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AKと双璧をなすライフル、M16

2015年3月20日 Lewis1988 銃のはなし

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世界中の戦場で使われている武器、銃。

しかしその銃も、元はといえば人間の生み出した「工業製品」です。

それゆえに、それぞれの銃には、その開発、生産、運用の様々な段階において、それを生み出した人間たちのドラマが秘められています。

その中でも特に有名な「M16」について、簡単にまとめてみました。

1.M16というライフル

旧ソビエト連邦でミハイル・カラシニコフ氏が、1947年に設計したアサルトライフル、「AK-47」。

その対抗馬ともいえるライフルが、アメリカを中心に西側諸国など、世界中で使われているアサルトライフル「M16」です。

日本では、さいとう・たかを氏のマンガ、『ゴルゴ13』において、主人公、デューク・東郷の使う真黒なライフル、といえば通じる人も多いのではないでしょうか(尤も、実際のM16は、射程500メートル程度のアサルトライフルであり、ゴルゴのように1km先を狙撃・・・なんて芸当はできないのですが)

そのM16は、新世代のアサルトライフルとして誕生した、当時としてはまさに画期的なライフルでした。

軽量化のため、銃全体をアルミ合金とプラスチックで覆った、特徴的な真っ黒な外見、使用弾薬はNATO標準弾として使われている5.56ミリ ライフル弾、威力と、サイズ、そして射撃時の反動とのバランスが優れており、現代でも世界中で使われている弾薬です。

これを、M16は毎分900発という速度で連射することができます。

銃自体の精度も高く、命中率も非常に高いですが、その反面、その特異な構造から、清掃をこまめに必要とする、というデリケートな面もあります。

また、製造には高い技術が必要であり、誰でも簡単に作れるわけではありません。

このあたり、「命中精度は今一つだが、簡単に作れて、耐久性は恐ろしく高い」というロシアのAKシリーズとは、対照的です。

現代でも様々な改修が施され、アメリカを中心に世界中で使われている他、新しい銃の開発ベースとされることも多く、世界でも最も優れたライフルの一つ、と言ってもいいでしょう。

2.M16の誕生まで ~期待の「ブラック・ライフル」~

M16誕生のきっかけは、第二次世界大戦終結直後までさかのぼります。

当時、歩兵同士の撃ち合いは、大体1km程度の距離を置いて行われるものだと考えられていました。

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そこで、歩兵用火器に求められたのは、1km以上先の敵に正確に当たる精度と、当たれば一撃で相手を倒せる威力を持っていることが重視されていました。

ところが、実際の戦闘を分析してみると、当時の軍隊の「常識」を覆すようなことが明らかになります。

実際の歩兵同士の戦闘は、当時想定されていた距離の約半分、500m程度の距離で行われていたのです。

そして、そうした接近した撃ち合いにおいては、高威力の弾丸を一発ずつ狙って撃つよりも、多少威力は劣っても、連射できた方が有利であることが明らかになりました。

そこで、アメリカ軍も連射可能な歩兵火器の開発に着手し、最初にアメリカ軍に採用されたのは、M14というライフルでした。

1957年に採用されたこの銃は、当時のNATO標準弾薬とされていた7.62ミリ×51弾という強力な弾薬を連射できましたが、7.62ミリ弾の強すぎる反動は、連射時にはもはやコントロール不能といえるほどで、フルオート射撃時の命中率は悲惨なものでした。

このM14とアメリカ軍制式採用ライフルの座を争ったライフルの中に、「AR-10」という銃がありました。

航空機メーカーだった「フェアチャイルド社」の「アーマーライト事業部(現・アーマーライト社)」のユージン・ストーナーによって設計されたこのライフルは、当時としては先進的に過ぎる、アルミとプラスチックを多用したもの。

