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陸上自衛隊の直面する問題

陸上自衛隊は人員15万人、予算1兆8000億円、「主として陸において行動し日本の平和と独立を保つため、直接及び間接の侵略に対する防衛を行うことを主任務とし、また必要に応じて公共の秩序の維持に当たるもの」、と定義されています。

昨今は3.11の時の目覚ましく献身的な活動から、国民からの信頼や認知度も上がったところですが、現在、陸上自衛隊は大きな問題に直面していると言えます。

一つが開戦の可能性の高まってきた、対中国との国境問題で、中国は尖閣諸島を「我が領土」などと言い、虎視眈々と武力侵攻の機会をうかがっている。

党中央は確実に、間違いなく、一番効果的で的確な時期に人民解放軍に対し尖閣諸島を奪取するよう求め、人民解放軍は尖閣諸島侵攻計画を練っている状態。

陸上自衛隊に限らず、海空自衛隊も当然、日本国はこの問題に対処しなければなりません。

しかし、日本は軍事とは関係のない所で非常に財政的に困窮しており、社会保障問題や増税、国の借金問題等解決の難しい問題が山積みで、陸上自衛隊もそのあおりを受けている。

そもそも、陸上自衛隊が尖閣や九州に重点を置く以前は、ソ連の機甲部隊による北海道侵攻がよりリアルな脅威であり、北海道に機甲師団や、機甲部隊を重点的に配置してソ連の脅威に備えていた。

しかし、時代は移り変わりソ連は崩壊し、また軍事的にも経済的にも友好的な国の一つとなり、かつてほどの脅威とは言えなくなりました。

代わりに中国の九州地方への武力侵攻が現実味を増していたため、陸上自衛隊は北海道から、徐々に九州へと人員や装備を移しはじめている。

話が予算問題に戻って、当初、陸上自衛隊は予算を削る際、まず最初に人件費を削る方向に動き、新たに配属させる新人の門を狭めたため、隊員の高年齢化が進んでいる。

軍隊は若い力が一番必要であるので、「今いる中高年の隊員の生活を守るため」という考えは愚かな行いであるように感じる。

また装備面も新装備に恐ろしいほど予算を割いておらず、当面必要な装備品としては水陸両用車の購入とオスプレイと考えられますが、今計画しているオスプレイにしても13機を購入したものの、メンテナンスの費用まで考えていなかったようで、予算オーバー間違いなしの状況である。

13機購入して整備不足により可動機が少なくなるのか、購入をそもそもやめるのかは定かではありません。

また、対中国を視野に、急な勢いで陸上総隊の総隊と水陸両用部隊の創設を急いでおり、陸上総隊に関しては陸幕、防衛省との政治的な争いによるものとも考えられています。

陸上総隊はタカ派幹部の願いで、現在までハト派の多い防衛省と、喧々諤々の議論を交わしており、陸上総隊を作ることにより、中央即応集団は不必要となり解体する予定と言われている。

これは中央即応集団や特殊作戦群が大臣直轄であり、陸上自衛隊の枠からはみ出て大臣の命令で活動するのが生意気である、大臣からダイレクトに命令を受けるのではなく、自分たち(陸幕)を通してほしいという、なんとも子供のような理由が見え隠れします。

いつまでたっても実戦を念頭に置いた訓練や、活動をしない陸上自衛隊に業を煮やしたがごとく、中央集団は作られ、訓練も陸上自衛隊のものとは一線を画しています。

それを「我々の作り上げてきた陸上自衛隊のドクトリンに反するものだ」と、半ば強制的にそういった先進的で、陸上自衛隊を小ばかにした考え方を根元から取り去ろうという。

これは心の小さい日本人の得意な、全体主義的発想なのかととても残念に思えてしまう。

陸上自衛隊は訓練のための訓練をしていればいいだけの時代から、実戦に備えた訓練をし、実戦を念頭に置いた行動が求められる時代に変遷してきました。

その中で実戦的な考えを排除し、古き良き自衛隊に戻してしまうようなことが、本当に自衛隊のために、国民のためになるのでしょうか?

政治的な争いをやめ、全ての力を陸上自衛隊の改変に注げるようにしてもらいたいところです。

また法整備がいろいろ議論されており、内部の法や規則もそろそろ大幅に整備すべき時期に来ており、さまざまな法、規則に縛られた自衛隊ですが、近年規則や注意事項が増えすぎて、古い規則と新しい規則が矛盾している、もしくは2度手間であったりすることが多々あります。

これは過去に作った規則が不十分であったから改正したり、新たな規則を作ったりする際、古い規則を作った先輩たちに気を使って微妙に規則の跡形を残していたりするためで、古い規則を完全にオーバーライドせず、新しい規則を古い規則の上に無理やりかぶせたような、無茶苦茶な規則が出来上がったりしてしまっています。

そういう意味では無理無駄ムラが非常に多く、自衛隊は無駄な規則や習慣を一向に削ったり見直したりしない組織と言っても良く、どこからどう改善するかわからないが、役所のような考えは捨て去り、規則や注意事項の見直しが必要であると思う。

予算を削った結果、人員に被害はなかった(その代わり入隊者が激減した)かわりに、装備面で民主党政権下では安価な韓国製の装備が推奨され、韓国製のカーナビや韓国製のタイヤがあふれています。

もちろん性能は国産の数段下で、タイヤ交換作業中にタイヤが破裂し隊員が死亡するという痛ましい事故が起きたりしています。

また「調理員に隊員を使うのは無駄であるから、アウトソーシングを使うように」という、政治家の偉いお言葉のせいで、自衛隊では現在ほとんどの食事がアウトソーシングの会社依頼である。

有事の際に前線近くで調理するのはアウトソーシングの人間ではなく隊員なので、いざというときにあまり慣れていない隊員たちが食事を作らねばならないという、状況は非常に空恐ろしい事に思えます。

榴弾砲や戦車についても数が削減され、「そういう時代ではない」というが、単なるリストラで、榴弾砲などの火砲も削減し、大砲を扱う隊員は普通科連隊に配属されることになった。

長年砲を扱ってきた隊員を、いまさら普通科連隊に配置するというのは、組織とはいえあまりにも酷な気がします。

戦車もお金のかかる部門のため、戦車の両数は減らされ、北海道と九州にのみ配備となり、本州には機動戦闘車が戦車の代わりとして装備されるという。

本州では戦車による戦闘は起こりえない、必要ないということのようですが、防護力も戦車よりはるかに劣る機動戦闘車が戦車の代わりになるとは到底思えません。

最後に問題提起したいのがヘリコプター部隊。

ベトナム戦争でのヘリコプターの活躍を見て、ヘリコプターを導入することにした陸上自衛隊ですが、UH-1、AH-1の老朽化に伴う後継機問題に揺れています。

陸上自衛隊で一番病巣が根深いのがこのヘリコプターにまつわる問題と言っても良く、AH-1の後継にアパッチを入れようとして少数で調達を一方的に終了し、富士重工を激怒させ、談合事件でUH-Xの開発が見送られ、これも川崎重工との関係悪化につながっています。

オスプレイに関してもはっきりせず、「みんなが言うからオスプレイを買う」というような状態。

UH、AHの老朽化は非常に由々しき問題だが、解決の糸筋は見えておらず、一日も早くこうした問題を解決し、真に戦える組織へと変貌してほしい。

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