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火薬の歴史

2014年12月16日 オナジマイマイ ミリタリーの歴史

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核という、次元の違うエネルギーを利用した兵器が出現した以降も、戦場における武器の主役は相変わらず銃と砲とミサイル・爆弾であり、そこに共通して使われているのは火薬というアイテムです。

火薬が最初に登場したのは6世紀~7世紀の中国だと言われています。

人類3大発明に数えられることもある火薬ですが、発明されてすぐは実用的な活用はされず、おそらくですが爆竹などの形で利用されていたものと思われます。

この最初の火薬である「黒色火薬」は、木炭、硫黄、硝酸カリウムを粉末化して混合したものでした。

発火すると、酸化剤である硝酸カリウムの酸素が木炭と硫黄に結びついて燃焼、最終的に二酸化炭素と窒素気体、熱を発生させて急激に膨張することで、爆発という現象が引き起こされます。

性質としては湿気に弱いのが特徴で、ある程度湿気を含むと発火しなくなります。

ただ、発火しなければ化学的に安定なので、湿気ったものでも乾かせば使用できますし、直射日光に長期間当たっていても問題なく使用できます。

発火点はおよそ300℃。炎に接すれば確実に発火しますし、摩擦や静電気でも発火する危険性が高いので、保管にはかなり気を使う火薬と言ってよいでしょう。

この黒色火薬が、兵器として用いられる最初の記録は、13世紀に各地で暴れまわったモンゴル軍の兵器という形で現れます。

イスラム世界に進行した際には投石機で火薬弾が投射された記録が残っているそうですし、日本でも鎌倉末期、元寇という形でモンゴル軍が九州に侵攻を試みた上陸戦の中で、「てつはう」という形で用いられているのが記録に残っています。
これらはいずれも、鉄または陶器の容器に黒色火薬を詰め、導火線を付けて、着火後に投擲する「グレネード」の仲間でした。

そうしたなかで、より効率よく爆発エネルギーを使おうということで、火薬を狭い筒の中で炸裂させ、燃焼ガスで弾丸を射出する「砲」と「銃」が出現します。当然、最初に用いられたのは黒色火薬でした。

しかし、黒色火薬は燃焼後に炭酸カリウムや硫酸カリウム、その他未燃焼火薬という形で火薬カスをかなり発生させますし、また白煙が大量発生するため密集して射撃すると何も見えないという状態になりました。

そして、密閉してエネルギーを利用するには燃焼速度が早すぎて扱いづらいという、銃砲の炸薬としては多数の欠点を持っていました。

この内、燃焼速度の問題に関して開発されたのが、褐色火薬です。

黒色火薬の燃焼は、燃焼自体が伝わる過程に加えて、発生する衝撃波によって離れた火薬も連鎖発火するという「爆轟」が起きるという特徴があります。

この性質上、黒色火薬は火薬というより爆薬と呼んだほうが良い性質で、強度が不足した銃身や砲身をしばしばふっ飛ばして暴発事故を引き起こしました。

また、ライフル銃が普及して、銃弾と銃身の隙間が小さくなり腔内圧力が上がりやすくなると、瞬間圧が上がりすぎる黒色火薬では不適当でした。

銃や砲の場合、銃身・砲身を出るまでに十分な弾丸速度を出せればよいわけで、瞬間圧力はむしろ邪魔ということで、黒色火薬の木炭を、不完全炭化の褐炭に変えた「褐色火薬」が登場するわけです。

ただ、この褐色火薬はあくまで「燃焼速度を調整した黒色火薬」であり、その他の問題も解決した「無煙火薬」が登場すると使われなくなる過渡期の品でした。

さて、黒色火薬特有の白煙、火薬カス、保管の難しさを解決するものとして1884年に登場するのが無煙火薬です。

無煙火薬は「ニトロセルロース」を原料として作られる火薬で、いろいろなタイプが作られますが、ニトロセルロースと安定のための薬剤のみで出来ている「シングルベース火薬」、ニトログリセリンを加えた「ダブルベース火薬」、さらにニトログアニジンを加えた「トリプルベース火薬」という区分ができます。

拳銃弾・小銃弾にはシングルベース火薬が、迫撃砲などの火砲には爆発力の強い「ダブルベース火薬」が、そして大威力と安定性を要求される大口径砲に「トリプルベース火薬」が使用されています。

無煙火薬の基本素材となるニトロセルロースは、植物繊維であるセルロース(木綿が使われます)を硫酸と硝酸の混合酸で処理することで硝酸エステル化したものです。

ニトロセルロースを構成しているのは炭素と水素と窒素と酸素のみですので、理屈上は燃焼で全て無色透明の気体となります。

また、反応に使われる酸素は、ニトロセルロース自身が持っている酸素原子ですので、水中などの無酸素状態でもそれ単体で反応し、湿気などの影響も受けません。(自己燃焼といいます)

結果として、ほとんど煙を出さず、燃焼カスもほぼ出さない「無煙火薬」となるわけです。

ただ、綿火薬そのままでは取り扱いなどに難しさが有ったため、各種安定剤などを混ぜあわせて、実用の火薬としています。

この無煙火薬は、1890年頃から現代に至るまで幅広く使われ、現在装薬といえばこの無煙火薬を指すことがほとんどです。

2007年になってよりコンパクトで発砲炎も小さい無煙火薬が開発されましたが、コストの関係もあって、一般的になるのはまだ先の話でしょう。

銃砲の装薬としての火薬は、一応このような流れになっていますが、もう一つ、爆破に使われる「爆薬」の事も述べておきましょう。

火薬の初期においては、何でも「黒色火薬」だったわけですが、銃砲の装薬が用途に合わせて進歩していったように、対象を爆破するための爆薬も黒色火薬から変化していきます。

黒色火薬以外で最初に出現した爆薬といえば、何と言ってもニトログリセリンとその実用加工品である「ダイナマイト」でしょう。

1864年に発見されたニトログリセリンは、強烈な爆発力を持つ一方、些細な衝撃でも爆発する自己反応性物質ということで、非常に取り扱いが難しい物でした。

これを珪藻土に染み込ませることで、大幅に取り扱いを楽にしたのが、アルフレッド・ノーベルの生み出した「ダイナマイト」です。

ダイナマイトは当初土木用として開発されましたが、当然過ぎる流れとして軍事利用もされていきます。

ただし、兵器に組み込まれたというよりは転用されたという体で、要塞攻略戦の際に防壁を吹っ飛ばすであるとか、崖を爆破して道を塞ぐなどの、当初の土木使用の延長上での利用でした。

この系統として、本格的な軍用爆薬としてその威力を発揮することになるのはTNT火薬です。

トルエンの一部をニトロ基に置換して作られるトリニトロトルエンを主成分とするこの火薬は、非常に高い爆発力を有する一方で、単純な衝撃や熱では反応しないという鈍感さも持っているため、取り扱いが非常に容易で、民生用でも軍事用でも広く使われていきます。

このTNTとトリメチレントリニトロアミン・シクロテトラメチレンテトラニトラミン、その他ニトロセルロースとワックスなどを混合して作られるC-4(いわゆるプラスチック爆薬)は、非常に安定で、火を付けても爆発せずにゆっくりと燃えるそうです。

ここで上げた火薬・爆薬の他にも、より高い爆発力や扱いやすさなどを追求して、これまでも現在も実に様々な火薬が開発され続けています。

一時期使用され、現在は姿を消した火薬としては下瀬火薬などが有名です。

火薬の歴史は、兵器の進展とイコールと言っても良いのではないでしょうか。

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