その真っ黒な外見は、「ブラック・ライフル」とあだ名がつきました。

軽量で扱いやすく、関係者からの評判も上々でしたが、耐久性試験で銃の一部が破損してしまい、主力ライフルの座をM14に譲ることになりました。

1957年、「AR-10」の設計者のユージン・ストーナーは、アメリカ陸軍の要請を受けて、「AR-10」を小型化した、AR-15を開発します。

その最大の変更点は、使用弾薬を7.62ミリ×51弾から、5.56ミリ弾に変更したことでした。

これにより、連射時の反動を軽くすることに成功します。

しかし、フェアチャイルド社自身は、高度な製造技術を要する「AR-15」を大量生産できる設備を持っていなかったので、銃器メーカーとしては老舗のコルト社に、その製造権を引き渡しました。

コルト社は、早速この銃を、アメリカ軍に提示し、アメリカ空軍の一部が、「M16」として採用を決めます。

こうしてM16は、軍用ライフルとして、実にささやかなスタートを切ったのです。

3.M16のその後 ~「欠陥兵器」から、「兵士の友」へ~

M16がアメリカ空軍に導入された2年後、アメリカは、一つの戦争に突入します。

ベトナム戦争です。

当時、アメリカ陸軍の主力ライフルは、M14でしたが、ベトナムのジャングルで、次々と問題点が露わになります。

まず、銃本体を木製で作っていたために、高温多湿のジャングルで木製部分が腐ってしまう、という事態が多発しました。

また、連射時の強すぎる反動は、ジャングルでの接近戦には不向きでした。

予想外の事態に、アメリカ陸軍は、M16を急きょ制式採用することを決定、M16は大量に生産され、アメリカ軍全体にいきわたることになります。

ところが、いざ使い始めると、M16は作動不良が大量に発生してしまいます。

そのあまりの作動不良の多さは、軍のみならず、アメリカ議会においても問題視されるほど。

兵士の間でも、「M16は欠陥銃」という評価が広がってしまいます。

そこで、改めて詳しく調査を行うと、驚くべき問題点が明らかになり、その一つは、弾薬の問題でした。

ベトナム戦争当時、使われていた弾薬は、「すす」が多く出る、不適切なものだったのです。

もともと、弾薬の燃焼ガスを直接機関部に吹きかける、という動作方式を採用しているM16は、使っているだけで汚れやすく、同時に汚れに弱い銃でした。

そんなM16に、さらに汚れを増やすような弾薬を使った結果、機関部が「すす」で壊れてしまい、動作不良が多発したのです。

しかし、それ以上に大きな問題だったのは、M16を使う兵士たち自身にありました。

M16は、その未来的な外見から、いつの間にか「この銃は、自分自身で銃内部を掃除してくれる、メンテナンスのいらない銃だ」という噂がついて回るようになっていました。

そして、これを信じた兵士たちが、銃の掃除を一切しなくなってしまったのです。

もちろん、M16にそんな機能はありません。

ただでさえ汚れに弱く、銃内部のこまめな掃除が不可欠なM16が、そんな扱いを受けた結果が、大量の動作不良だったのです。

また、当時のアメリカは徴兵制だったため、十分な教育を受けていない兵士までもが、戦場に駆り出され、銃のマニュアルをまともに読むことができない兵士も大勢いました。

結局、ベトナムにおけるM16の動作不良は、「使い方が悪かった」ことから起きたのでした。

その後、アメリカ軍はライフルの清掃を徹底するように命令を出すとともに、マニュアルを読めない兵士にもわかるように、コミック形式の清掃マニュアルを配布。

M16の動作不良は嘘のように収まり、本来の性能を発揮し始めます。

特に、その命中率の高さは、兵士たちから大好評となります。

やがてベトナム戦争が終わるころには、M16は、「兵士の友」として、広く西側諸国で使われるようになります。

現在でも、アメリカ軍における歩兵の主力ライフルは、M16と、その派生ライフルで占められており、当分、変わることはないと言われています。

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Akiyama Naohiro

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