を起こし亡くなりました。

その後、ブローニング氏の一番弟子で、後にFN FALを発表するデュードンネ・J・セヴ氏(以下D・J・セヴ氏)らの手により、ブローニング・ハイパワーの名で有名な自動拳銃「FN ブローニングM1935」が完成させます。

このブローニング・ハイパワーは、前述したブローニング氏が心臓発作で1926年に死去する前に設計した最後の作品で、コルト・ガバメントやM2重機関銃といった多くの傑作を世に送り出してきたブローニング氏の技術の集大成とも言われる自動拳銃です。

ダブルカラムのマガジンを、量産された実用拳銃では初めて採用した拳銃でもあります。

それまでダブルカラムのマガジンは軽機関銃や短機関銃などの比較的大きな銃が一般的で、着脱式マガジンでダブルカラムを採用、実用レベルで量産されたのがブローニング・ハイパワーが最初です。

ハイパワーという名称はダブルカラムゆえの装弾数の豊富さ(参考までにハイパワーは通常マガジンで13発、後述しているモーゼルC96は通常マガジンで10発、コルトガバメントは7発)に由来しています。

ちなみにハイパワー登場以前にも拳銃ではマガジンがグリップ内部ではなく、トリガー前部に配置されたモーゼルC96がダブルカラムを採用していましたが、モーゼルC96はマガジンが着脱出来ない固定弾倉式の拳銃で、再装填の際にはホールドオープンさせボルトアクションライフルのように弾丸を纏めたクリップを差し込み、指で弾丸を押し込む動作が必要で、お世辞にもすばやいマグチェンジが行える銃ではありませんでした。

とはいえ当時の自動拳銃の着脱式マガジンは信頼性が低かったのに対し、モーゼルC96の信頼性は非常に高かったこと、また価格が一般的な自動拳銃の倍近いと高価な物だったことや、特徴的なシルエットが目立つこともあり、モーゼルC96は所持していること自体がステータスとされていた程の名銃でもあります。

戦後、FN社は西欧諸国の軍備再建のために軍用銃の開発に着手、FN-49でそこそこの成功を残したものの、当時は既にアサルトライフルの有用性が考えられていました。

そこでD・J・セヴ氏を初めとしたFN社の開発陣はセミ・フル切り替え式の「FN CANP」を試作します。

この銃に改良を加えたものが、FN社を一流の軍用ライフルメーカーとしての地位を築き上げることになった、90カ国以上で採用された傑作「FN FAL」です。

時を同じくして、D・J・セヴ氏の助手のエルンスト・ヴィルヴィエ氏が設計した機関銃「MAG-58」が米国陸軍に採用、それを皮切りに世界80カ国で採用されることになり、ライフル分野に続き、機関銃分野でも地位を築き上げることになりました。

しかし、成功が長続きすることはなく、1960年代半ばに5.56mm弾がNATO弾に制定され、それに合わせて設計したFN FALの後継モデルに当たるFN CALを設計しますが、同時期に設計されていたM16への対抗意識により、開発を早めた結果、信頼性不足や寿命の短さに繋がってしまいFALのときにような大きな成功を収めることは出来ませんでした。

1970年代にはCALの失敗を受けて、簡略化版である「FN FNC」を開発・生産しますが、時既に遅く各国ではM16シリーズを採用している状態でした。

成功が長続きすることはありませんでしたが、失敗が相次いだ中にも小さな成功作もあります。

たとえば、FN社が開発した軽機関銃、「ミニミ軽機関銃」はアメリカ、日本などの10カ国以上で採用され、そこそこの成功を収める結果になっています。

1980年代には企画倒れが相次いだことに加え、冷戦の終結による軍需低迷なども加わり、業績を大きく低下させることになりました。

この頃に、FN社はブローニング社を傘下収めた他、多角化を図り進出したスポーツ用品なども不振に終わり、結果として負債を増加させる結果になりました。

同時期FN社は、5.56mmの流れに乗り遅れてしまった事により、自身で新しい波を作る方向へ向かいます。

その結果として生み出されたのが「BRG-15」と「FN P-90」です。

BRG-15は傑作だったM2重機関銃の後継を狙った重機関銃で、基本コンセプトは15mm(後に15.5mm)の大口径による.50BMGよりも強力でありながら、20mm口径の機関砲よりも安価・軽量な武器として陸上部隊へ提供するというコンセプトでした。

しかし、既にM2重機関銃を採用している国からすれば、保有している全てのM2と弾薬である.50BMGを全て破棄してまで交換するほどの意味は無く、またM2自体が現役で運用しうる性能を持っていたこともあり、BRG-15に機種転換する必要性はほぼ皆無であったために、1990年に計画は中止されました。

同時期に計画されたP-90は新たに5.7mm口径の弾薬を採用した上で弾薬の共有が出来る自動拳銃「Five-seveN」を開発するなど、ライフル弾と拳銃弾の中間に新たなジャンルとして開拓することを目的としていました。

P-90はコンパクトで高装弾数、高貫通力と優秀でしたがやはり新規格の弾薬のこともあり、各国が採用するのはためらわれる結果になりました。

そして、1991年にFN社はフランスの防衛グループ企業GIAT(現ネクスター)傘下へと入り、現在の社名である「FNハースタル」という社名に変更します。

GIATは傘下へと入ったFN社と、その傘下企業であったブローニング社などをハースタルグループへと再編、FNHはハースタルグループの中核企業となりました。

満を持して送り出したものの採用されることのなかったP-90ですが、1997年に起きたペルー日本大使公邸占拠事件の際に、ペルー軍の突入部隊がP-90を使用したことにより注目されることになり、PDWとしての採用や一般部隊に対しての採用こそされませんでしたが、一部の特殊部隊による作戦行動向けの短機関銃として採用されることになりました。

なぜ、それまで殆ど採用されることのなかったP-90が突入作戦に際し使用されたかについては詳しいことは不明になっています。

しかし多くの場合では「FNHが無償提供した」という説が一般的になっています。

また、現在でも特殊部隊の装備に要求されるポイントに合致することが多いためか、小数ながらも配備されており、制式採用などこそされていませんが、採用国は20カ国以上になっています。

現在はシェアこそ他企業に譲ることになってしまった企業ですが、依然としてその高い技術力は失われてはいません。

事実、前述したP-90と、P-90と弾薬の共有が出来るFive-seveN、日本でも採用されたミニミ重機関銃、米国特殊作戦軍であるSOCOMのトライアルを勝ち抜いて採用され、高い評価を得た傑作アサルトライフルのFN SCAR、P-90同様に人体工学に基づいて設計された、独特のシルエットのF2000などを開発しており、現在でも見本市で様々な新製品を発表してくるなど、精力的な活動をしている企業でもあります。

余談ですが、目玉として出したP-90やF2000は制式採用がされなかった一方で、民間用で発表した「PS90」や「FS2000」はそれなりに人気が出てしまったり、銃などほとんど見ることの無い日本のミリタリーマニアにやたらとファンが居たり、日本のフィクション作品に登場したりと、本来の目的とは微妙に違ったところで人気な商品が多かったりします。

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